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西村麻里:パワフルな絵で生の感情を表現する日本人アーティスト

今年のワールドアートドバイでは、日本人アーティストが個展ブースを設ける。(提供)
今年のワールドアートドバイでは、日本人アーティストが個展ブースを設ける。(提供)
今年のワールドアートドバイでは、日本人アーティストが個展ブースを設ける。(提供)
今年のワールドアートドバイでは、日本人アーティストが個展ブースを設ける。(提供)
今年のワールドアートドバイでは、日本人アーティストが個展ブースを設ける。(提供)
今年のワールドアートドバイでは、日本人アーティストが個展ブースを設ける。(提供)
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21 Feb 2024 10:02:11 GMT9
21 Feb 2024 10:02:11 GMT9

アミン・アッバス

ドバイ:日本人の画家、クリエイティブ・ディレクターである西村麻里さんの描く絵は、「パワフル」と表現される事が多い。彼女は絵筆でラフスケッチを描くことは基本的にはしない。そうではなく手を使って絵を描く。

子供の頃から竜が大好きだった彼女は竜を描くことを楽しんできた。「私の知っている竜は優しくて、尊くて、美しいんです」。そう彼女は語る。「世界のどこにもない竜を描きたいんです」

人生の中に溢れる幸せの底には、苦しみ、切なさ、哀しみがある。西村さんはそうしたあらゆる深い感情を絵に描きたいと願っていて、彼女の絵がそういった人間が持つ感情を表現しているからこそ、作品を見る人たちは感動して涙を流し、魂の叫びだと賞賛するのだろう。

和の要素と現代的な要素を併せ持つ西村さんの作品は、「竜」とともに世界各地を飛び回っている。

西村さんはアラブニュース・ジャパンの独占取材に応じ、アートのインスピレーションは自身が経験したことから生まれると語ってくれた。「悲しみ、喜び、怒りなど、私が人生で経験したすべてのこと(が私のアートに反映されているんです)」。そう彼女は言う。

「私は共感覚を持つ人なんです。すべてのものが色として見えるとともに感じることができるので、その感覚で、感じた色をありのままに身体で描くんです。これはすごくスピリチュアルな感覚ですね」と彼女は続けた。

コピーライター、CMプランナー、クリエイティブ・ディレクターとして国内広告代理店や外資広告代理店に勤務した後、西村さんは自身の名前を冠する会社を設立した。

「言葉を生み出すこととアートを作り上げることは同じだと気づいたんです。言葉でもアートでも、何かを作ることが好きで、今はアートで自分自身を表現することに集中しています。私のコンセプトは一貫しています。それは、人はいつか死ぬけれど私が生きていた証を残したい、というものです」

彼女が好きな日本画家は円山応挙だという。「応挙の絵は繊細ですが、そこには悲痛な思い、悲しみ、喜びの感情が隠れているんです」と彼女はアラブニュース・ジャパンに語った。「フィンセント・ファン・ゴッホも好きです。人生に対するアーティストの姿勢が伝わってくるアートにとても惹かれるんです」と彼女は続ける。

日本文化は彼女の想像力をかき立てるとも語ってくれた。「日本の神社やお寺がとても好きなんです。だから時間があれば神社に行っていますね。神社を見ると日本の美しさ、威厳、表現し難い力強さ、穏やかな心を感じられるんです」。そう彼女は言う。 

「一方で私が住む東京はとても刺激的です。どんどん移り変わる文化と色、街の変化は私にインスピレーションをたくさん与えてくれます」と彼女は続けた。

西村さんはニューヨークで作品のプロモーションを行った。彼女はこれを自身の最も大きな成果だと語っている。「ニューヨークの300以上のアートギャラリーで作品のプロモーションをしました。その結果チェルシーのアートギャラリーと契約できました。今では毎年ニューヨークで個展を開催しています」と彼女は言う。

アメリカで成功を収めた後、西村さんはいくつもの賞を受賞し、アラブ首長国連邦からもオファーを受けた。彼女は2023年3月に初めてドバイを訪れ、ワールドアートドバイ2023で初めての個展ブースを出した。 

「私にとってこれはすごく刺激的な経験でした。それでドバイの可能性を感じて、ドバイで会社まで設立してしまいました」と彼女は振り返り、「Painting and Calligraphy」という会社を設立したのだと語った。 

「ドバイの文化は他のどの国ともまったく違いますね。すごく印象に残りましたし、中東はとても面白い地域だなと感じています」。そう彼女は続ける。「中東は日本の文化を受け入れてくれるんです。ここでは日本の文化はまだ知られていません。だから、日本の素晴らしいものを中東に届けなければいけないという使命感を感じたんです」 

西村さんはアラビア文字が大好きだとアラブニュース・ジャパンに語ってくれた。「アラビア文字にすごく思い入れがあるので、自分のアートにアラビア文字を取り入れることに挑戦したいんです」と彼女は言う。「これは世界中で活動しているからこそ得られる特別な感覚ですよね」

西村さんは東京の老舗百貨店での個展を計画中だ。3月にはニューヨークでライブペインティングと個展を行う。5月にはドバイに戻り、ワールドアートドバイでまた個展ブースを設ける。11月には再びドバイを訪れる。  

「8月には日本の神社でライブパフォーマンスをやります。10月にはニューヨークのアートギャラリーで1ヶ月間個展を開催します。12月には銀座で個展が開かれます。だから1年間のスケジュールはパンパンですね」と彼女は語った。 

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