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第6回ジャミール・プライズ、現代デザインにみるイスラム文化の影響に専念

「ジャミール・プライズ5」では、賞が始まって以来初めて、イラクのアーティストであるメッハデゥ・ムタシャ氏とバングラデシュの建築家であるマリーナ・タバスム氏という別々の分野の実践者2人が共同受賞した。(提供写真)
「ジャミール・プライズ5」では、賞が始まって以来初めて、イラクのアーティストであるメッハデゥ・ムタシャ氏とバングラデシュの建築家であるマリーナ・タバスム氏という別々の分野の実践者2人が共同受賞した。(提供写真)
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27 Mar 2020 01:03:55 GMT9
27 Mar 2020 01:03:55 GMT9

レベッカ・アン・プロクター

ドバイ:イスラムの伝統が現代文化に与えた影響の認識を目指し2009年にロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)とアートジャミールによって立ち上げられ、以来長年敬われてきたジャミール・プライズが、新しい時代の到来を告げようとしている。第6回目を迎える今年は、デザインに専念したものとなる。

誕生以来進化を続けてきたこの賞は、建築、映画、彫刻、ファッションなど、さまざまな創造分野の断面のほか、中東、北アフリカ、南アジアのさまざまな地域の歴史に光を当てている。以前はミクストメディアに限られた賞だったが、次の回では、設立以来初めて単一の分野を中心としたものになる。

[caption id="attachment_11977" align="alignnone" width="520"] ジャミール・プライズは、2009年にロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)とアートジャミールによって立ち上げられた。(提供写真)[/caption]

なぜイスラムのデザインに焦点を当てるのか? 現代美術と収集可能なデザインという2つの世界の関係が近づくにつれ、この2つが結び付いて進化を続ける状況について多くのことが注目されるようになった。「ジャミール・プライズ6」は、美術の観点から見たデザイン世界への関心の高まりをさらに堅固にするものである。

「深い工芸の伝統と中東やアジアのデザインシーンの近年の成長にもかかわらず、イスラムの伝統にインスピレーションを得た現代的なデザインには、まだそれほど注目が集まっていません」とアートジャミールはその声明の中で述べている。

「第6回目は、単一の分野、つまり現代的なデザインの分野をクローズアップします。それと同時に、スコープを拡げようと公募も取り入れましたので、世界中の実践者に応募していただけるようになりました」とアートジャミールのディレクターであるアントニア・カーバー氏は語った。

[caption id="attachment_11978" align="alignnone" width="523"] ジャミール・プライズは、イスラムの伝統が現代文化に与えた影響の認識を目指して創設された。(提供写真)[/caption]

重要なのは、どんなものをデザインと呼ぶのかを、誰がどのように定義するか、ということだ。公募は2020年3月18日から5月31日まで受け付けており、ジュエリー、製品、ウェブ、グラフィック、ファッション、スペキュラティヴ・デザイン、タイポグラフィ、工芸、建築、応用芸術など、幅広い分野の実践者を歓迎する。 「ジャミールプライズ6」展は、2021年の夏にロンドンのV&Aで開かれる。キュレーションは、V&A中東担当ジャミール現代美術キュレーターのレイチェル・デドマン氏と、中東担当シニアキュレーターのティム・スタンレー氏が共同で行う。

[caption id="attachment_11979" align="alignnone" width="522"] ジャミール・プライズは今年で第6回目を迎える。(提供写真)[/caption]

「『ジャミール・プライズ6』展は、イスラムの伝統にインスピレーションを得た革新的な現代デザイン展としては、これまで世界のどこでも行われたことのない大規模のものになると思います」とカーバー氏は付け加えた。「この賞は、イスラム美術やデザインの偉大な時代が今日のクリエイティブにも尽きることのない影響を与えていることを改めて認識させてくれます」

[caption id="attachment_11980" align="alignnone" width="555"] ジャミール・プライズの第6回目は、デザインに専念したものとなる。(提供写真)[/caption]

「ジャミール・プライズ5」はさらに進化を遂げた。賞が始まって以来初めて、イラクのアーティストであるメッハデゥ・ムタシャ氏とバングラデシュの建築家であるマリーナ・タバスム氏という別々の分野の実践者2人が共同受賞したのだ。

審査員は、賞のこれまでの回と同じ形式に従うことになる。審査員は、V&A館長のトリストラム・ハント博士が議長を務め、「ジャミール・プライズ5」の共同受賞者であるイラクの美術家メッハデゥ・ムタシャ氏とバングラデシュの建築家マリーナ・タバスム氏、英国の作家であり批評家のアリス・ローソーン氏、UAEの著述家であり研究者でありバルジール芸術財団の創設者であるSultan Sooud Al-Qassemi氏で構成される。

カーバー氏はまた、「アートジャミールは、当組織のプログラムに対し『Kaizen(改善)』のアプローチをとることを目指しています。継続的に問いかけと努力を行うことによる発展の可能性を認識し、V&Aとの連携においても、そのプロセスでジャミール・プライズを再考し、将来を見据えながら改善に努力していきたいと思います」と付け加えた。

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