アミン・アッバース・ドバイ
中東で最大のアニメのセル画とスケッチのコレクションを所有するアラブ首長国連邦のアンティークコレクター、シェハブ・アル・スワイディ氏。彼は1970年代の日本のオリジナルなアニメシリーズを1,400点以上所有している。
セルとは、セルロイドの略で、伝統的な手描きアニメーションでシーンを描くための透明なシートのことだ。アル・スワイディ氏のコレクションには、昔のアニメシリーズの作品が数多く含まれている。
「私は2005年からアニメのセル画を集め始めました。収集を始めたのは、単にアニメが好きだからです。特に私の子供時代に関係のあるアニメが好きです」とコレクターは語る。「このコレクションは、情熱と記憶、歴史を組み合わせたもので、私自身、興味を持っているテーマです」
アル・スワイディ氏はアラブニュースジャパンに対し、「オープニングタイトル、エンディング、最終回のいずれかから、アニメの人気シーンのスケッチやセルを厳選することに最善を尽くしました」と語る。
「通常、最終回のシーンを描いたセルは高く売れます。また、必ずしも最終回ではなくても、重要な回のセルを選ぶこともあります」
アル・スワイディ氏は、スケッチに描かれているキャラクターや背景などにも注目しているという。
「背景がシーンで示された通りにセルと正確に一致していれば、より良い価値があるとみなされます」と彼は付け加える。
アル・スワイディ氏はアラブニュースジャパンの取材に対し、アニメのセル収集ではオークションのような競争的な買い付けが多いと語る。
「一部のシーンには非常に高い値が付けられています。価格は100ドルから2万ドル以上までと様々です。ひとたび関連するセルが見つかると、様々な国から競争相手のバイヤーが集まってきます」とアル・スワイディ氏は語った。
彼は、2016年に「Seconds of Anime」と呼ばれるコレクションのために展示会を開催した際、スケッチのコレクションを一般の人々と共有する必要性を感じたのだと説明する。
「私がセルを集め始めて、その数が増え始めると、そのようなものに興味や情熱を持っている人たちがコレクションを見て楽しんだり、思い出に浸ったりできる場所で、コレクションを公開しなければならないという思いに至りました」
「このイベントには、ファラー・ハシム(『未来少年コナン』のコナン少年、『恐竜大戦争アイゼンボーグ』の立花善のアラビア語声優)や、日本のアニメや文化を専門とするフランス出身の友人ブノワ・スパチャーなどの特別ゲストを招待しました」とアル・スワイディ氏は語る。「UAE文化・知識開発大臣のH.E. ヌウラ・ビント・モハメッド・アル・カービ氏や在アブダビ日本大使館の代表者などの要人をはじめ、多くの老若男女の方々が参加し、イベントは大成功を収めました」
アル・スワイディ氏によると、UAEとサウジアラビアでもう一つの展覧会を企画しているという。
「私は2019年、日本のアニメが文化の一部と考えられているパリで開催された日本文化に関する展示会に参加しました」
アル・スワイディ氏によると、グレンダイザー、宝島、ベルセルク、未来少年コナン、ワンピースなどのアニメシリーズがお気に入りだという。