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ゲーム『極限脱出』シリーズのクリエイター打越鋼太郎氏

打越氏は重厚なプロットで物語性のあるSFゲームを作ることで定評がある。
打越氏は重厚なプロットで物語性のあるSFゲームを作ることで定評がある。
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05 Oct 2023 11:10:50 GMT9
05 Oct 2023 11:10:50 GMT9

アミン・アッバス

ドバイ:日本のゲームディレクターで脚本家の打越鋼太郎氏が、アラブニュース・ジャパンのインタビューで、『極限脱出』や『パンチライン』など、さまざまなゲームシリーズを生み出した背後にあるインスピレーションや、キャリアへの課題について語った。

1973年生まれの打越氏は、重厚なプロットで物語性のあるSFゲームを作ることで定評がある。彼がゲーム業界でのキャリアをスタートしたのは1998年のことである。2017年には、ゲーム開発会社トゥーキョーゲームスの創設者の一人となった。

アラブニュース・ジャパンの独占インタビューで、打越氏は、ビデオゲームに興味を持つようになったきっかけを正確に特定するのは難しいと語った。「(ストーリー性のある)ゲームには、面白いストーリーを伝えるメディアとして大きな可能性があると感じました。私が好きなゲームは『ニーア オートマタ』です」

打越氏は、アメリカの映画監督でプロデューサーであり脚本家のスタンリー・キューブリック氏からインスピレーションを得たと語っている。キューブリック氏は、『時計じかけのオレンジ』や『2001年宇宙の旅』といった象徴的な映画で知られている。「彼の映画は、私が大切に温めていた世界の殻を暴力的に奪い去り、壁に投げつけて破壊したんです」と打越氏は語った。

打越氏はゲーム『極限脱出』シリーズを制作したことで知られている。このシリーズは、ゼロと呼ばれる一団に誘拐された人々が、そこから逃れるためにデスゲームに興じる様子を描いたものである。

「このシリーズの開発中には、いろんなスタッフが涙を流しました」と彼は言う。「それだけみんなが、この作品に真剣に取り組み、心血を注いでいたのだと思います」

また、打越氏がアドベンチャーゲーム『パンチライン』を制作した際、前作『極限脱出ADV 善人シボウデス』の成績が振るわなかったため、仕事をクビになりそうだったというエピソードも披露してくれた。「当時、娘はまだ4歳でした。失業するわけにはいかなかったので、上司でも理解できるような簡単なゲームを作ろうと思って、それで『パンチライン』を思いついたんです」

この作品と同時に、『極限脱出ADV 善人シボウデス』は日本国外で大成功を収めた。

キャリアで直面した困難について、打越氏はこう語った。「制作中に楽しかったゲームはありません。制作中は苦痛、苦悩、絶望、恐怖しかないんです。ゲームが完成し、リリースされ、プレイヤーからのフィードバックを聞いて初めて喜びを感じます。ですから、私たちのゲームをプレイし、楽しかったと言ってくれるファンは、私にとって天使のような存在なんです。私たちを地獄の底から救い出してくれる存在なんですよ。本当に感謝しています」

ゲーム業界で働きたいと考えている人に対するアドバイスについて、打越氏は「日々、一喜一憂の連続です。いつも楽しいわけではありません。実際、苦痛のほうが多いくらいです。お金もたいして稼げません。週末にビーチに行ったりバーベキューしたりもできません。それでもいいなら……この世界に入ってもいいかもしれませんね。頑張ってください」

打越氏は中東の文化に強い興味を持っており、いつか中東を訪れることを楽しみにしている。

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