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サウジの女性、国家の発展に多大な貢献

アブラル・アブドルマナン・バル博士
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アブラル・アブドルマナン・バル博士
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12 Sep 2022 05:09:31 GMT9
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  • 「ビジョン2030」に沿った構想では、より多くの女性に指導的役割を担ってもらうことを目指している

タレク・アル・サカフィー

メッカ:サウジアラビアの女性は、同国の経済、社会的発展の面で大きな貢献をしてきたと、「文化的コミュニケーション・サラムプロジェクト」(Salam Project for Cultural Communication)のナレッジ部門長で女性のエンパワーメント(女性の社会的地位向上)の専門家であるアブラル・アブドルマナン・バル博士は強調した。

これは、女性がリーダーシップを発揮するために必要なスキルを身につけたことで達成されたものだ、同氏は述べた。

日本の東海大学で客員准教授も務めるバル氏は、「女性のエンパワーメントは世界的な関心事であり、世界中の開発計画に不可欠な要素だ 」と述べた。

バル氏は、経済協力開発機構(OECD)加盟国における女性の地位向上により、それらの国々の国内総生産が合計6兆ドル上昇するという研究結果がある、と説明した。

2016年の「サウジアラビア王国のビジョン」発表からわずか5年で、29万3千人以上の女性が同国の労働市場に進出した。

「今ではサウジアラビア人の女性大使や副大臣などが誕生し、サウジアラビアの女性のモチベーションを高めるモデルとなっている」と同氏は述べた。

サウジ統計総局によると、女性の経済参加率は2016年の19.3%から2020年末には33.2%に増加し、一方で失業率は、2016年の34.5%から2020年には24.4%に減少している。

女性の労働市場への参加率は、2020年から2021年にかけて25.9%から33.6%に上昇し、「ビジョン2030」で設定された目標を上回った。

今ではサウジアラビア人の女性大使や副大臣などが誕生し、サウジアラビアの女性のモチベーションを高めるモデルとなっている

アブラル・アブドルマナン・バル博士

バル氏によると、サウジアラビア女性の平均年収は1,116億サウジアラビアリアル(SR、296億ドル)に達したという。

女性の社会的地位向上のメリットは、社会全体に及ぶとバル氏は言う。女性のエンパワーメントが進めば進むほど、「子どもたちへの教育が進み、家庭や地域社会全体の水準が高まっていく」としている。

同氏は、ワークライフバランスは男性も含めて考えるべきであり、家庭の領域は女性だけのものであってはならないという。

「このバランスを保ち、職務、経営、個人、家庭の各分野で成果を上げるためには、継続的に支援する文化が必要。その過程で障害や課題に直面するのは普通のことだ」とバル氏は述べた。

例としては、サウジ人材・社会開発省がフランスの老舗ビジネススクールINSEADと共同で立ち上げた取り組みの一つである「女性リーダー2030 女性幹部向けのメンタリングとリーダーシップ研修イニシアティブ」があるが、これに限らず多くのプログラムがある。

このイニシアティブは、サウジアラビアの女性に対し、サウジ国内外の職場環境で国際的な競争力を高めるためのリーダーシップスキルを身につけてもらうことを目的としている。

また、「文化コミュニケーション・サラムプロジェクト」が提供し、宗教間・文化間の対話促進を目指す「グローバルコミュニケーションのためのヤングリーダーシップ資格取得プログラム」もある。

バル氏によると、参加者の50%はサウジアラビアの女性で、計250人以上のサウジアラビアの男女の若者がこのプログラムでトレーニングを受けたという。

これは、プリンセス・ヌーラ・ビント・アブドルラフマン大学の女性リーダーシップセンターの取り組みの一つ、リーダーシップ・プログラムの立ち上げと並行して実現したものだ。

国内外の専門家と協力して実施されるこのリーダーシップ・プログラムでは、リーダーシップを担えるサウジアラビアの若い女性を育成している。

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