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サウジアラビアとトルコの歴史的な防衛協定は、関係が強まっている証拠だと専門家は指摘する

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22 Jul 2023 08:07:14 GMT9
22 Jul 2023 08:07:14 GMT9

メネクセ・トキャイ

アンカラ:トルコとサウジアラビアの関係は、重要な防衛装備品輸出契約の調印を経て緊密さを増し、改善しつつある、とアナリストは言う。

今週、湾岸諸国を公式訪問したトルコのエルドアン大統領は月曜日遅く、多数のサウジとの協定に調印した。

その中には、重要な防衛協力協定や、サウジアラビア国防省とトルコの防衛装備品メーカーであるバイカル社とのドローン供給に関する協定も含まれている。

サウジのハーリド・ビン・サルマン国防相は、これらの協定の重要性を強調し、サウジの軍隊の対応力を高め、国の防衛力と製造能力を強化することを目的としていると述べた。

バイカル社のCEOであるハルーク・ベイラクタ氏は、この契約はトルコ企業がこれまでに締結した防衛・航空輸出契約の中で最大のものであると述べた。弟のセルチュク・ベイラクタル氏は同社の取締役会長兼最高技術責任者(CTO)であり、エルドアン大統領の娘婿でもある。

ベイカル社は、アメリカやイスラエルの無人機と同程度の価格のレーザー誘導ミサイルを搭載した無人機「バイラクタルTB2(Bayraktar TB2)」で有名だ。この契約の一環として、トルコはサウジアラビアの空軍と海軍が使用する中高度・高耐久武装無人機バイラクタル・アキンチ(Bayraktar Akinci)も輸出する。数量は明らかにされていない。

この協定には、両国の先端技術開発能力を高めるための技術移転や共同生産プロジェクトも含まれている。また、トルコ製の精密誘導兵器、その他の兵器、物資の購入に関する契約も締結される見込みで、これらはサウジアラビア国内で生産される予定だ。

イスタンブールの独立系シンクタンク、経済・外交政策研究センター(通称EDAM)の国防アナリスト、シネ・オズカラサヒン氏はアラブニュースに対し、「この重要な進展は、トルコとサウジの関係における新時代の幕開けに違いありません」と語った。

「両国が今後、防衛産業において、防空やミサイルといった分野での協力はもちろんのこと、自律型や無人型システム、その他の(人工知能を活用した)技術といった精密誘導兵器においても、より顕著な協力が期待できる」とオズカラサヒン氏は考えている。

「両国は軍事分野の研究開発に非常に投資しています。サウジアラビアの『ビジョン2030』文書が示すように、サウジアラビアは現在、中東におけるAIの躍進をリードする先駆的な国のひとつです」

「今回のような取引は、彼らが急速に拡大するトルコの防衛技術産業基盤に可能性を見出していることを示しています」

過去4年間、トルコは関係強化を目指す友好国に対し、国内で開発・生産された無人機、特にバイカル社製の無人機を提供してきた。

バイラクタルTB2を含むトルコ製武装無人機は、シリア、イラク、ソマリア、リビア、ナゴルノ・カラバフなど、多くの紛争地帯で効果を発揮してきた。

特に高い能力と費用対効果の高い機体として相応の評価を得ているTB2は、トルコの防衛航空産業の成長を促進し、推進する上で極めて重要な役割を果たしている。

ウクライナ軍はロシアとの紛争の初期段階で、TB2を戦略的通信に使用し、TB2はロシアの進撃を食い止めるのに貢献したと評価されている。

2019年から2023年にかけて、トルコはカザフスタン、ウクライナ、そして今回のサウジアラビアを含む数カ国と無人航空機の共同生産に関する協定を結んだ。

サウジアラビアは、バイカル社からアキンチを購入した7番目の国だ。今回の合意は、輸出先を増やし続けたトルコがついに無人機販売を裕福な湾岸君主国すべてに拡大することに成功したことを意味する。またサウジとの契約は、両国間の関係が改善しつつあるという重要なシグナルにもなっている。

さらに、バイカル社は無人戦闘機を開発中であり、このプロジェクトは、無人航空分野での能力向上に対するトルコの継続的なコミットメントを浮き彫りにしている。

パリのフランス国際関係研究所安全保障研究センターのレオ・ペリア=ペイニュ研究員によれば、数年間冷え込んでいたサウジとトルコの関係は緊密になりつつある。トルコ政府はその目的のため、サウジアラビアとの取引だけでなく、UAEやエジプトなど他の国との取引においても、軍備協定を積極的に利用しようとしているという。

「サウジがカタールと国交を回復させた直後、サウジとトルコの間で軍備契約、特にUAV(無人航空機)に関する契約が結ばれる可能性があるという噂が流れました」とペリア=ペイニュ氏はアラブニュースに語った。

「また、軍備契約というものは、両国がしばらくの間良好な関係を保つことを保証するものでもあります。軍備契約から得られる利益の大部分は、使い方の訓練やメンテナンスサービスに由来するものですから」

トルコ経済がハイパーインフレーションに苦しむ中、トルコの防衛産業は外貨の流入を呼び込む方法として効果的だ、とペリア=ペイニュ氏は言う。

軍備契約はまた、トルコが外交的魅力を高め、特にアフリカや中央アジア諸国に対して魅力的に映ることにも一役買っている、とペリア=ペイニュ氏は付け加えた。

一方、サウジアラビアにとって、このような契約から期待される産業上の利益は、10年後までに自国の軍事装備の半分を国内で生産するという『ビジョン2030』の目標に沿っており、経済の多様化に役立つだろう、とペリア=ペイニュ氏は述べた。

 

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