Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 芸術と文化
  • サウジアラビアの「カー」リスマ・アーティスト、最新作を建国記念日にジッダで展示

サウジアラビアの「カー」リスマ・アーティスト、最新作を建国記念日にジッダで展示

「ドロー・ザ・ネーション」プロジェクトは、ジッダのウォーターフロントから始まる。作品のほとんどはイア・ビーチ・リゾート・ジッダで製作され、展示直前の最終的な仕上げのためにウォーターフロントに運び込まれる。(提供)
「ドロー・ザ・ネーション」プロジェクトは、ジッダのウォーターフロントから始まる。作品のほとんどはイア・ビーチ・リゾート・ジッダで製作され、展示直前の最終的な仕上げのためにウォーターフロントに運び込まれる。(提供)
写真/提供
写真/提供
写真/提供
写真/提供
Short Url:
13 Sep 2020 07:09:00 GMT9
13 Sep 2020 07:09:00 GMT9
  • 「ムービング・アート」派の先駆者シャリマー・シャルバトリー氏は、自動車に施す彼女独自のスタイルを持った絵画表現で広く知られている。

ハラ・タシュケンディ

リヤド:サウジアラビアの抽象芸術家シャリマー・シャルバトリー氏は、同王国の建国90周年記念日祝賀の一環として最新作をジッダで展示する。

ジッダ市はシャルバトリー氏との協力により「ドロー・ザ・ネーション」プロジェクトを立ち上げており、同氏の作品を9月23日から一般公開する。

「ムービング・アート」派の先駆者シャリマー・シャルバトリー氏は、自動車に施す彼女独自のスタイルを持った絵画表現で広く知られている。カスタムデザインで手描きの絵画表現が施されたポルシェ911と「ラ・トルク」と呼ばれる手塗りのF1レーシングカーは、彼女の作品中最も注目されている。

このポルシェはパリモーターショーで展示され、「ラ・トルク」は2017年のモナコグランプリで初めて一般公開された。

今年の建国祝賀のために、4台の古い自動車をジッダの新ウォーターフロントと主要な広場に展示し得る芸術作品へと昇華するようシャルバトリー氏は依頼を受けていた。

シャルバトリー氏は、アラブニュースの取材に応えて、アーティストとしての経歴や作品創作の過程で対峙して来た課題、建国祝賀においてサウジアラビアを描くにあたっての思いを語った。

同じく芸術家だった母のおかげで、「アートスタジオへの目を開かれた」と、シャルバトリー氏は話す。

「最も古い記憶はそのアートスタジオでした。ファイルーズやアブドゥル・ハリム(ハーフェズ)、フリオ・イグレシアスの音楽。そして、自分は他の子供たちとは違っているという感覚でした」と、シャルバトリー氏は言った。

母の協力を得て、シャルバトリー氏は6歳から芸術的スキルの養成を行うことができた。そして、8歳の時には最初の賞を受けるに至った。1988年、彼女は16歳にして初の展覧会をカイロで行った。キャリア初期のシャルバトリー氏のファンにはエジプトの画家サラー・タヘルや詩人のファルーク・ジュワイダーらがいた。こうした人々が展覧会に来場し、作品に賛辞を述べたのだった。

シャルバトリー氏は、作品を国際的に発表するようになり、政府に作品の創作を依頼されるサウジアラビア初の女性芸術家として評価を受けるようになった。また、2017年には、人道問題と市民社会への貢献により親善大使に任命された。

自動車の車体上で絵画表現を行うことは挑戦的な試みである反面、取り組み甲斐のあることだとシャルバトリー氏は感じている。

「自動車に何かを描くのはとても困難なことです。あっという間に乾いてしまう塗料と戦争をしているようなものなのです。しかし、何年も取り組んで、徐々に慣れてきました。塗料との戦いで怪我をしてしまいそうだと以前にはよく言っていましたが、ようやく私の言うことを聞いてくれるように何とか手懐けることができました」と、彼女は言った。

「経験を経て新しい考えや工夫が生まれます。そうした新しい取り組みによって創造することが可能になるのです。そして、創造性を得て初めて周囲の現実を貴方の意思通りに作り変えることが可能になります」と、彼女は語った。

シャルバトリー氏は、今年の建国祝賀への参画を通して、彼女に可能な最善の方法でサウジアラビアに報いられることを名誉だと感じていると述べた。

「新型コロナウイルス禍が発生し、我々の政府が皆に治療を提供し全員の安全を図ろうと全力を尽くしているこの状況下、サウジアラビアは私たち国民から多くの支援を必要としています。暑さや作業の大変さに可能な限り耐え抜き、サウジアラビアをより美しくすることに寄与できれば私は本望です」と、彼女は語った。

シャルバトリー氏は、また、このプロジェクトを支援し、古い自動車と車両を提供し、それらの芸術作品への転換を可能としたジッダ市長のサレ・アルトゥルキ氏への謝意を述べた。

「ドロー・ザ・ネーション」プロジェクトは、ジッダのウォーターフロントから始まる。作品のほとんどはイア・ビーチ・リゾート・ジッダで製作され、展示直前の最終的な仕上げのためにウォーターフロントに運び込まれる。プロジェクトの第2段階では、サウジアラビアの全都市が対象とされており、その後は国際的な展開が企図されている。これらの芸術作品を国外へ持ち出し、サウジアラビアの芸術を世界へと発信していくことが狙いである。

特に人気
オススメ

return to top