ロンドン:『ダブルドラゴン外伝ライズ・オブ・ザ・ドラゴン』は、元々は1980年代に日本とアメリカのゲームセンターにあったゲームの最新作となる。
ダブルドラゴンは2人同時プレイが可能なベルトスクロールアクションゲームだ。このシリーズは人気が高く、家庭用ゲーム機で数タイトルがリリースされ、TVアニメシリーズ、コミック、不評だった1994年の実写映画がつくられてきた。
しかし、無論今は大人になっているかつての子どもたちは、楽しかった思い出を呼び覚ますとともに、自分の子供たちと一緒に新たな思い出をつくりたいと願っているのだ。それゆえ『外伝』にはニッチではあるが良質の需要がある。名作ゲームの完璧ではないが洗練された現代版という需要だ。
ストーリーは基本的に同じだ。舞台は核戦争後でありながら驚くほど無傷のニューヨーク。主人公と合わせて14人のアンロック可能なキャラクターたちは皆独自の格闘スキルを持っている。彼らは街を牛耳る4つのギャングに戦いを挑まねばならない。本作は「ニューヨーク1997」スタイルの物語で、プレイヤーはすぐに4つのギャングを自由に選べるようになる。ギャングはすべて異なった根拠地を構え(カジノや鉄くず廃棄場)、ステージの最後にはボスが待ち構える。重要なのは、他のギャングを倒した後ギャングが強くなることだ。そのために従来のセーブとロードを繰り返すだけの方式よりもクリアには少し工夫が必要になっている。
ベルトスクロールアクションは、タイミングと位置取り、特殊スキルの発動が鍵を握るシンプルなゲーム性のジャンルだが、ゲームのフィールドにどんどん死体が増えていくのが心地よい。オプションにオンラインでの協力プレイはないが、ローカルCo-opがお勧めだ。パートナーと交代することができるが、これがゲーム進行のカギを握るのだ。
周りのものを壊して体力を回復したり金を稼げたりするシステムはアーケード版の時代から大きくは変わっていない。落ちている武器を拾って人に使うことができるのは言うまでもない。大乱闘で重要なのは、敵の大群に飲み込まれないにすることだ。これがすぐに「ゲームオーバー」になってしまう典型パターンだからだ。
ベルトスクロールアクションの難点は、画面の端でアクションが途切れて見えなくなり、見えない拳やナイフがいきなり現れるところだ。ジャンプの仕様の中には、基本的な物理法則からするとナンセンスに思えるものもある。おそらくこれは魅力でもあるのだが、このゲームには重大な難点がある。ノスタルジーをかき立てる以上に、短くて繰り返しが多く、ゲーム体験がやや浅いものになってしまうことだ。これはもちろんオリジナルのアーケード版にも言えることだが、今日の作品群の中ではいささか場違いな感がある。
とはいえ、「ダブルドラゴン」がこのジャンルのパイオニアだったことを考えれば、このゲームをまたプレイする人や初めてプレイする人のほとんどが、その欠点を許容してシンプルな殺戮を楽しめることだろう。