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エミレーツ文学祭、第16回開催に向けて準備中

この文学イベントは1月31日から2月6日まで、インターコンチネンタル・ドバイ・フェスティバル・シティで開催される。(提供)
この文学イベントは1月31日から2月6日まで、インターコンチネンタル・ドバイ・フェスティバル・シティで開催される。(提供)
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16 Jan 2024 01:01:27 GMT9
16 Jan 2024 01:01:27 GMT9

マナール・エルバス

ドバイ:エミレーツ航空文学祭(エミレーツ・リトフェスト)は、第16回の開催に向けて、15日に記者会見を開いた。同文学祭は1月31日から2月6日まで開催され、日本のベストセラー作家、川口俊和氏などの著名ゲストを迎える。

エミレーツ文学祭は中東最大の文学イベントで、アラブ首長国連邦の文学への愛を祝うために毎年開催されている。

フェスティバルは、様々な新しいプログラムを追加したと発表した。例えば、LitFest AfterHoursプログラムでは、ディスカッションの後に様々なパフォーマンス、ゲーム、食事、アクティビティが予定されている。

「旅行と同じように、あらゆる芸術形式のストーリーテリングには国境を越え、新しく多様な文化を紹介する力があります」と、エミレーツ航空のアフリカ地区商業オペレーション担当上級副社長のバドル・アッバース(Badr Abbas)氏は、今年の開催についてアラブニュース・ジャパンに語った。

「ラインナップへの新たな追加プログラムはイベントを盛り上げるだけでなく、年間を通じて芸術と文化の中心地として栄える同市の地位をより豊かにすることでしょう。エミレーツ航空は、多くの人々の生活を豊かにする芸術、音楽、文学を通じて、世界のコミュニティをつなげていくことに引き続き取り組んでいきます」と同氏は付け加えた。

エミレーツ航空アフリカ地区商業オペレーション担当上級副社長のバドル・アッバス氏(左)、エミレーツ文学財団CEO兼エミレーツ航空文学祭ディレクターのアハラム・ボローキ(Ahlam Bolooki)氏(中)、ドバイ・カルチャー&アートCEOのサイード・ムバラク・ビン・カルバシュ(Saeed Mubarak bin Kharbash)氏(右)。15日に開催されたエミレーツ文学祭記者会見にて。(ANJ)

エミレーツ文学祭は、ドバイ民間防衛隊(DCD)と協力し、年間を通してドバイとハッタを巡回する移動図書館である「読書キャラバン」を発表する。キャラバンは文学祭期間中に公開される。

エミレーツ文学財団のCEOであり、エミレーツ航空文学祭のディレクターであるアハラム・ボローキ氏は、今年の文学祭について、「アラブ首長国連邦が大切にしている文学祭を、かつてない高みへと昇華させることができるのは、私の喜びであり、栄誉あることです」と述べた。

「これは、本、読書、ストーリーテリングの新時代であり、私たちはその先頭に立つ態勢を整えています。革新的なイベントや、流行を生み出す協力者との画期的なパートナーシップは、観客の鼓動と共鳴する文学の展望を形作るという私たちのコミットメントを反映したものです」と同氏は付け加えた。

エミレーツ文学財団はまた、国連教育科学文化機関(UNESCO)との公式提携を発表し、イベントの取り組みの成功と、UNESCOの包括的目標への同財団の貢献を強調した。

エミレーツ文学祭の記者会見に臨む、エミレーツ文学財団CEO兼エミレーツ航空文学祭ディレクターのアハラム・ボローキ氏。(ANJ)

今年のメインスピーカーの一人は、2022年に同イベントに参加した『コーヒーが冷めないうちに』シリーズの日本のベストセラー作家、川口俊和氏だ。

川口氏は大阪生まれの作家、劇作家、プロデューサーであり、2015年に発表した小説『コーヒーが冷めないうちに』で知られる。この小説は、数人の登場人物がタイムスリップし、コーヒーが冷めたら戻ってくるという内容となっている。

フェスティバル期間中の2月3日、午後7時から8時まで、川口氏はシリーズ4作目『さよならも言えないうちに』について語る。

「川口氏の前回のセッションは驚くべきものでした」「彼の本は世界中でベストセラーとなっています」とボローキ氏はアラブニュース・ジャパンに語った。

「川口氏はこのフェスティバルが大好きで、前回帰国した後、もし(彼の本の筋書きのように)過去に戻れるならば、ドバイに行ったことを父親に伝えに戻りたい、という素敵なメールを送ってくれました」と同氏は付け加えた。

文学祭には、将来的に日本人を含むさらに多くの国際的な作家が参加する予定だ。「文学祭に招待される作家たちに地理的多様性があることは、私たちにとって非常に重要なことです。ドバイのコミュニティがそうであるからです」「ドバイには200近い国籍の人々が住んでいるので、国際的なコミュニティは常に映画祭に反映されているのです」とボローキ氏は述べた。

さらに今年は、アラブ首長国連邦の青年大臣に任命されたばかりのスルタン・アル・ネヤディ氏による『Out of This World』などの新刊も発表される予定だ。ネヤディ氏は以前、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)で訓練を受け、アラブ人として初めて国際宇宙ステーション (ISS) での6か月のミッションに参加した。

ELF Publishingから出版されるネヤディ氏のフォトジャーナル・ブックでは、ISSから見た宇宙の美しさ、そして宇宙飛行士としての体験を通しての個人的な考察や洞察が紹介されている。ネヤディ氏の注目のセッションは2月3日に行われる。

フィギュアスケートでアラブ首長国連邦の国内チャンピオンに5度輝き、2016〜2017年シーズンに日本で開催された冬季アジア競技大会に出場したザーラ・ラリ氏は、文学祭期間中の2月3日に、自身の絵本『Not Yet』を発表する。

今年のラインナップには、受賞歴のあるコミック『Your Wish Is My Command(Shubeik Lubeik)』で知られるエジプトのグラフィックノベル&ウェブコミック作家のディーナ・モハメド氏も含まれ、彼女の作品にインスピレーションを与えた人生についてのエピソードが語られる。

このほか、韓国語から英語への翻訳家アントン・ホア(Anton Hur)氏、ブッカー賞受賞作家で英国王立文学協会会長のバーナーディン・エヴァリスト氏、アイスランド大統領夫人のエリザ・リード氏らも登壇する。

文学祭期間中には、パレスチナの詩人マフムード・ダルウィーシュ氏の生涯と作品に捧げる特別イベント、地域初のTikTokブックアワード、アラブ首長国連邦のミュージシャンであるラシェド・アルヌアイミ(Rashed Alnuaimi)氏のコンサートなど、複数の特別イベントが開催される。

さらに今年は、「ディスカバリー・トークス」と題された無料セッションに様々なスピーカーが登壇し、スパイダーバースや人工知能など、多岐に及ぶトピックについての興味深い見解が語られる。

イベントはインターコンチネンタル・ドバイ・フェスティバル・シティで開催される。チケットはエミレーツ文学祭のウェブサイトで販売中だ。

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