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スーダンの都市で空爆 武力衝突で少なくとも22人死亡

2023年7月4日、スーダンのオムドゥルマンで、軍と準軍事組織・即応支援部隊との衝突の中、煙が上がるのを眺める人々。(ロイター)
2023年7月4日、スーダンのオムドゥルマンで、軍と準軍事組織・即応支援部隊との衝突の中、煙が上がるのを眺める人々。(ロイター)
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10 Jul 2023 05:07:05 GMT9
10 Jul 2023 05:07:05 GMT9
  • スーダン保健省は、オムドゥルマン市で空爆があり、少なくとも22人が死亡したと発表した
  • 空爆はダルエスサラーム地区近郊で行われ、不特定多数が負傷したという

カイロ:スーダンの都市・オムドゥルマン市で8日に空爆があり、少なくとも22人が死亡した、と保健当局が発表した。空爆は、3か月間続いてきた武力衝突の中で、最多の死者を出している。

保健省の声明によれば、空爆は首都ハルツームに隣接するオムドゥルマン市のダルエスサラーム地区で起こり、不特定多数の負傷者が出たという。

同省は、シーツに覆われた遺体や、瓦礫の中から死者を引きずり出そうとする人々の姿を映したビデオ映像を掲載した。他にも、負傷者を助けようとする人々の姿も見られ、人々が泣く声も収められていた。

この攻撃は、首都の都市部などスーダン各地での戦闘の中で最も死者を多く出したものの一つであった。武力衝突は、スーダン軍と即応支援部隊(RSF)の名で知られる準軍事組織との間で繰り広げられている。先月、ハルツームでは、空爆により子ども5人を含む少なくとも17人が死亡した。

4月15日に武力衝突が勃発した後、RSFが首都ハルツームとその姉妹都市であるオムドゥルマンとバーリを速やかに制圧する一方で、軍は空爆と砲撃を行った。

住民によると、RSFは、戦闘が激化しているオムドゥルマンの住宅地に対する8日の空爆やその他の攻撃について軍の責任を主張している。軍は準軍事組織の重要な補給路を断とうとしたとされている。

軍広報のコメントは、8日には得られなかった。

オムドゥルマンの住民2人は、攻撃がどちら側によるものなのか判断するのは難しいとしている。彼らによれば、軍の戦闘機は周辺地域のRSF部隊を繰り返し標的にしており、準軍事組織は軍に対してドローンや対空兵器を使用しているという。

空爆が行われた8日早朝、軍はRSFへの攻撃を展開し、対するRSFは人家を盾にし、攻撃してくる軍用機に対して対空弾を発射していたと、住民の一人であるアブデルラフマン(安全上の理由からファーストネームのみを掲載)氏は話した。

「周辺地域は地獄のようです…24時間戦闘が続いているのに、住民は離れることもできません」と彼は言う。

武力衝突は4月中旬に勃発し、それを幕開けにアブドゥルファッターフ・ブルハン将軍が率いる軍と、ムハンマド・ハムダン・ダガロ将軍が指揮を執るRSFとの間で何か月にもわたり緊張が高まり続けている。戦闘の始まりは、両将軍が2021年10月に軍事クーデターを起こし、欧米が支援する暫定文民政権を倒してから1年半後のことだった。

これまでのところ調停が成功していないこの衝突は、アフリカの角、サヘル、紅海の間に位置するこの東アフリカの国の内外におけるアクターを引き込み、同国をより広範な内戦に引きずり込む恐れがある。

ハイサム・ムハンマド・イブラヒム保健相は先月のテレビコメントで、衝突により3,000人以上が死亡、6,000人以上が負傷したと述べている。国連の統計によれば、290万人以上がスーダン国内のより安全な地域に避難したり、近隣諸国に渡ったりしている。

国連のマーティン・グリフィス事務次長(人道問題担当)は7日、スーダンについて「大いなる恐怖の場」と表現し、スーダン全土で起きている「凄惨な犯罪」と数十万人の避難を余儀なくされている事態を非難した。

武力衝突によりスーダンは混沌へと陥り、ハルツームをはじめとする都市部は戦場と化した。住民や活動家らによれば、紛争が始まって以来、準軍事組織は人家など民間人の財産を専有している。また、ハルツームとオムドゥルマン全域で広範囲に及び破壊と略奪が報告されている。

最も激しい戦闘が繰り広げられてきたハルツームとダルフール西部地域では、女性や少女に対するレイプなどの性暴力が報告されている。報告された性暴力事件のほとんどすべてがRSFの責任とされているが、RSFは再三のコメント要請に応じていない。

5日、フォルカー・テュルク国連人権高等弁務官をはじめとする国連高官らは、女性や少女に対する性暴力の報告が増えていることについて、「迅速、徹底的、公平かつ独立した調査」を求めた。

女性に対する性暴力を追跡調査するスーダンの政府機関「Unit for Combating Violence against Women」は、現在進行中の紛争に関連した88件のレイプ事件を記録したと発表している。その内42件はハルツームで、46件はダルフールで起きた。

もっとも、この政府機関は、この数値が休戦中の件数の2%に過ぎず、4月15日に戦闘が始まって以来、4,400件の性暴力が発生した可能性があるとしていることが、慈善団体セーブ・ザ・チルドレンを通して伝わっている。

セーブ・ザ・チルドレン・スーダン支部長のアリフ・ノール氏は次のように述べている。「性暴力は、スーダンの女性と子どもたちを恐怖に陥れる道具として使われ続けています。たった12歳の子どもたちが、その性別、民族、脆弱性を理由に標的にされているのです」

(協力:AP通信、ロイター通信)

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