

ディーマ・A・クデイル
ジェッダ:環境にやさしいハッジのための生態系の回復には「良い炭素」が必要だと、サウジ・グリーンビルディング・フォーラム(SGBF)のCEOは語る。
SGBFは国連環境計画と共同で、アル・マシャール地域の土地を回復しその限界と炭素容量を調査するための研究を行っている。
アル・マシャール地域の面積は119平方キロメートルで、アラファト、ムズダリファ、ミナなどのハッジ主要地を含む。
SGBFのファイサル・アル・ファドルCEOは、良い炭素(土壌炭素)を増やすことで、環境が自ら回復するのを助けることができると語る。これは、人為的な取り組みを通して実現できる自然現象だ。
「植物は土壌炭素を供給することで、環境が自らを復活させるための生態系容量を取り戻す助けになる。これには植物と動物、および人間によるそれらの根本的な使用方法が含まれる」と同CEOはアラブニュースに語る。「木によって地域を回復させるためには7000万トンの土壌炭素が必要だ」
人間の豊かな経験のためにはアル・マシャール地域の間の地域も回復が必要だという。「ミナだけでなく、その周りの山々も」
同CEOは、「良い炭素」はヒートアイランド(セメント、ビル、反射ガラスなどの物体、要素、構造)の「悪い炭素」を打ち消すと語る。
「これらは全て多くの熱を発生するので、土壌炭素を増やすことでそれを削減したい。この研究は国連環境計画によって認可されており、この地域は科学的・動物学的・植物学的なケアを必要としている」という。
サウジアラビアは昨年10月にムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下が発表した2060年までのネットカーボンニュートラル達成を目指しており、またこの動きは同国の発展計画にも沿っているという。
SGBFは設立当初から環境にやさしいハッジを提供するためのプロジェクトを開始しており、現在は持続可能性に対する意識を高めて行動計画をステップアップさせているとのことだ。
「内部からの巡礼場所であるだけではなく、人間的な体験ができる場所だから、その自然を回復させなければならない。世界最大の国際的な受け入れ場所だから、生態系容量の回復は人々の経験がユニークであるために必須だ」
同CEOによると、アル・マシャール地域の植物面積は非常に少なく、緑に限らない全ての種類の植物が占める面積は0.5%以下だ。しかし、2000年から2010年の間に植物面積は122立方メートルから878立方メートルに増加したという。
「800%増だ」とのことだ。
アル・ファドルCEOは、米国の建築家ウィリアム・マクダナー氏の「カーボンのための新しい言語」に言及して、炭素管理と気候変動のための3つの戦略を挙げ説明する。
第1の戦略はカーボンポジティブだ。これは、大気中の炭素を土壌の栄養を強化する形やポリマー・固形凝集物などの永続的な形に変換すること、また有機物、食品廃棄物、堆肥ポリマー、下水道から炭素をリサイクルして栄養に変えることだ。
第2の戦略はカーボンニュートラルだ。これは、世代を越えて、炭素を永続的に土壌に結合した形やサイクルに変換・維持することを指す。あるいは、炭素を放出しない太陽光、風力、水素発電などの再生可能エネルギーのことだ。
第3の戦略はカーボンネガティブだ。これは、様々な形の炭素で土地、水、大気を汚染する行為を指す。例えば、大気への二酸化炭素やメタンの放出や海ヘのプラスチックの廃棄などだ。