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ダーイシュ最高指導者が自爆、米軍がシリアの潜伏先を攻撃

2022年2月3日、シリアのアトメで米軍特殊作戦部隊が行った対テロ作戦の影響で破壊された家屋。(ロイター)
2022年2月3日、シリアのアトメで米軍特殊作戦部隊が行った対テロ作戦の影響で破壊された家屋。(ロイター)
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04 Feb 2022 08:02:56 GMT9
04 Feb 2022 08:02:56 GMT9
  • アブ・イブラヒム・アル・ハシミ・アル・クラシ容疑者は、創設者のアブ・バクル・アル・バグダディが2019年に死亡して以来、ダーイシュを率いてきた
  • バイデン大統領は、米軍が接近するとクラシ容疑者は自爆し、家族も死亡したと述べた

アンマン/ワシントン:バイデン米大統領は2月3日、ダーイシュの最高指導者が自爆したことで、世界にとって大きな「テロの脅威」が排除されたと述べた。ヘリコプターを使い夜間に行われた米軍特殊部隊による潜伏先の急襲作戦は、「非常に困難な」ものだったと説明した。

バイデン大統領は全国放送で、「米軍は世界にとっての大きなテロの脅威であるダーイシュのアブ・イブラヒム・アル・ハシミ・アル・クラシ最高指導者を排除することに成功した」と述べた。

この作戦はダーイシュにとって、2019年のバグダディ容疑者の死亡以来最大の痛手となる。クラシ容疑者よりも有名なアブ・バクル・アル・バグダディ容疑者は、クラシ容疑者の前任で、同じシリアのイドリブ地方で米国の急襲作戦で死亡している。

バイデン大統領は、クラシ容疑者の潜伏先である家屋への空爆ではなく、「米国隊員へのリスクがはるかに大きかった」ものの、民間人の犠牲を最小限に抑えるため、特殊部隊による襲撃を命じたと述べた。

家屋には「子供を含む家族」がおり、「米軍兵士が接近すると、クラシ容疑者は臆病さから自暴自棄になり、自分の家族や家屋内の他の人々を巻き添えに自爆することを選んだ」とバイデン大統領は述べた。

バイデン大統領は、クラシ容疑者は自爆ベストを作動させて自殺しただけでなく、アトメの町にある家屋の「3階」全体を爆破させ、「自分の家族の何人かを巻き添えにした」と述べた。

クラシ容疑者は、トルクメン人が多く住む都市タル・アファール出身のイラク人で、アミール・ムハンマド・サイード・アブド・アル・ラフマン・アル・マウラとしても知られていた。2019年10月の米国の襲撃でバグダディ容疑者が死亡した後、その後任となった。バグダディ容疑者も同じく自爆死している。

クラシ容疑者は、外国人戦闘員を指導者に持つアルカイダ系のグループ「フラス・アル・ディン(宗教の守護者)」など、複数の過激派組織が存在するシリアの地域に潜伏していた。

米政府は、世界で最も指名手配されている逃亡者の一人であるクラシ容疑者について、所在の判明につながる情報に1000万ドルの報奨金を出すとしていた。

シリア人権監視団のラミ・アブデル・ラフマン代表は、「作戦中に少なくとも13人が死亡し、そのうち4人が子供、3人が女性です」と述べた。

クラシ容疑者が滞在していた家屋の所有者は、借主(クラシ容疑者)は普通の生活をしていたと述べた。

アブ・アフマドとだけ名乗った家屋の所有者は、「借主は11ヶ月間ここに住んでいました。不審なことは何も見なかったし、何も気づきませんでした」と述べた。「いつも家賃を払うと帰っていきました。彼は3人の子供と奥さんと一緒に住んでいました。上階には未亡人の妹とその娘が住んでいました」

トルコ国境に近いアトメの町の住民によると、ヘリコプターが着陸し、午前零時頃に始まった襲撃では激しい銃声と爆発音が聞こえたという。米軍は大音量のスピーカーで、女性や子供に退避を呼び掛けたという。

アフガニスタンでの無人機による誤爆(米国防総省は当初成功と評価)を受け、民間人の犠牲を防ぐための米軍の手順が精査されている。

軽量コンクリートブロックの家屋は、窓枠が外れ、天井は焦げ、屋根は部分的に崩壊するなど、激しい戦闘の傷跡を残している。(AFP)

目撃者の一人は、ヘリコプターの音で目が覚めたと言う。アトメに住む避難民のシリア人、アブ・アリ氏は、「それから小さな爆発音が聞こえました。その後、より強い爆発音が聞こえました」と述べ、さらに米軍が住民に「心配するな」と言ったと語った。

アブデル・ラフマン氏は、米軍で訓練を受けたクルド人主導のシリア民主軍の精鋭が作戦に参加したと述べた。

軽量コンクリートブロックの家屋は、窓枠が外れ、天井は焦げ、屋根は部分的に崩壊するなど、激しい戦闘の傷跡を残している。

バイデン大統領と米政府高官は、クラシ容疑者を2014年のイラク北部での少数民族ヤジディ教徒の大量虐殺の「牽引者」と表現し、アフリカからアフガニスタンまでのダーイシュ支部のネットワークを監督していると述べた。

「昨夜の作戦はテロリストの大物指導者を戦場から排除し、世界中のテロリストに対し、我々はあなたたちを追い詰めて見つけ出すという強いメッセージを送った」とバイデン大統領は述べた。

3年近く前の敗北以来、ダーイシュはイラクとシリアで反乱攻撃を繰り広げてきた。直近では先月、ダーイシュの戦闘員がシリア北東部のダーイシュの容疑者を収容している刑務所を襲撃した。

イラク北部の指導者、治安当局者、住民らによると、多くの地域で中央統制が欠如しており、ダーイシュは恐ろしい脅威として再浮上しているという。

シリア・アナリストのハッサン・ハッサン氏はこう述べた。「クラシ容疑者の殺害は、ダーイシュにとって大きな出来事であり、大きな打撃です。なぜならダーイシュは一度もクラシ容疑者から指導を受けていないからです。アメリカがイラクとシリアに駐留し、関与している限り、ダーイシュは弱体化し、圧力を受け続けると思います。アメリカはバネの上の足のような役割を果たしています。足をバネから外せば、また復活します」

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