



ラワ・タラス、 アブダビ
ルーヴル・アブダビの8回目となる最新の展覧会「ラグジュアリーの10,000年」は、ラグジュアリーの多面的な概念が古代から現代、アメリカから極東へと、時を経てどのように変遷したかを明らかにする。2月18日まで開催。
中東で初めて壮大なスケールで探求される普遍的なテーマに基づくこの展覧会は、国際的に有名な博物館およびデザイン・ファッションメゾンから貸し出された美術品、ジュエリー、ファッション、食器、家具等の350の豪華なアイテムにより構成される魅力的なプレゼンテーションである。ルーヴル・アブダビのコレクションも含まれる。
「現在の世界では、ラグジュアリーはもちろん、そこら中にあるものです」と、展覧会のキュレーターを務めるパリ装飾美術館館長オリヴィエ・ガベはプレスプレビューで語った。「昨日パリを発った時にラグジュアリーを見ましたし、昨日アブダビに着いたときもラグジュアリーを見ました。ラグジュアリーは私たちの世界を形作る概念です。博物館はいつだって知識、楽しみ、分かち合いがすべてです—しかし、人に自分たちが住んでいる世界を理解する手がかりを与えるものだとも思います」
展覧会が証明するように、ラグジュアリーの美しさは、その対照的な性質に宿る。ラグジュアリーは人によってさまざまに異なるものを表す。ラグジュアリーは極小かつ記念碑的、シンプルかつ精巧、有形かつ抽象的、個人的かつ公共的たりうる。とりわけ、ラグジュアリーは洗練、排他性、鑑識眼、そして最高水準の職人技の象徴である。
「文明間の対話」とは、キュレーターが12室にわたり展開されるこのショーの内容を表現したフレーズだ。当然のことながら、多様な芸術を生んだこの地域の豊かな歴史により、展示物の多く、特に古いものは中東からのものだ。
実際、ほの暗く照らされたショーに入るとすぐに目に入る、アブダビのマルワー島における最近のエキサイティングな発見—世界最古の真珠の展示を通じて、アブダビの歴史を垣間見ることができる。それは8,000年前のもので、1センチにも満たない大きさである。真珠を求めて潜ることは危険だが儲かる商売であり、UAEにとって石油以前の時代の経済の主力であった。その希少性は別として、淡いピンクのこの美しい真珠の小ささこそがこれを貴重なものにしている。ガベの賢明な言葉の通り、「小さいものはいつだって美しい」のだ。
この小さな真珠の隣には、エジプトを象徴する国民的歌手ウム・クルトゥムが以前所有していた、インドでデザインされた1800年代後期のまばゆい9連の真珠のネックレスがある。1970年代初頭にこの歌手がアラブ首長国連邦を訪れた際、エミレーツ建国の父シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル=ナヒヤンがこのジュエリーを贈ったという逸話付きだ。
大シリアからは、古代冶金が盛んであった沿岸都市ウガリットの(現在はラスシャムラとして知られる)から抽出された古代のイヤリング、ペンダント、バンド、真珠の美しいセレクションがある。古代エジプト人の目から「神々の肉」と捉えられていた素材、金でできたこれらの小さなかけらは「葬儀装飾品」として知られるもので、故人と共に死後の世界へと同伴するために棺の中に入れられたものと考えられている。
エジプトの器用な職人は視覚的美術およびテキスタイル美術の洗練された技能で有名で、展覧会には複雑な幾何学模様で飾られた15世紀後半の巨大なマムルークウールカーペットも含まれている。別の部屋に展示された、贅を尽くしたエナメル掛けのモスクランプには、おそらく作品のスポンサーであったマムルークの支配者スルタン・ベイバーズ2世に捧げられた旨の文字が刻まれている。
展覧会のより現代寄りのセクションではオートクチュールが中心となり、レバノンの人気デザイナー、エリー・サーブとラビ・カイルー、チュニジアのアズディン・アライアらによるドレスが展示されている。
ガベはフランスのファッションデザイナー、イヴ・サンローランによって1989年に製作されたエレガントなシルクケープに注目し、これはガベの主張によるとサン・ローランが生まれた国、モロッコに敬意を表したものだとのことだ。背中にはモロッコの通りに見られる、賑やかに咲き誇るブーゲンビリアの花を思わせる、紫と赤のひらひらした小さなリブ編み生地の切れ端の層が縫いつけられている。
「これらの重要人物の名前の裏で、何千人、さらに何千人もの人々が工芸や技能を習得するために毎日働いています」とガベは言う。「この展覧会は、人々がラグジュアリーに対して抱く表面的な想念だけでなく、人間の創造性へのオマージュでもあると思います」