
アブダビ: 2024年プリツカー建築賞を受賞した著名な日本人建築家、山本理顕氏は、コミュニティと社会的結束を促進する建築の役割を再定義している。
アブダビ・フェスティバル2025の一環として、ニューヨーク大学アブダビ校と共同で開催された特別講演で、山本氏は人間中心の設計哲学と建築の未来についてのビジョンを語った。
山本氏にとって、プリツカー賞の受賞は個人的な功績以上のものだ。
「自治権のある活気ある地域コミュニティを作り、そのビジョンを伝えていくことが、プリツカー賞受賞者としての私の責任です」とアラブ・ニュース・ジャパンに語った。
学生たちの抗議活動や、東京大学生産技術研究所の原広司教授のもとでの都市研究が顕著であった。
これらの経験は、建築物だけでなく都市の生態系全体にまで及ぶ彼の建築へのアプローチの基礎を築いたという。
山本氏の仕事は、持続可能な実践に重点を置いている。
「建築は地域社会に貢献すべきものです」と彼は説明する。「帰属意識と継続性を育むことで、持続可能な建築は次世代への繁栄を約束する」
彼の最も高く評価されているプロジェクトのひとつ、韓国のパンギョ集合住宅は、公共空間と私的空間の境界線を曖昧にする彼の能力を示している。
居住者の自主性と交流を促進するように設計されたこのプロジェクトは、建築がコミュニティへの参加をサポートする包括的な環境をいかに創造できるかを示している。
世界が高齢化という課題に取り組むなか、山本氏は社会的支援ネットワークを促進する建築を提唱している。
「コミュニティは高齢化社会の課題に対処するのに役立つ。良いモデルを作れば、国際社会にとって良い見本となる」
災害に強いという彼の専門知識は、社会の福祉における建築の役割をさらに強調している。よく設計されたコミュニティは、災害に対する地域の対応を強化し、長期的な復興努力を助けることができると彼は信じている。
将来的には、維持費がかさみ、コミュニティ精神に欠けると考える高層ビルから、都市はシフトしていくだろうと山本氏は予想する。
特にアラブ首長国連邦のような暑い地域では、地下空間が自然な温度安定とエネルギー効率をもたらすからだ。