

アミン・アッバス ドバイ
「カニバル星人」、「ダイナミック・ヴィ―ナス」、「誘拐アンナ」の作品で知られる日本の監督兼作家の佐藤懐智氏が、3月にアダルトスイムで公開されたリック・アンド・モーティの最新短編アニメ『Samurai&Shogun』を手がけた。
佐藤監督がアラブニュース・ジャパンに語ったところによると、2018年11月頃『Samurai&Shogun』の制作に着手した。これまでに、「Yaki-Gote」(2016)、「リック・アンド・モーティ」のシーズン3プロモーション「GEAR HEAD」(2017)など、アダルトスイムの短編を監督している。
https://youtu.be/BSF5yoD-vC4
「当時は『リック・アンド・モーティ』にあまり親しみがなかったが、制作のために見始め、作品完成時には完全に番組に夢中になっていた。」と監督は述べた。
佐藤監督はアダルトスイムと再び一緒に仕事をしたいと思い、「リック・アンド・モーティ」シーズン4の短編を手がけるというオファーを受けたと付け加えた。
「ディレクターとして新しいシーズン4の短編の仕事をオファーされた。最初はまったく違う計画だったが、『リック・アンド・モーティ』の基本設定を見直していたとき、フォーマットが日本の古い漫画『 Lone Wolf and Cub(子連れ狼)』によく似ていることに気が付いた。そこで、すぐにラフ画を描いてアダルトスイムに送ったところ、私のオファーを受け入れた。」と語った。
「実は、3年前に亡くなった父が『 Lone Wolf and Cub(子連れ狼)』の大ファンで、私が子供のときに映画バージョンを一緒に見た。また、私はデビッド・ボウイの大ファンで、オリジナルのムーンマンのシーンのボウイ的引用に非常に感動した。BGM制作のために心を込めて多くの作業を行った。この短編アニメは私にとって個人的なプロジェクトになったと言えるだろう。」と彼は付け加えた。
佐藤氏は、アメリカの友人たちや映画業界の知人たちはこの短編に非常に驚いたと語った。
「インターネット上のコメントのなかには、多くの人が異なる憶測や想像をしたというものがあった。それは完全に私の想定外だったが、いくつかは核心に触れ、非常に興味深い視点だった。」と述べた。「私はアメリカやヨーロッパの作品に大いに影響を受けたので、日本文化から生まれた自分のアイデアが他国で受け入れられて非常にうれしい。」
佐藤氏は70年代の作品を代表とする洋画やポップカルチャーから影響を受けたとアラブニュース・ジャパンに語った。
「私のお気に入りの洋画は、『時計じかけのオレンジ』、『エクソシスト』、『ファイトクラブ』、『ジェイコブス・ラダー』、『ダークナイト』です。テレビシリーズでは、『コルチャック:ナイト・ストーカー』、『超人ハルク』、『パワーパフガールズ』、『宇宙空母ギャラクティカ2004』だ」。
また、アラン・ムーアの「ウォッチメン」や「キリング・ジョーク」などの西洋のグラフィック小説も楽しんだ。
佐藤氏は、「リック・アンド・モーティ」の短編アニメプロジェクトの話し合いのために米国を頻繁に訪れ、ボストンにもしばらく住んでいたと語った。また、フランス、イギリス、スペインなどヨーロッパ諸国も訪れた。
「残念ながら、私は中東に行ったことがない。エジプトを訪れたいと思っており、今年実現する予定だった。しかし、COVID-19の世界的流行のため計画をキャンセルしなければならなかった。」と彼は述べた。
「リック・アンド・モーティが中東にファン層があることを知りうれしい。番組には素晴らしいキャラクターがあるので、その成長を望む。」と彼は付け加えた。
佐藤氏はこれまでのプロジェクトについて、「2009年の私の最初の3Dアニメーション『カニバル星人』は非常に記憶に残るものだった。これは私のオリジナルのアニメーションで、日本のアニメーションスタジオの理解と創造性に圧倒された。私の脳と心で描いたイメージを明確にアウトプットしようとしていた。」と語った。
「私はスタジオを設立する前にも、台本や絵コンテのために懸命に作業していたので、制作を始めてから病院に3回入院した。」と付け加えた。
佐藤氏は、ライブアクション短編に取り組んでおり、まもなく完成する予定だと語った。
「ストーリーは日本の旅館に出現すおばけのコメディである。新しい映画をいくつかの国際映画祭に提出するつもりだ。」と述べた。