Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • サウジアラビア
  • サウジアラビアの学校でハイテク利用の学習革命が進行中、専門家がパネルで指摘

サウジアラビアの学校でハイテク利用の学習革命が進行中、専門家がパネルで指摘

一流の技術専門家のパネルで、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、360度動画コンテンツなどが含まれる、XR技術の未来が論じられた。(提供)
一流の技術専門家のパネルで、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、360度動画コンテンツなどが含まれる、XR技術の未来が論じられた。(提供)
Short Url:
12 Aug 2022 05:08:23 GMT9
12 Aug 2022 05:08:23 GMT9

ナダ・アル・トゥルキ

リヤド:近いうちにエクステンデッド・リアリティ(XR)技術がサウジアラビアの教育環境に革命をもたらすだろう。一流の技術専門家が参加するパネルで、NEOMアカデミーのマネージングディレクター、アリ・アル・シャマリ博士が発言した。

アル・シャマリ氏はパネルに参加し、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、360度動画コンテンツなどが含まれる、XR技術の未来を論じた。

VRヘッドセットやソフトウェアへのアクセスがかつてなく容易になり、教育を含む複数の分野で、世界中でこの技術が知識構築を促すために採用されている、とアル・シャマリ氏は語った。

タブーク大学Eラーニング・遠隔教育学部長を兼任するアル・シャマリ氏は、アラブニュースに対し、次のように述べた。「医学は実に最大の分野になっており、物理学、化学、生物学、生化学などの自然科学が包摂される、複数のVR没入型学習環境技術が展開されており、しかも成長し続けている」

かつての教師を中心とする教育制度では、単一の情報源からの学習に重点を置き、他の情報源は信用を持たなかった、と同氏は付け加えた。

「現在、私たちは生徒本人に焦点を当て、スキル、知識、価値を向上させるためのツールやリソースをどのように生徒に提供するかに重点を置いている」

テクノロジーが人間生活のあらゆる側面でより大きな役割を果たし始めつつあり、学習のための適切なコミュニケーション手法を発見できるように生徒を指導するのは教育者の仕事である、とアル・シャマリ氏は考えている。

「かつて私たちは、労働者を育てるために、個人差を捨象して生徒を一まとめにする包括的モデルを採用していた」

「私たちは、特定の仕事における特定の課題リストをこなせるようになる生徒を求めている。今日、生徒は自分で学べるようになった。さまざまなリソースをもとに学ぶことができる。テクノロジーが教師に取って代わるとは言わないが、テクノロジーを使いこなせない教師はテクノロジーに取って代わられると思う」

「個別学習モデルでは、生徒の個人差をより重視する。生徒には学ぶ内容や方法を自分で決定する自由を与えようと試みている」と、アル・シャマリ氏は、新たな教育トレンドを過去の厳格な棒暗記学習モデルと対比させて語った。

アル・シャマリによると、世界のほとんどの国で一般に行われている公教育制度は「着座時間基準」である。すなわち、生徒は一定の時間数、教室で授業を受けないと次の学年に進級できない。

だが、サウジアラビアで始まろうとしている新たな個別学習モデルは、興味、能力、スタイル、個人的信念など、個々人の学習の相違により焦点を当てている。

この動きが強まるなか、最先端テクノロジーが導入される。XR技術を使用して没入型学習環境が構築され、そこでは生徒が知識を応用できるシミュレーションが作り出される。

「没入型学習環境では、あなた自身が演技者になる。自分で行動し、自分の眼で行動の結果を確認し、すぐにフィードバックを受け取り、物語を書き上げる」と、アル・シャマリ氏は述べた。

だが、多くの親が教室でのテクノロジー利用に懸念を抱いており、よく娯楽;ゲームになぞらえている。

しかし、アル・シャマリ氏は次のように語った。「教室に現実を持ち込むのは困難なことがある。コストや安全性を考えてみてほしい。例えば、ヘビや爆弾兵器、その他の危険物について教えたいと思っても、教室に持ち込むことはできない。だが、周囲の状況をすべて見渡せるシチュエーションを、生徒に体験させることは可能だ」

これは生徒の道徳教育にも適用できる。特定の状況に対応するように生徒を指導する代わりに、XR技術を使用して疑似的に、他人の立場を体験させることができる。

「あなたを没入型学習環境に入れ、その環境がホームレスに関するものだったとする。あなたは、ホームレスになるとはどういうことかを体験するだろう。人々があなたについて何を語っているかを、目の当たりにする。そして、あなたの価値体系は変わることだろう」とアル・シャマリ氏は語った。

構成主義という新たな理念が世界中の教育制度を変える重要な役割を果たし始めつつあり、メタバースのような未来技術も役立つだろう、とアル・シャマリ氏は述べた。

「メタバースでは、自分のスピード、自分のペース、自分のしたい方法、自分の好きな技術やプラットフォームを使用した学習が可能になる。その概念をVRで学習しなければならない、という類のものではない。好むと好まざるとにかかわらず、メタバースは教育の次の大きな潮流になるだろう」

これらの技術は、サウジアラビアでは予想より早く導入される可能性がある。「今後数カ月以内にK-12で見られると想像している。何年とは言いたくない。だが、先に言及したように、本当に急成長している」と、アル・シャマリ氏は述べた。

特に人気
オススメ

return to top

<