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ホアシ・ケイスケ氏 ハリウッドで活躍する日系アメリカ人俳優

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29 Nov 2020 11:11:28 GMT9
29 Nov 2020 11:11:28 GMT9

アミン・アッバース・ドバイ

日系アメリカ人俳優のホアシ・ケイスケ氏が、映画、テレビ、舞台、コマーシャル、ナレーションなどの仕事についてアラブニュースジャパンの独占取材に応じた。

ホアシ氏はニューヨーク出身で、フォックス/ディズニーで11シーズン目を迎えたテレビ番組『ボブズ・バーガー』のレギュラー役である「コジマ・シンジ」役として知られている。

ミュージシャンの仕事を辞めたばかりの20歳の時に、俳優になることを決意したとアラブニュースジャパンに語ったホアシ氏。

「音楽学校で過ごした数年の間に、私はプロのミュージシャンになる情熱を持っていなかったことに気づきました。このことは私の心にとても大きな穴と痛みを残しました。その心の穴と痛みにより、文芸創作の学士号を取得して、ニューヨーク州政府で作家兼グラフィックデザイナーとして働きながら大学院生活を送ることに苦労しました。残念ながら、何もうまくいかず、ますます自分の人生に不満が募っていました」と語った。

ホアシ氏は2年かけてやっとこれを自身に問いかけることができたと述べた。「音楽を辞めて惨めな思いをしているのだから、自分が幸せになれるクリエイティブなことは他に何かないのだろうか?」と。

彼の答えは 「小学校の劇で芝居をしたこと」だった。

「10歳の時以来、演技をしていなかったにもかかわらず、そう思ったのです。演技の訓練も受けていなければ、経験もありませんでした。演技のオーディションも受けたことがなかったですし、俳優の友達もいませんでした。」と語った。

その後、地元の演劇プロダクションのオーディションを受け、『マイ・フェア・レディ』の劇の主役である「ジェイミー」役を獲得した。

「私のプロの役者としての最初の仕事は、1994年のバーガーキングのコマーシャルでした。俳優のレッド・ジャクソン氏と一緒に『I don’t want to set the world on fire』を歌うシェフ役を演じたのです。その最初の仕事依頼、IBM、TDアメリトレード、ジョージア・コーヒー、ポンティアック、ミラービール、マイクロソフト、ケンタッキー・フライド・チキン、ウェルズ・ファーゴ銀行、ハーシーズなどを含む、80以上のコマーシャルに出演してきました」と語った。

ホアシ氏が俳優として初めて得た有給の仕事は、2001年の『サブリナ』で、寿司屋の配達員の少年役を演じたことだった。

「ビデオゲーム(『Halo2』)のいくつかの役で声優を担当しました。『Halo2』のゲーム開発者はゲームのプレイヤー用サイトを実験的に作成しました。そのサイトの中で、プレイヤーはゲーム内で見つけた手がかりをもとに、『ILoveBees.com 』のウェブサイトを探索し、『Halo』の宇宙の背景についてより詳しく知ることができます」と語る。

ホアシ氏は、俳優業界で俳優としてやっていくことに課題がなかったわけではなかった、と述べた。「私の最大の課題は、俳優として正式な訓練を受けていなかったことでした。私が学位を取得した分野は、英語、音楽、技術コミュニケーションです。そのためハリウッドに初めて来たとき、多くのことを習得しなければなりませんでした。」

「セットの中でどう振る舞えばいいのか、カメラの前でのふるまい方、ヘッドショット用の服の着こなし方さえ知らなかったのです。また、最悪なことに、テレビや映画の役を得るため、実際に人の前でオーディションを受けるということを考えただけも大きな恐怖を感じていたのです」と述べた。

「幸運なことに、私のメンターであるトミー・デメンコフ氏は、私に役者としてのキャリアをスタートするにあたり役立つヒントをくれました。彼は、テレビコマーシャルの仕事を目指すこと、そして彼が最初にカリフォルニアに引っ越してきた時に通っていたコマーシャル演劇学校に通うことから始めることを勧めてくれました」とホアシ氏は語った。

「その演劇学校は、アメリカのテレビ番組3本を手掛ける元プロデューサーであるライル・ヒル氏が運営しており、ヒル氏は私との相性がぴったりだったんです。ヒル氏と彼の授業により、私はすぐにプロの役者としての演技の基礎を習得することができました。そして初めて芸能事務所と契約することとなったのです。」

フォックス/ディズニーのテレビ番組『ボブズ・バーガー』で「コジマ・シンジ」役の声を担当していることでお馴染みのホアシ氏は、アラブニュースジャパンに「コジマ・シンジ」役の声を担当したエピソードを語った。

「この仕事の話をするのが大好きなんです!今までで受けた電話の中で一番嬉しかった電話でした。金曜の午後に事務所から電話がかかってきて、月曜日の朝に『ボブズ・バーガーズ』のオーディションがあると言われたのです」と語った。

「ハリウッドでのオーディションについての覚えておくことは、ほとんどの役には、その役の大きさにかかわらず、各事務所により1,000人もの俳優がオーディションに参加するということです。その中で、オーディションで選ばれるのは20人から30人程度です。そのため、この役を得られたこと自体、非常に幸運であったことはもちろんですが、言うまでもなくこの役が大変素晴らしい役でした。大ヒット番組でアニメの声を担当できるなんて夢のようでした」とホアシ氏は加えた。

しかし、ホアシ氏はオーディションを受ける前日に父親が他界したと語った。

「月曜の朝、ワーナー・ブラザース・スタジオのオーディションに向かう時、この役に父から力をもらおうと決めていました。父の声、父の日本語のなまり、父の声の出し方、父の笑い声そのものを、『コジマ・シンジ』という役の基礎として選んだのです」と語った。

「父との思い出のおかげで、「シンジ」を実在の人物のように捉えることができました。父を亡くした時の気持ちを込めて、「シンジ」が娘のユキとの関係が壊れたことをボブとリンダに話すという台本に、実際の感情を込めました。そして、オーディションでは、「コジマ・シンジ」役として、私自身泣いてしまいました。

その後、彼は「コジマ・シンジ」役を得たが、その同日、父親の遺体が日本で火葬されたことを知った。

「それでも、2014年のあの素晴らしくとても悲しい週以来、私が演じてきた全ての年老いた日本人男性の声の仕事に、父は私と共にずっと一緒にいます。2019年のエピソード(ホークニング)で『コジマ・シンジ』役を演じるために『ボブズ・バーガー』に戻ってきたときには特にそうでした」と付け加えた。

ホアシ氏は、彼の最高の演技は、『The Detour』での「ボゾさん」役、アダム・ブロディとロン・パールマンと共演した『Startup』の会計士「ジェリー」役、そして初のテレビコマーシャル『ジョージア・コーヒー』でのパラシュート隊員などだと語った。

「私はいつも有名な大ヒット番組の役を得たときは特に興奮します。その番組の中には、ケビン・ジェームズ氏と共演した『キング・オブ・クイーンズ』、ジョン・ハム氏やロバート・モース氏と共演した『マッドメン』、『ハワイ・ファイブオー』、伝説の判事ランス・イトーの真似をした『ロー・アンド・オーダー』、そしてハローキティの親友を演じた『ジミー・キンメル・ライブ!』などがあります」と語った。

ホアシ氏は、吉田 竜夫氏の『科学忍者隊ガッチャマン』のアメリカ版『バトル・オブ・プラネット』に触れたことをきっかけに、日本のアニメや漫画からインスピレーションを得たという。

「1975年にアメリカのテレビで放映が開始されました。今まで見たアニメの中で本当に一番かっこよくて、刺激的で、リアルなアニメでした。『バトル・オブ・プラネット』は、私のような小さな子供にとっては信じられないようなものでした。サイエンス・フィクション、冒険、アクション、格闘技、ロマンスまでもが1つの番組ですべて見ることができたのです」と彼は言いました。

ホアシ氏は、『食戟のソーマ 神ノ皿』、『パラステ』、『暗殺教室』などや、『ドラゴンボール』などのシリーズも好きだとアラブニュースジャパンに語った。

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