


東京:壁一面の花びらが、何千もの欠片となって散らばる。巨大な球体が空中を浮遊し、赤色から青色や紫色に変わる。何百匹もの蝶が、小さな水粒子が映る画面を動き回る。
これは現代の美術館ではなく、エンジニア、アーティスト、建築家が集結した日本のチームラボによる最新の作品である。ここには、迷路のように入り組んだ7室のサウナが備え付けられ、赤色、緑色、黄色に照らし出されている。
東京を拠点にするこのデジタルアートのグループは、この都市のきらびやかな六本木地区にある空きスペースを活用し、この1年で、複数のサウナ室と、没入感を得られる3つのアート・インスタレーションを収容する巨大なテントを設置した。
「アートは従来、宮殿や博物館などの豪華な場所で展示されますが、私たちはアートを体験する人々にとって、豪華な気分を作り出したかったのです」とチームラボのメンバーの1人である工藤岳さんは土曜日、実演で述べた。
「TikTok チームラボリコネクト」は、3月22日から8月の終わりまで営業する。平日は44ドル、週末は53ドルで、来館者は温室や冷たいシャワーを浴びたり出たりでき、水着だけを身に着けて作品の中を歩くこともできる。
コロナウイルスにより、一番大きなサウナの座席は24席から12席まで減らされ、空気循環に関する政府の基準に適うよう、換気が調整された。
工藤さんは、数十個の手吹きで作られた大きなイタリア製のガラスランプの下に立っていた。このランプは、濃いオレンジ色から赤紫色にゆっくりと色を変え、部屋を分ける暗い廊下を照らしていた。
このチームは、触覚、聴覚、嗅覚などすべての感覚に影響を与えたかった、と述べた。ほうじ茶などの香りがサウナの1室に漂い、それ以外のところでは白樺の香りがする。
「アートはアート、サウナはサウナであるため、誰もこのような形式で美術館に入る人はいません」と工藤さんは述べ、身に着けている水泳パンツを指さした。「私たちが挑戦したかったのは、まったく異なる体験、このようなアートのまったく異なる体験を一つにして提供することです」。
ロイター