

サウジ王国についての認識と現実の落差と、サイモン・コリス氏は言う
ヌール・ヌガリ、リヤド
辞任する駐サウジアラビア英国大使は、過去5年間同国に駐在し、サウジ王国の変化を直接目の当たりにしたことは特別に栄誉なことだったと述べた。
サイモン・コリス氏は1978年に外務および英連邦省に入り、イラク、シリア、カタールの大使を務めた。また、バーレーン、チュニジア、ヨルダン、ドバイ、インドでも上級外交の地位を占めた。
サウジアラビアでの彼の任務は、2015年1月にサルマン国王が王位についてから一週間後に始まった。個人的な目立った出来事としては、2016年に妻のフーダさんとハッジ(メッカへの巡礼)を行ったことなどがある。
「ここでの5年間は重要な5年間であり、私たちにとってだけではなく、サウジアラビアの歴史上、そしてもちろん英国との関係の上でも…重要な5年間でした」と、彼はアラブニュースに伝えた。「本当にすばらしい時間でした。」
ムタワ、または宗教警察として知られる勧善懲悪委員会の役割とその抑制されていない権限に関してはかつて懸念があったと彼は述べた。
ハイライト
・サイモン・コリス氏は1978年に外務および英連邦省に入り、イラク、シリア、カタールの大使を務めた。
・また、彼はバーレーン、チュニジア、ヨルダン、ドバイ、インドでも上級外交の地位を占めた。
・サウジアラビアでの彼の任務は、2015年1月にサルマン国王が王位についてから一週間後に始まった。
・彼個人の目立った出来事としては、2016年に妻のフーダさんとハッジ(メッカへの大巡礼)を行ったことなどがある。
「そのことで神経質になる人々もいました。公共の場には音楽はなく、レストランでは男女は別々に座りました。2015年には、これらの変化がどれほどになるか誰も想像しなかったでしょう。最初は(改革計画)ビジョン2030、そして経済や社会の変化、女性の車の運転、ほぼすべてにわたる後見法の撤廃、ムタワの均衡のとれた役割など。」
彼は政府がエンターテイメントや文化部門の発展を重要視するのを「すばらしい構想」だと言って歓迎し、サウジ王国が変わっていくのを目撃して喜んだと述べた。
「新興国の意気込みを目のあたりにし、教育などの既存の部門に加え、多くのこれらの新部門、創造的なエンターテイメントは見ていて楽しいものだったと思います。もちろん、まだ完了はしていません。この期間、この5年間は王国の歴史の中で大事な瞬間になるのではないかと思います。」
王国の変化は海外から関心や―より多くの訪問者―を引き寄せた。
英国のアンソニー・ジョシュアとメキシコ系アメリカ人、アンディ・ルイス・ジュニアが闘ったボクシング試合、「砂丘の決闘」や、デビッド・ゲッタとスティーブ・アオキを目玉としたエレクトロニック・ダンス・ミュージック・フェスティバル、MDL Beast、Kポップの超スーパースター、BTS(防弾少年団)やスーパー・ジュニアのコンサートなど、世界の超有名人が出演する充実したイベントを開催し、サウジアラビアは評判を得つつある。
サウジ王国についての認識と同国の現地の現実の間には落差があると大使は述べた。
「どんな国でも、世界から見たその国に対する認識、イメージと、そこで発見する現実の間にはギャップがあります。これはどの国にも当てはまります。認識と現実のずれは、サウジアラビアに関しては、私がこれまで在住した他のどの国よりも大きかったです。ですから、人々が訪問して自分の目で見れば、全体的な認識を変えてしまいます。彼らは考え方を変えます。これはとても力強いです。」
何十万人もの英国民が毎年メッカとメディナの二つの聖なる都市をハッジ(大巡礼)やウムラ(小巡礼)で訪れるが、同国を訪れる理由は増えつつある。
コリス氏は、英国の43,000人が、昨年10月に開始された新たな電子渡航認証システムを利用してサウジアラビアを訪問し、世界で最も多かったと述べた。
「毎年、英国を訪れるサウジ国民の数は増えていましたが、今や反対になっています」とコリス氏は述べた。「人口は7,000万人足らずですが、英国は他のどの国よりもサウジアラビアを訪問する国であり、私はそれがとても誇らしいです。私が出会った、サウジアラビアを始めて訪問した何十万人もの英国民についてそのことが言えます。私が会ったどの人も、サウジに到着した時よりも前向きな(見方)をして戻って行きました。ですから、もっと訪問が増えれば、より多くの人々がこの国や社会、国民の現実についてより良い考えを持つようになるはずです。」
コリス氏は多くのサウジアラビア人と出会い、友情を培ったと述べた。サウジ王国の人々は高潔さを持ち率直であり、大使は特に若い世代を賞賛し、彼らと座って話をすると「自然に楽しくなる」と述べた。彼らは物事への意識が高いと、彼は付け加えた。
数字
43,000-人 - の英国人が、昨年10月に開始された新たな電子渡航認証システムを利用してサウジアラビアを訪問し、世界で最も多かった。
彼がサウジの若者に注目しているのは明らかだ。彼は学友賞を設け、サウジ王国に戻り自らの専門的職業で卓越して成功したり、そのコミュニティに影響を与えたりしたサウジの学生を称えている。過去10年間に10万人以上のサウジアラビア人が英国で学んでおり、彼らがサウジアラビアに戻った時に、さらに彼らとの関わりが深まるようにこのプログラムは発展していくだろう。
国内の賞や世界的な賞を与えるイニシャティブは、英国の高等教育の影響力や価値を披露する目的を持ち、勝者や最終選考に残った人はその専門分野の指導者となる。
「学友賞は面白いです。この賞が注目するのは、起業家であれ、専門家であれ、社会的部門であれ、英国で何を研究したかではなく、資格を得た時なのです。戻ってきた時にサウジで何をしたかなのです。どのようにそれを利用したか?どんな役に立ったかが大事であり、取得したものではなく、自分自身のキャリア、生活、コミュニティや周りの人の生活を促進するためにどのようにそれを利用したかが重要です」とコリス氏は述べた。
駐サウジアラビア英国大使は、コリス氏の後はニール・クロンプトン氏が引き継ぎ、来月就任する。