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火星探査機ホープがアラブ圏による惑星間ミッションの第1号となる

31 Jul 2020
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Updated 31 Jul 2020
31 Jul 2020
  • このミッションが2021年に地球へ戻った時には、火星大気圏の全面的な写真が史上初めてもたらされることになる

レベッカ・アン・プロクター

ドバイ:7月20日午前1時58分、アラブ首長国連邦(UAE)の宇宙船ホープが日本の種子島宇宙センターから火星へ向けて打ち上げられた。7ヶ月間に渡る4億9,300万キロメートルの全行程のうち、現在247万キロメートルを超えた地点におり、火星には2021年2月に到達する予定となっている。UAE建国50周年の年にあたる。この探査機は7月15日に打ち上げられる予定だったが、不安定な気象条件のために延期された。7月20日はこの探査機の3度目の打ち上げ日となった。

ドバイのアルハワニージ地区にあるムハンマド・ビン・ラシド宇宙センターのミッション指令センター内では、15名のチームメンバーが交代で宇宙船の動きを追跡している。

「火星に関しては全てが容易にはいきません。ミッションの50%がすでに失敗に終わっています」とエミレーズ・マーズ・ミッション(EMM)の探査機ホープのディレクター、ムラン・シャラフ氏がアラブニュースに言った。「UAEが 深宇宙ミッションを送り出したのはこれが初めてで、しかもその目的地が火星というわけです」

このチームは一か八かで新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミック中にミッションを決行した。「COVID-19で、このミッションはリスクにさらされました」とシャラフ氏は説明する。「探査機の打ち上げチャンスは2年に一度なので、この機を逃せばミッションが2年先延ばしになるというリスクに直面したのです」

与えられた時間枠内では、チームを日本の打ち上げ現場へ派遣するにしても、世界中の空港が閉鎖され、渡航制限が課されていた。「当時はウィルス拡散のピーク時でした。でもチームは国が渡航制限の施行を決定する以前に早い時期からリスクを特定しており、最悪のシナリオにおける実行計画を用意していました」とシャラフ氏は語った。

次に、彼らは宇宙船を予定より2週間早く日本へ移動しなければならなかった。日本での隔離期間を終え、その上で到着した宇宙船を受け取ることができるよう、一つのチームが予定を前倒しして派遣された。そのチームはUAEと日本の間を往復するはずだったが、結局日本に4ヶ月滞在しなければならず、ラマダンとイードの祝祭期間に食い込んでしまった。

「不可能なことは何ひとつありません」シャラフ氏は言う。「これはアラブ圏による史上初の火星へのミッションです。UAE 首相が探査機に付けたホープという名前そのものが、アラブの若者たちにとって意味のあるメッセージなのです。それは、UAE が一つの国家となってから50年を待たずして火星に到達することができるなら、我々にはもっともっと多くのことが可能だというメッセージです」

「中東地区には1億人以上の青年がいます」シャラフ氏は続ける。「中東は知識を生み出す歴史をもつ地域です。千年以上も前のこの地域の科学者たちは知識を生み出し、様々なバックグラウンドを持つ人々に貢献したのです。彼らはこの地に住んで中東という地を築き上げ、新たな知識をもたらして人類へ貢献しました。そうした知識を生み出すことをやめ、違いや共存を受け入れることをやめた瞬間から、我々は一つの地域として後退し始めました。

UAEの火星探査ミッションは、イノベーションのためのこの国の多くの革新的な計画の一つにすぎない。その目標は史上初の火星大気圏の完全写真を提供することだ。これには、火星の下層大気の特徴を知ることによる気候力学と地球の気象図の理解や、気象によって水素と酸素の漏れがどう変化するのかについての、下層大気と上層大気との相関関係による説明が含まれる。

探査機と地球との間の交信は、カリフォルニア州ゴールドストーン、オーストラリアのキャンベラ、スペインのマドリードに設置されたアンテナを通して、アメリカ航空宇宙局NASAの深宇宙ネットワーク経由で行われる。

「今のところこの探査機の飛行は順調で、良好な状態です」とシャラフ氏は説明する。「我々はまだ委託段階にあり、各種サブシステムやシステム全般の状態をチェックし、宇宙空間飛行中のシステムの様々な側面について理解しようとしているところです」

今後13日以内にミッションはさらに複雑な段階に入り、巡航段階へ入ると、宇宙船との交信は週に2度、6、7時間ずつ行われる。探査機が地球から離れるにつれ、遠隔測定データを受信するのに遅れが生じるようになるとチームは予測する。

探査機は火星年(687日間)いっぱい火星の軌道上にとどまり、データを十分に収集する。探査機が火星の一軌道をひと周りするのに55時間かかる。

「来年我々が火星に到達したら、探査機のスピードを落として火星の軌道を撮影します」とザカレイヤ・アルシャムシは言う。彼はEMM のミッションオペレーションの副部長を務める。「その後その情報を科学者チームに転送し、発見したデータを分析させることになり ます」

EMMの目標は、火星の気候に関する我々の理解にとって革新的なものです。EMMは科学者に地球の過去と未来への詳細なる洞察と、火星や他の遠くの惑星における人間に代わる生命体の存在の可能性を提供することを目指している。

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