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イスラエル大統領がダボスに到着する中、パレスチナ高官が会議の「偏見」を酷評

2024年1月16日、スイスのダボスでの第54回年次総会の際に、世界経済フォーラムのロゴの向こうに人々が立っている。(ロイター)
2024年1月16日、スイスのダボスでの第54回年次総会の際に、世界経済フォーラムのロゴの向こうに人々が立っている。(ロイター)
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17 Jan 2024 12:01:29 GMT9
17 Jan 2024 12:01:29 GMT9
  • 「国際体制はダブルスタンダードを抱えている」と、投資責任者が世界経済フォーラムでアラブニュースに語る

ダボス:ダボスでの世界経済フォーラム(WEF)は、国際体制がパレスチナの人々をいかに失望させてきたかを示すものだと、16日にパレスチナ高官がアラブニュースに語った。

パレスチナ投資基金総裁で元副首相のモハメド・ムスタファ博士が語っていた時に、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領は、同フォーラム創設者のクラウス・シュワブ氏および総裁のボルゲ・ブレンデ氏との「特別な話し合い」に参加するためダボスに到着した。

これとは対称的に、ダボス会議に招かれた著名なパレスチナ人はムスタファ氏を含めてたったの3人で、マフムード・アッバース大統領は参加せず、パレスチナの上級外交官も来ていない

「国際体制はダブルスタンダードを抱えていると、我々は常に言っている」と、ムスタファ氏はダボスでアラブニュースに語った。「国際体制はいつも我々を失望させてきた。今に始まったことではなく、時折再確認がなされるだけだ」

ムスタファ氏は、パレスチナのビジネス責任者であるサメル・C・クーリー氏とパレスチナ銀行総裁のヒシャム・シャワ氏と共にダボスを訪れている。

パレスチナ人の参加者は限られているものの、ムスタファ氏は次のように述べた。「我々は諦めずにやり抜き、目標を達成しようと決意している。ダボス会議の良い点は、重要性が認められていることだ。多くの素晴らしい人々が参加する・・・そして、こういった人々と関わることができる良い機会だ」

ダボス会議の主催者は、会議への中東の代表参加状況について釈明した。

「安全保障上および人道上の深刻な状況は・・・今週の話し合いの主要な焦点となるだろう」と、広報担当者は述べた。

「我々は、地域の内外の主要な利害関係者に、緊張を緩和し、外交に立ち返る道を見つける方法に関して意見交換するための舞台を提供する。全体では、中東から50名以上の指導者が参加する予定だ」

ムスタファ氏は、世界はガザにおける「人道危機の規模を過小評価すべきではない」と語った。そして、ガザ地区内で350,000軒以上が損傷を受けるか破壊されたと述べた。

「戦争が明日終わったとしても、多くの人々には帰る場所がない」と、同氏は語った。「そのため、復興について語る前に、人々が生活するための場所の確保という目先の課題にどう対処するかが問題となる」

同フォーラムにおいて、ムスタファ氏が楽観的アプローチを支持する一方で、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は参加者らに向けて熱のこもった演説を行い、ロシアと「捕食者」である同国大統領に対抗する自国への支援を呼びかけた。

2022年にWEFはためらうことなくウクライナへの揺るぎない支持を表明した。ロシアの外交官、オリガルヒ、企業幹部の会議への参加を禁止した上、プロムナードにある旧称「ロシアハウス」を、「ロシア戦争犯罪ハウス」に変えることまでした。

WEFは長い間、紛争当事者間の対話と交渉のための中立的な舞台だと考えられてきたため、その批判的姿勢に多くの人々が驚嘆した。バーレーンの作家で評論家のハーリド・ジャナヒ氏は著書『From Rulership to Leadership(支配的立場から指導的立場へ)』の中で、この前代未聞の態勢について質問を投げかけ、それに応えてWEF関係者が、ロシアは主権国家を侵略することで国際法に違反したと述べた。

ジャナヒ氏が、2003年に米国と英国が不当にイラクに侵攻したにもかかわらず、ダボス会議に出席したことに言及すると、この関係者は簡単に次のように述べた。「アラブ人たちは当時不満を訴えなかった」

現在イスラエルは、ガザでの無差別爆撃により、ハーグの国際司法裁判所でジェノサイドの嫌疑をかけられている。ガザでは女性と子どもを主とする20,000人以上の市民が死亡した。

「問題なのは、ここでは我々(湾岸地域とより広範な中東)は無関係だということだ。ここで関係があるのはパレスチナ人だけだ」と、ジャナヒ氏はアラブニュースに語った。

「この紛争について話し合う討論グループがいくつかあるものの、そこではイスラエルの安全に焦点が当てられ、テロリストのハマスとイランが支援する武装組織に注目が集まるだろう。殺されていく女性や子どものために代弁する者はどこにいるのだろうか」

ウォールストリートジャーナルに掲載された報告によると、ガザの住宅や家の約70%がイスラエルの爆撃によって破壊された。襲撃により、学校や病院、その他の重要な保健インフラのほか、教会やモスクも損傷を受けている。

ガザにある36施設の病院のうち、本記事の執筆時点でいまだ機能しているのは8施設だけだ。そのために医療危機が発生しており、医師たちは暗闇の中、しばしば麻酔薬なしで手術を行うことを強いられている。

「そのモットーに反して、同フォーラムは一部の人々のために世界情勢を改善しているようではあるが、間違いなく世界の全ての人々のために改善してはいない」と、ジャナヒ氏は述べた。

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