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レバノン、8月4日の爆発事故の1周年を迎え犠牲者追悼の準備

昨年8月4日ベイルート港に保管されていた硝酸アンモニウムの大爆発による惨劇で、215名が死亡し6500名以上が負傷した。(AFP)
昨年8月4日ベイルート港に保管されていた硝酸アンモニウムの大爆発による惨劇で、215名が死亡し6500名以上が負傷した。(AFP)
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30 Jul 2021 01:07:10 GMT9
30 Jul 2021 01:07:10 GMT9
  • 爆発事故で215名が死亡し、6500名以上が負傷し、都市の大部分が破壊された

ナジャ・フーサリ 

ベイルート: レバノンはベイルートの大爆発事故の1周年に向けて、8月4日を国民的な追悼の日と制定した。

追悼の一環として、全ての行政機関および政府機関は閉鎖され、半旗が掲げられる。

惨劇の追悼のため、ラジオやテレビの通常の放送予定も変更される。この惨劇はベイルート港に保管されていた硝酸アンモニウムの大爆発が原因である。

爆発で215名が死亡し、6500名以上が負傷し、都市の大部分が破壊された。

これまでに行われた爆発事故の調査では訴訟を起こすことには失敗しているが、公式な告発の第1歩として、タレク・ビター判事が3人の元議員と大臣の訴追免除の解除の要求を待機している。

レバノンの弁護士のストライキも、被告側が弁護士と共にビター氏の前に現れるのを避ける口実になっている。

水曜、破毀院による公訴の棄却でビター氏に対し「公安総局長官であるアッバス・イブラヒム大将に対する訴追の前に、疑惑と証拠を確定するための必要な措置を取るように」と告げられた。

レバノン内閣は水曜、内閣は国家保安局長官であるトニー・サリバ少将に対する訴追を許可することはできず、最高防衛評議会が許可を出す必要があると発表した。

許可が下りれば、ビター氏は両長官を尋問し、ハッサン・ディアブ暫定首相をはじめとする多くの人々と共に起訴できるようになる。その中には元陸軍司令官のジャン・カフジ氏も含まれている。

裁判によって、不作為および過失罪から擬制謀殺罪まで広範な罪状が発生する可能性が高い。複数の被告人が大量の硝酸アンモニウムが港にあることを知っていながら、事故防止の行動をしなかったとされているからだ。

ビター氏は爆発のシミュレーションの準備をしており、先日、シミュレーションの日程を7月末に定めた。しかしアラブニュースの情報筋によると、「シミュレーション作業は天候条件や、税関や公安総局に関するその他の事業計画に影響される」

8月4日の爆発事故で、ベイルートの何千人もの人々が住む家を失い、都市周辺のエリアが損壊した。街はガラス片や血に覆われ、瓦礫が何日も街全体に残っていた。

爆発事故から1年が経過したが、負傷者の多くは今でも手術を受けている。

アンナハール紙のジャーナリストであるサルワ・バールバキ氏はアラブニュースに次のように語った。「これまでに私は右手を2回手術しました。私のオフィスや港全体に割れたガラスが降り注ぎ、腱が断裂したのです」

氏は現在も理学療法を受けており、ペンをうまく持つことができない。

氏はレバノン南部の村に引越し、リモートワークをしていると言う。アンナハールの社屋は現在も再建・改築工事中であり、戻ることができないのだ。

氏は次のように付け加えた。「2日前にベイルートに行き、アンナハールの社屋に向かいましたが、震え出してパニック発作を起こしてしまいました。涙が止まりませんでした。私は精神的に打ちのめされており、現在起きている様々な危機は私を悪化させるばかりです。夜、眠ることができません」

「ベイルート・アメリカン大学の専門家に、爆発の被害者は誰もが同じように感じ、通常の生活に戻ることができずにいるのだと言われました」

「ベイルートの爆発事故のニュースを観たり、犠牲者の家族の証言を聞いたりするたび、私は感情的になり、泣き出してしまいます。内戦でさえ、私は爆発事故ほどの被害を受けることはありませんでした。集中力を失い、多くのことが思い出せなくなりました。何を見ても爆発を思い出してしまいます。セラピストに診てもらうしかないと思います」

バールバキ氏によると「誰も私たちの面倒を見てくれない」ので自分が受けている理学療法の費用を自己負担していると言う。

バールバキ氏はレバノンの政治階級に対する憤りを語った。「彼らは犯罪を犯し、その代償を私たちに負わせているのです」

「できれば永遠にレバノンを離れて、二度とこの件について聞かなくて済むようにしたいと思っています。しかし父は高齢で旅行ができないため、私はここにいなければなりません。ですがレバノンは私にとって、もはや何の価値もありません」バールバキ氏はそう付け加えた。

港周辺の住宅街の住民は外国の支援を通して地域の民間団体が再建した別の建物に帰還しているが、歴史的建造物は破壊され、放置されている。

爆発事故から1周年を迎えるレバノンの人々を支援し連帯するため、ブラジルのサッカースター・ロナウジーニョ氏が火曜日にベイルートに到着した。

ロナウジーニョ氏はカランティーナにあるベイルート・ファイヤー・ブリッジの本部と、港にある民間防衛センターを訪問した。爆発の原因となったサイロ内の火災の消火活動で10名の隊員が命を落としている。

ロナウジーニョ氏は犠牲者に花輪を捧げ、復興活動や被害者支援に貢献した団体職員に面会した。

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