• 米上院議員は同僚たちに「機を捉えて」サウジアラビアと軍事・経済同盟を結ぶよう呼びかけた
• 「これは二国間関係を改善する数十年で最高の機会だ」と同議員はサウジアラビアのニュースキャスターに語った

ロンドン：リンゼー・グラム米上院議員は、サウジアラビア訪問後、同国に対する自身の意見について「軌道修正する権利がある」と述べた。

サウスカロライナ州選出の共和党上院議員であるグラム氏は先週、訪問先のサウジアラビアに到着した。同氏はムハンマド・ビン・サルマン皇太子とも会談し、同国がボーイング787型機を370億ドルで購入したことに「感謝」を表明した。

グラム氏は16日にABCの番組「This Week」に出演し、2018年にサウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギ氏が死亡した後、声高に批判していたが、訪問後にサウジアラビアと同国で起こっている改革に対する見解を変えたと語った。

アル・アラビーヤ（アラブ首長国連邦の放送局）のファトマ・ファハド氏に対し、グラム氏は次のように語った。「世界は変わり、サウジアラビアは新たな道を歩み出したが、正直に言えば、2018年はまだ私の中で大きな位置を占めている」

同氏は続けて語った。「しかし、私はここで、あり得ないと思っていたこと、口先だけだと思っていたことが起きているのを目にしている。私はそのために、自分の目で確かめるために来たのだ」 

「帰ったら同僚たちに言うつもりだ。『サウジアラビアに行って、何が起きているのか見てみるべきだ』と」

「サウジアラビアは、私の州、私の国で作られた370億ドル（相当）の航空機を購入した。私はこれに留まらないと思っている。米国の上院議員として、私には軌道修正する権利がある。サウジアラビアは軌道修正したのだ」

グラム氏はサウジアラビアの改革プログラム「ビジョン2030」を称賛し、これを機にサウジアラビアとより強い関係を築くよう米国政府に呼びかけた。

「『ビジョン2030』を達成できれば、サウジアラビアは観光地として、ビジネスパートナーとしてより良いものになるだろうし、この機を捉えてサウジアラビアと軍事的、経済的に戦略的同盟を結ぶことができるのであれば、私にとっては再びこの地を訪れ、一助となる価値があると思う」と同氏は語った。

グラム氏は、サウジアラビアに対する米国の関心は「警戒と機会」であると述べ、米国企業は、（イランとは異なり）平和目的であるサウジアラビアの核エネルギー計画の策定を支援できると付け加えた。

「我々はチャンスを求めてここにいる。これは（米国とサウジの）関係を改善するための、ここ数十年で見た最高のチャンスだ 」と同氏は述べた。

「私と同様に気候変動が現実のものだと信じているのであれば、原子力発電はクリーンで、CO2を排出しない。私はこの点で役立ちたいと考えており、サウジアラビアの核開発を支援するために、核ビジネスに携わるアメリカ企業を呼び寄せたい」と同氏は付け加えた。

グラム議員は、共通の敵から身を守るための「軍事的な関係の改善」、サウジアラビアへの武器販売の継続、アメリカの学校でのサウジ人将校の訓練の継続も望んでいると述べた。

「私はサウジアラビアと何らかの協定を結びたい、相互防衛協定を支持したい」とグラム氏は述べた。「賛成票があるかどうかはわからないが、サウジアラビアをよりNATOの同盟国らしく、より敵対国らしくないものにするような協定だ」と同氏は付け加えた。

また、グラム氏はファハド氏に、アサド大統領との取引は「シリア北東部におけるアメリカのプレゼンスを危うくし」、「抵抗に遭う」だろうとサウジ指導部に伝えた、とも語った。

グラム氏は続けて述べた。「我々はバグダッドに2,500人の兵士がいるが、イランは追い出そうとしている。イランの長期的な目標の邪魔になっているので、居座ってほしくないのだ」