

ラシッド・ハッサン
リヤド:国連世界食糧計画(WFP)でイエメンを担当するリチャード・レーガン氏は、WFPを支援するサウジアラビアの重要な努力を称賛した。これは、内戦で荒廃したイエメンの緊急の食糧需要ニーズに対応するためのものだ。
独占インタビューでリチャード・レーガン氏はアラブニュースに対し、イエメン国民への食糧供給を維持する上で、サウジアラビアが極めて重要な役割を果たしていると述べた。
「サウジアラビアの役割は、最重要ではないにしても、重要性はトップクラスです。隣国ですから、国境が安定すればサウジアラビアの利益になることは明らかです」と同氏は述べた。
「これまでにサウジアラビア国民に提供してもらった人道支援は重要でした。財政的パートナー、人道的パートナー、政治的パートナーとして、彼らは不可欠です」
「サウジアラビアの協力がなければ、イエメンで我々が効果的に行う必要のある種類のプログラムを実行することは本当にできません。なので、私はサウジアラビアに来ています。3カ月前に就任して以来、初めて訪れる国です。私にとって最も重要な場所です」と同氏は付け加えた。
レーガン氏はまた、サルマン国王人道援助救援センター(KSRelief)を名指しし、特別に称賛した。
同氏は次のように述べた。「KSreliefは世界の人道的支援において重要であり、特別です。我々のパートナーの多くは資金を提供するだけですが、KSreliefは違います。彼らはプロジェクトを実行します。彼らはイエメン国内にいて、特に紛争国イエメンの南部の力学に精通しています」
同氏は、WFPはKSreliefを2つの点で重要視していると指摘した。「効果的なプログラムの実行方法に精通している、仕事上のパートナーとして。そして、非常に優れた財政的パートナーとして」だ。
同氏はこう付け加えた。「7年に及ぶ戦争の後、イエメンでは何をしてもうまくいかず、国として多くの面で機能しなくなっています。ですから、KSreliefが医療分野で行っているような活動がなければ、何百万人もの人々が医療を受けられなくなってしまいます。本当に重要なものの一つなのです」
イエメンの現状について同氏は次のように述べた。「国連世界食糧計画では、イエメンの人口の半数強に食糧を供給しています。我々にとって、これは世界最大のプログラムであり、歴史を振り返っても、WFPがこれまで行ってきたプログラムの中で最大のものです。イエメン国民を餓死させないために我々が取り組んできたことの規模は非常に大きいのです」
レーガン氏は、自身がイエメンで3カ月暮らしていることを指摘した。「ですが、思うに、最も明白なことは、停戦によって希望が生まれたということです。イエメンは7年に及ぶ戦争の後、岐路に立たされていると思います。戦争、衝突、対立に戻る道と、平和に向かうもう一つの道に分かれています」
「サウジアラビアの協力がなければ、イエメンで我々が効果的に行う必要のある種類のプログラムを実行することは本当にできません。なので、私はサウジアラビアに来ています。3カ月前に就任して以来、初めて訪れる国です。私にとって最も重要な場所です」
リチャード・レーガン、国連世界食糧計画イエメン担当
「今のところ、停戦は維持されているようです。小競り合いはありますが。3日前、タイズで不幸な出来事がありました。人々がお祝いをしていたときに、公園の隣のビルが攻撃され、死者が出ました。停戦のことを考えると、こういうことが起きるのは良くありません」と同氏は付け加えた。
同氏は、国連で当事者間で話し合われた信頼醸成措置の進捗について説明した。
「燃料船が入港するようになり、1月1日から3月末まで顕著だったガス不足は緩和しています。これはWFPにとっては重要でした。燃料がないと本当に仕事ができませんでしたから」
イエメンでは紛争当事者の合意により、4月に2カ月の停戦が発表された。
レーガン氏はこう述べた。「必要だった燃料の問題は解決しました。紛争中であっても、イエメン国内で役目を果たし、食糧を供給する我々の能力はかなり高いと思っています。毎月1000万~1500万人に食糧を供給しています」
人々への食糧供給に加え、人道上のニーズに対応するため、空港の運営にも取り組んでいることを同氏は強調した。
「NGO(非政府組織)のパートナーや国連機関などのための、国連人道支援航空サービスというものがあります。イエメン行きの航空輸送において大きな役割を担っています。ジェッダから行き来する、人々に人道援助物資を運ぶ船もあります。
「我々は食糧に関することだけでなく、いろいろなことを行っています。国連機関・NGOのパートナー用の通信サービスを運営しています。つまり、WFPにとって重要で、費用のかかるプログラムです」
「我々の全業務を行うには、1カ月あたり2億ドルに相当する資金が必要です。我々の今年の業務の一部である資金調達の額は、それほど多くはありませんでした。これまでのところ、必要な額の25%しか集まっていません。なので、配給をグループごとに分ける作業を始めなければなりません」と同氏は補足した。
米国とドイツを除けば、サウジアラビアは常に主要援助国の中で屈指の寛大な国だ、とレーガン氏は指摘した。「GCC(湾岸協力会議)諸国はこれまで我々をサポートしてくれました。近い将来にもそうなることを我々は期待しています」
先日発表された今年の国連人道支援対応計画では、約40億ドルの拠出を求めており、その半分をWFPが占めている。
同氏は次のように述べた。「この数年間、我々が拠出額の半分以上を占めてきました。食糧が最も重要であることは明らかであり、我々は人々に食糧を供給し、港に小麦を運びます。届いたらすぐに製粉します。それがなくなってしまうので、貯蔵できるストックもありません。必要量が多すぎるのです」
「私は22年間WFPにいて、世界最大規模の活動をいくつか管理してきましたが、イエメンで行っている活動ほど大規模で複雑なものはありません」
レーガン氏は、ウクライナ紛争が世界全体に影響を及ぼしていると指摘した。
「イエメンは、残念ながら、最も大きな影響を受けることになる場所の一つです。なぜなら、すでに経済が停滞しており、国民の購買力がほとんどないからです。内戦で国内避難民となった人々は400万人を超えています」
「私が一番急いで世界に伝えたいのは、イエメンのことを忘れないでほしいということです。イエメン内戦は今もなお世界最大級の惨事かもしれません。世界の関心はウクライナに移っています。でも、イエメンのことを忘れないでほしい。平和を実現する本物のチャンスがあるのだから」
「内戦が始まってから初めて、平和への希望をより多く持てるようになりました。私が話をした人々、彼らが望んでいることです」
「確実にイエメン国民は平和を望んでいる。内戦に疲れて、爆撃に疲れている。子供たちに教育を受けさせたいし、親戚を訪ねたい」
「彼らがしたくてたまらないのは、移動できるようになることや、我々にできて彼らにはできない基本的なことだけなのです。なので普通のイエメン人は、この内戦が収まるという大きな希望を抱いているのだと思います」とレーガン氏は付け加えた。