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国連の専門家:日本は福島の避難民により支援を

国連の人権問題の専門家が日本政府に対して福島原子力発電所の事故の避難者をより手厚く支援するよう求めた。(Shutterstock)
国連の人権問題の専門家が日本政府に対して福島原子力発電所の事故の避難者をより手厚く支援するよう求めた。(Shutterstock)
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08 Oct 2022 04:10:39 GMT9
08 Oct 2022 04:10:39 GMT9

東京:国連の人権問題の専門家が金曜日、日本政府に対して福島原子力発電所の事故の避難者を、自主避難者も含め、住居、仕事その他の必要に応えてより手厚く支援するよう求めた。

避難民の人権状況に関する調査を終えて、セシリア・ヒメネス・ダマリー氏は日本には国内避難民を保護するための法律が十分にあると語った。

そのような法律の一つが、原子力損害賠償法であり、この法によれば、発電所を運営していた東京電力株式会社は損害を補填しなければならない。

またその他に、政府主導の再生復興プログラムもある。

だが、ヒメネス・ダマリー氏によると、これらの法律やプログラムは、避難民の弱い立場を守るという目的のために効果的に運用されてこなかった。

「これらの法は、字面だけのものであってはなりません。実行されなければならないのです」と彼女は主張した。

「残念ながら、これらの法が十分に実行されていないために東電と政府に対する訴訟が頻発しているのだとある程度までは言えるでしょう」

2011年3月11日、大地震と津波に襲われた後、福島第一原子力発電所の3つの原子炉は冷却装置が機能しなくなったことから炉心溶融を起こした。

大量の放射性物質が放出され、一時は16万人が避難していた。

約3万人が、現在も福島県の内外で避難生活を送っている。

数千の人々により、約30件の訴訟が政府と東電を相手取って提起された。

これらの人々は生活基盤とコミュニティが奪われたことに対する賠償を求めている。

7月、最高裁は原発を襲った津波による損害は、仮に予防措置を取っていたとしても防ぐことはできず、したがって政府の責任を問うことはできないとして、4つの訴訟を棄却した。

ヒメネス・ダマリー氏によると、避難民たちは強制避難者であるか自主避難者であるかによって不平等な扱いを受けている。

自主避難者は必要もなく住居を離れたものと見なされ、東電による補償や他の多くの政府の支援策の対象にならない。

「よって、強制避難者と自主避難者の区別は、とりわけ支援や援助に関しては、実地には撤廃されるべきです」と彼女は説明し、このような差別は「国際法の下では正当化されえない」と付け加えた。

氏は福島県内の自主避難者向けの住宅支援が2017年に打ち切られたことに強い懸念を覚えているとした。

福島県は立ち退き命令後も公務員宿舎にとどまっていた人々に対し訴訟を起こしている。

国連の国内避難民人権特別報告者であるヒメネス・ダマリー氏は、9月26日から10月7日までの訪日中に、日本の当局者や専門家、人権団体関係者および避難者と東京、福島、京都、広島で会談した。

氏の作成した暫定報告書は来週早くに発表される予定であり、2023年1月には最終報告書が公表される。

ヒメネス・ダマリー氏は中央および地方政府が立場の弱い避難民を支援するために払った努力を認めながらも、次のように述べた。

「まだ改善しなければならない、この点を強調したいと思います」

労働年齢の避難民の失業率は20%を超えており、この数字は全国平均の3%をはるかに上回っていると彼女は指摘している。

ヒメネス・ダマリー氏はさらに、避難者が抱える他の不安に加えて、「特に現在は成長して若者になっている子供たちへの、長期的な放射線被ばくの影響が非常に懸念される」とした。

震災当時子供の年齢で、後に甲状腺がんを発症した7人は、総額6億円(400万ドル)以上の賠償を求めて政府と東電を相手に訴訟を起こしている。

震災当時18歳以下であった、約38万人を対象とした調査では、甲状腺がんの診断(疑いも含む)を受けた人の数は290人以上である。

原告側弁護士によれば、この10万人中77人という発生率は、一般的な甲状腺がんの発症率である100万人に1人から2人という数字に比べて、極めて高くなっている。

政府関係者や専門家は、福島での高い発症率は多くの症例で過剰診断がなされた結果であり、それによって必要のない治療が行われた可能性もあると主張している。

AP

 

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