
リヤド:サウジアラビアのエネルギー相、アブドルアジーズ・ビン・サルマン王子は24日、同国は供給価格に上限を設けようとするいかなる国にも石油は売らないと述べた。
アブドルアジーズ王子は、エナジー・インテリジェンスが掲載したインタビューで、原油価格に上限を設けることは必然的に市場の不安定化を招き、サウジアラビアは原油生産量を減らすことになると述べた。
さらに、産油国のグループであるOPEC+は、特に他のあらゆる商品市場と比較して、石油市場に大きな安定性と透明性をもたらすことに成功したと付け加えた。
「NOPECの法案は、余力を持つことの重要性と、余力を持たないことが市場の安定に及ぼす影響を認識していない」と述べた。
NOPECとは石油生産輸出カルテル禁止法のことで、OPEC+のメンバーをアメリカの反トラスト法に基づいて訴追することを可能にする、米国発の法案だ。この法案は数年前から度々提起されていたが、エネルギー価格の高騰に対する懸念が続く中、米国政府超党派の上院議員グループによって今月、再提案された。
しかし、アブドルアジーズ王子は次の様に言う。「NOPECは、石油生産能力への投資も弱体化させ、世界の供給が将来の需要を大きく下回ることになる。その影響は、生産者と消費者、そして石油産業に至るまで、世界中に及ぶだろう」
サウジアラビアは、2027年までに生産能力を日量1,330万バレルまで拡大する取り組みに積極的に乗り出している。
「増産計画はすでにエンジニアリングの段階にあり、2025年には最初の増産が開始される予定である」とアブドルアジーズ王子述べた。
「余剰生産能力と世界規模の非常用備蓄は、潜在的なショックに直面した際の、石油市場における究極のセーフティネットである。私は、世界的な需要の伸びが現在の世界規模の余剰生産能力を上回ると繰り返し警告してきたが、一方で非常用備蓄は歴史的な低水準にある」