
ストーク・オン・トレント: ルーク・マルパスの自宅の作業場に並ぶ棚は、何十年も前のゲームボーイ、セガ・メガドライブ、ニンテンドーの部品が所狭しと並べられ、修理を待っているゲーマーにとってはまさに宝の山だ。
マルパスの「アラジンの洞窟」のような場所であるレトロシックスには、修理を依頼するゲーマーからの小包が世界中から届く。
彼は、ゲームに対する生涯にわたる情熱を仕事に変え、古くなって使えなくなったゲーム機やその部品をどうするかというよくある質問に答えている。
「ノスタルジーの要素もあると思います」と、38歳のマルパス氏は、イングランド中部の都市ストーク・オン・トレントにある自宅に積み上げられた電子機器を見渡しながら語った。
レトロゲームやレトロゲーム機が大復活しているのは、一過性の流行ではないと彼は言う。
「個人的には、それは触覚的な体験だと思う。棚から箱を取り出し、実際にゲームをコンソールに挿入する… そうすることで、よりプレイしたくなり、より楽しむことができる」
電子機器やアクセサリーの中には、ゲーム革命の幕開けとなった1980年代にまで遡るものもあり、愛情を込めて再び命を吹き込まれるのを待っている。
マルパス氏は、一度に50台から150台のゲーム機を修理しており、その費用は60ポンド(78ドル)から数百ポンドに上る。
それは、失われた子供時代への郷愁だけではない。
彼は、現在主流となっているマルチプレイヤーで、高いレベルに達するには長時間の練習による磨かれたスキルを必要とするオンラインゲームとは異なり、レトロゲームは現実から離れる方法でもあると考えている。
「レトロゲームは、手にとって電源を入れ、1時間でも10分でも遊べる。 そんなことは問題ではない。 すぐに始められて、すぐに楽しめる」とAFPに語った。
一人用のヴィンテージゲームでは、「競争相手もいないし、惨めな気持ちになったり腹を立てたりすることもない」
「バイオハザード」や「ジュラシック・パーク」などのゲームのファンであるマルパス氏は、子供の頃のビデオゲーム体験をより忠実に再現するために、ブラウン管の古いテレビを購入するほどだ。
YouTubeのチャンネルに投稿している、彼がゲームプレイを撮影したビデオクリップは、すでに何万人ものフォロワーを獲得している。
「子供時代に育ったものに対して、人々は常に自然な情熱を抱くものだと思う。
だから、私たちは常に仕事があるだろう。それは進化していく。そして、おそらくそれはゲームボーイではないだろう」とマルパス氏は語った。
「レトロなものは常に存在し続けるだろう」
今週、映画、テレビ、ビデオゲームを表彰する英国の団体BAFTAが主催した調査で、1999年のアクションゲーム「シェンムー」が史上最も影響力のあるビデオゲームに選ばれた。
1993年に発売された「ドゥーム」と、マリオがピーチ姫を救うために初めて立ち上がった1985年の「スーパーマリオブラザーズ」が2位と3位に選ばれた。
そして水曜日、任天堂は待望の新型ゲーム機「Switch 2」の詳細を発表した。
このゲーム機には、日本の大手企業が提供する人気ゲームの最新バージョン「マリオカートワールド」と「ドンキーコング バナナキングダム」が含まれている。
4か月ごとに開催されるロンドン・ゲーム・マーケットは、ビンテージゲームに特化したイベントで、ファンがますます増えている。
「私は『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の大ファンです。ここで何が見つかるかわからないので、いつも目を光らせています」と、ソニックの絵柄のTシャツを着た来場者のエイドリアン氏は語った。
コレクターやゲーマーたちは、隠れたお宝を見つけようと、山積みになったCDや古いゲーム機を注意深く探していた。
Replay Eventsのマネージングディレクターであり、今年で10年目を迎えるロンドンでのイベントの主催者でもあるアンディ・ブラウン氏にとって、コロナウイルスによるパンデミックは、ビンテージゲームへの回帰の転換点となった。
「人々は自宅に閉じ込められ、コロナウイルスに関する暗いニュースが多かったため、より良い時代を思い出せるようなことをしたいと思っていたのだと思います」と、AFPに語った。
今年初め、米国の消費者団体コンシューマー・レポートが実施した調査では、米国人の14%が2000年以前に製造されたゲーム機で遊んでいることが分かった。
また、9月にはイタリア税関が偽造ビンテージゲームを密輸していた犯罪集団を摘発し、1980年代と1990年代の人気ゲームソフトを収録した1万2000台のゲーム機を押収した。
AFP