Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

米国、ガザ紛争のレバノンへのさらなる拡大に懸念を表明

2023年11月28日、レバノン南部、イスラエルとの国境近くのマイビブ村。ハマスとイスラエルの休戦協定が非公式ながらレバノン南部まで延長される前の数週間、イスラエル軍の砲撃で被害を受けた家屋の内部を視察する同村のカジム・ジャベール村長。(ロイター/ファイル)
2023年11月28日、レバノン南部、イスラエルとの国境近くのマイビブ村。ハマスとイスラエルの休戦協定が非公式ながらレバノン南部まで延長される前の数週間、イスラエル軍の砲撃で被害を受けた家屋の内部を視察する同村のカジム・ジャベール村長。(ロイター/ファイル)
Short Url:
01 Dec 2023 03:12:22 GMT9
01 Dec 2023 03:12:22 GMT9
  • 大使館関係者は「地域の平和と安全保障、そしてレバノン国民の幸福に重大な影響を及ぼす」と警告
  • フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン特使はレバノンの政治的行き詰まりを打開すべく、レバノン政府高官と会談を行う

ナジャ・フーサリ

ベイルート:在レバノン米国大使館は30日、ホワイトハウスはガザ紛争の「更なる波及の可能性」を懸念していると述べた。

同大使館の公式アカウントはソーシャルメディア「X」に投稿したメッセージで、米国は「レバノンでの紛争を望まない。紛争がエスカレートすれば、地域の平和と安全保障、そしてレバノン国民の幸福に重大な影響を及ぼすだろう」と述べた。

また、「イスラエルとレバノンの国境エリアの平穏を取り戻すことが最も重要であり、国連安保理決議1701を完全に履行することがこの努力の重要な要素である」と強調した。決議1701は、2006年に勃発したイスラエルとヒズボラの戦争を解決する目的で17年前に採択された。

同大使館は、国際連合レバノン暫定駐留軍は、2000年6月に国連によって設定されたレバノンとイスラエルの境界線である「ブルーライン」沿いの平和を維持するために重要な役割を果たしており、「すべての当事者が同平和維持軍の安全を確保することを期待している」と付け加えた。

このメッセージは、イスラエル軍がガザ地区での地上作戦の次の段階に関する軍事計画を承認した後に発表された。ヨアヴ・ガラント国防相は、イスラエルの空軍、地上軍、海軍は、現在の休戦が終わり次第、作戦を再開する用意があると述べた。

一方、レバノン訪問の2日目、フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン特使はベイルート南部郊外を訪れ、レバノンの政治家たちと様々な問題について会談し、国内の長期にわたる政治的行き詰まりを解消するための支援を模索した。

会談には、ヒズボラのモハメド・ラード議員、自由愛国運動(FPM)のジブラーン・バーシル党首、レバノン・カタエブ党のサミ・ゲマイエル党首、改革連合の議員、無所属の議員らが参加した。

ミッシェル・アウン前大統領の任期が2022年10月に終了して以来、大統領職は1年以上空席となっており、ゲマイエル氏はヒズボラが後継者の選出を妨害していると非難した。同氏は、ヒズボラとその同盟国に対し、自分たちの選択を押し付けようとするのではなく、全政党から信頼され支持される候補者についてコンセンサスを得るよう促した。

さらに彼は、レバノン軍司令官ジョセフ・アウン将軍の引退を、この国にとって重要な時期に延期するよう求めた。同将軍は1月10日に60歳の定年を迎える。

ゲマイエル氏はまた、地域において、レバノンを犠牲にするようないかなる和解も拒否すると述べ、「今日、レバノンには国家は存在せず、ヒズボラが国家となっている」ため、「決議1701および国際決議を実施し、レバノン軍への武器を制限する」必要性を強調した。

ル・ドリアン特使が政治家たちと話し合った主な内容には、大統領選出と政府樹立の緊急性、決議1701の完全実施、レバノン南部の安定確保などが含まれていたという。

ル・ドリアン氏と会談した一人であるレバノン軍団(LF)のジョルジュ・オカイス議員によると、特使は、レバノンの安全保障を維持する現在の必要性を考慮し、決議1701の実施とアウン将軍の軍司令官としての任期延長の重要性を強調したという。

ヒズボラは10月8日、「ガザ地区のレジスタンスを支援する」という名目で、レバノン南部に第二戦線を開設した。ヒズボラはイスラエル軍を標的にした作戦を数多く実施し、イスラエル軍もこれに呼応して南部国境地帯に同様の攻撃を数回加えている。イスラエル軍の砲撃はレバノン南部の奥深くの町を標的にしたこともあり、同国内のヒズボラ、ハマス、イスラム聖戦のメンバー80人以上を含む100人以上が死亡した。

ガザでのより広範な紛争における休戦が24日に発効し、複数回の違反が報告されているものの、ヒズボラは大部分この合意を順守している。

しかし、20日にはレバノン南部戦線でさらなる休戦違反が報告された。イスラエル軍当局によれば、イスラエルとの国境に近い村、ルメイシュ郊外で2発のミサイルがアイアンドーム・システムに迎撃されたという。

「我々の防空システムは、レバノンからイスラエル領内に侵入した不審な空中目標の迎撃に成功した」と彼らは付け加えた。

特に人気
オススメ

return to top