
タレック・アル・タカフィ
メッカ:今年のハッジでは、グランドモスクおよび預言者のモスクのシェイク・アブドゥルラフマン・アル・スダイヤ総務所長の指示により、初めてサウジアラビア人女性が女性の群衆管理の最前線に立つことになる。
女性グルーピング・集団支援局のヌーフ・カール次官はアラブニュースに対し、サウジアラビアには毎年何百万人ものムスリムがハッジやウムラに訪れるため、サウジアラビアは群集管理の分野において世界をリードしていると述べた。
「群衆管理は、多種多様なサービスを提供する何十もの行政機関の(協力を)必要とする、最も難しい経営科学の一つです。群衆管理の難しさは、文化や言語、行動様式の異なる群衆にどう対応するかという部分にあります」とカール氏は言う。
カール氏によると、彼女の所属機関は今年の初めに設立され、現在約130人の女性職員が働いている。
群衆管理は、多種多様なサービスを提供する何十もの行政機関の(協力を)必要とする、最も難しい経営科学の一つです。群衆管理の難しさは、文化や言語、行動様式の異なる群衆にどう対応するかという部分にあります。
ヌーフ・カール氏、女性グルーピング・集団支援局次長
また彼女は、グランドモスクと預言者のモスクの事務総局傘下の機関として、支援局の最大の目的は「巡礼者が全ての儀式をスムーズに安心して行い、二聖モスクの地で豊かな経験を得ること」ことであると述べた。
カール氏はさらに、こう付け加える。「当機関の使命は、ウムラおよびハッジに集まった女性をグループ分けしてマタフで回礼を行えるよう誘導し、礼拝後には女性向け礼拝エリアを空け、絶え間なくやって来る女性グループを受け入れる準備をするなど、女性が安全な環境で礼拝や儀式を行えるよう、指定されたエリアに集団をスムーズに導くことです。巡礼者のために働くことは、私たちの誇りとなる素晴らしい名誉です。」
同機関は、メッカのグランドモスクで毎日午後9時まで女性巡礼者を受け入れる用意をしている。ほとんどの女性巡礼者は、アスルの礼拝の後に訪れ、断食を解くために、マグレブとイシャーの礼拝を行う。
「私たちは、タワフ・アルイファダとタワフ・アルワダに向けたグループ化フェーズを完了するために、群衆管理に関して行政との連携を図っています」と彼女は言う。
群衆管理の専門家であるアクラム・ジャン氏は、サウジアラビアのハッジ関係者らは、最新のベストプラクティスの発見と実施において、世界でも主導的な役割を果たしていると述べる。
ジャン氏によれば、サウジアラビアは、群衆組織の分野でパイオニアである。最高のサービスと設備を提供し、カーバ周辺の回礼場所およびその上階、屋根、全ての階でスムーズな移動の流れを確保することに成功している。
ジャン氏の説明によれば、混雑状況を分析し、利用可能なスペースを計算した上で最適な人数を割り出す技術的手法があるという。この手法は、ヨーロッパの大広場の群衆整理にも利用されている。計算精度が高いため、監視者およびアナリストが人数を予測することが可能となるのだ。