
ジャスミン・ベイジャー/スラファ・アルクナイズ
ダーラン/リヤド:バレンタインデーを前にキューピッドの弓矢が何組もの幸せなカップルに命中し、愛と感謝と敬意を分かち合う人生をもたらした。しかし、カップルの関係を保つものはそれだけではない。アラブニュースはカップルに、幸せな結婚の秘訣は何かを尋ねた。
プラトンやアリストテレスの時代から、哲学はさまざまな愛の理論を提示してきた。
長きにわたる関係は素晴らしいものになりうるが、大変な努力が必要となる。多くの人は、必要なのは気持ちを示す壮大で贅沢なジェスチャーだと考える。
一方、必要なのは小さなジェスチャーだと考える人もいる。アラブニュースは「愛を長続きさせるものは何か?」という問いの答えを探し出そうと、既婚カップルに対して、何が喜びをもたらし、愛を長続きさせると思うか、尋ねた。
多くの人にとって最も重要なのは友情と細やかな配慮だ。たとえば、2017年から一緒に暮らす31歳のムアト・アジズさんと28歳のルルワ・アルガムディさん。
「私にとっては、結婚生活で重要な要素は友情と優しさです」とアルガムディさんは答えてくれた。「共に笑い、踊れる人と一緒に暮らすことができ、彼のそばで自分らしくいられること。ありのままの自分でいること。人生には浮き沈みがあり、それを信頼でき、支えてくれる友人と一緒に歩んでいけるのは、かけがえのないことです」
アジズさんは、結婚は簡単で、適応力と投資と優しさを必要とするライフスタイルの変化に過ぎないと考えている。とはいえ、一緒に楽しめるパートナーを見つけることが最も重要で不可欠なことだという。
「1人分の朝食を作る代わりに、2人分の朝食を作ります。そして、アイスクリームを1つ買う代わりに、パートナーが好む味に気を配りながら2つ買うのです。確かに、夜のエアコンの設定温度や、紅茶や砂糖の置き場所に違いはあるかもしれませんが、それはいつでも解決できることです。もちろん、両者が心を開いて話し合い、お互いに耳を傾けていればの話ですが」と彼はアラブニュースに語った。
結婚して33年になるウェダド・アラハメドさんも同感だ。
彼女はアラブニュースに対し、幸せな結婚生活を送るには、結婚をコミュニケーションが重要な真の友情とパートナーシップととらえることが必要だと語った。「パートナーの考え、インスピレーション、期待を理解することが必要不可欠です。
幸せな結婚とは、敬意と誠実さ、そして違いを受け入れる余裕と強い結びつきです」と彼女は語ってくれた。
ガッサン・アブドゥラディムさんとシャディ・アルバヤットさんは、彼らの結婚がうまくいっているのは主にコミュニケーションのおかげであり、友人でいることは常に結婚生活にプラスだとアラブニュースに語った。
「結婚生活の中でお互いの愛と魅力が成熟し、ある種の友情が生まれ、条件付きの寛容と受容が共感的包容に変化し、互いの違いを受け入れ、祝福するようになれば、結婚は至福で充実したものになるでしょう」とアブドゥラディムさんはアラブニュースの取材に答えた。「心を開くことと、あらゆる種類のコミュニケーションスキルが鍵です」
4人の娘の母親であるシャディ・アルバヤットさんは夫に同感し、幸せな結婚とは「日々成長していく」深い友情だと付け加えた。「信頼と、権利と責任を公平に分かち合うことです」
多くのカップルにとって、結婚式当日へ向けた期待と慌ただしさは、新しいパートナーシップの始まりとなる大切な日を迎えるまで、あっという間に過ぎ去る。結婚式のゲストが飛び交い、式直前でのフラワーアレンジメント、メイクアップ、ヘアスタイルなど、さまざまな作業に追われる中、フォトグラファーは、静かで穏やかな瞬間を見つめ、その日の2人の親密な関係や自然な瞬間をとらえる唯一の存在だ。
サウジアラビアのプロカメラマンであるタスニーム・アルスルタン氏は、10年以上にわたって地元サウジアラビア東部州で優れたウェディングフォトグラファーとして成功を収めてきた。
エレガントで楽しい瞬間をフレームに収め、2人並んで結婚へと歩を進めるカップルの本質をとらえた彼女のブライダルフォトはクリエイティブで美しいという評判が、すぐに広まった。やがて、彼女の被写体は、サウジアラビア国内だけでなく、海外にも広がっていった。
多くの意味で、彼女はそれぞれのカップルが愛ある生活へ足を踏み入れる瞬間に立ち会う人物になった。
「私が『And Then There Were Women』と改題した『Saudi Tales of Love』では、サウジ女性の親密な関係と、結婚の愛と、離婚についての物語が描かれています。そして、私は離婚経験のあるウェディングフォトグラファーとしてそれを追っています」と彼女はアラブニュースに語った。
アルスルタン氏は、2人の人間が家族と一緒に結婚を誓う瞬間に立ち会い、それを盛り上げる仕事を楽しんでいる。
また、多くの人が「人生で最も大切な日」と考える結婚式当日に光を当てることも彼女の仕事だ。ウェディングフォトグラファーとして、彼女は常にさまざまな形の愛に囲まれている。
アルスルタン氏によると、「完璧な結婚式」というのは神話で、それを目指すべきではないのかもしれない。
彼女は、結婚式の先を見据えて自分たちを見つめ直し、自分たちにとって意味のある最高の愛の形を切り開くようにカップルを促している。
ケーキの見た目や結婚披露パーティーのプレイリスト構成にこだわるのではなく、将来に向けて健全な生活を共に築いていくことに焦点を当てるべきだと強調している。
「結婚式は、自分たちがどれだけ幸せなのかを示し、あらゆる知り合いと一緒に祝う単なる大きなパーティーです。そして、重要なのは花や色、会場などの細かなことではありません。結婚式自体ではなく、結婚式がその先の人生に何を意味するのかをもっと考える必要があります」とアルスルタン氏は付け加えた。
数多くの結婚式を記録してきたアルスルタン氏だが、それでもはっきりしていることが1つある。彼女が愛を語るとき、その瞳に影が差すことは決してない。
彼女はこれまでの仕事を通して信念を失うことはなかった。
彼女自信の結婚は長くは続かなかったが、彼女がこれまで目撃してきた恋人、親、友人などの間に存在する愛の優しさを、今でもフレームの中に閉じ込めようと日々努力している。
彼女の写真のひとつひとつが千の言葉を語り、何百万通りの異なるラブストーリーを物語る。彼女がとらえたその一瞬の魔法のような輝きは、時空を超えるものだ。
彼女は今でも愛を信じているのだろうか?
「はい!いつも」と彼女は笑顔で答えてくれた。