
ヘブシ・アル・シャマリ
リヤド:サウジアラビアのファッション現場は近年、大きな転換期を迎えている。国内の多くの才能あるデザイナーたちが、アートと文化を混ぜ合わせた斬新な方法を見出しているのだ。
現代的な高級ブランド「ヒンダム」の創設者であるサウジアラビアのファッションデザイナー、ムハンマド・ホージャ氏は、最近アラブニュースに対して、「現在のサウジアラビアにいると、まさに文化的なルネサンス期を過ごしているという気分になります」と語った。
そしてこう付け加えた。「我々はこの国の豊かな歴史や伝統に深く結びついています。そして私はそれらを心から評価しており、私のデザインのほとんどにそれが反映されています」
「サウジのファッション業界には大きな可能性と成長の余地があり、それはいずれサウジの主要産業のひとつになるだろうと私は確信しています。特に、文化省とファッション委員会が設立され、それらが果たしてきた非常に大きな価値ある役割を考えれば尚更です」
ホージャ氏の主張ある作品のいくつかが現在、世界的に有名な2つの博物館に展示されている。
リヤドのサウジアラビア国立博物館には、「カリグラフィーとスクリプト」展の一環として、アル・ウラーのナバテア文明にインスパイアされた彼の最新シーズン作品が展示されている。
また先週には、サウジで女性の運転が認められるようになったことを記念して2018年に彼がデザインした「ドライビングジャケット」が、ロンドンのビクトリア&アルバート博物館に常設展示されることになった。サウジアラビアでクリエイティブな仕事をする人物による現代的な作品が、同博物館のコレクションとなるのは初めてのことだ。
「展示会は一般的に、物語を語る上でのアイデアや手段であり、現代の我々世代にとっての重要なデザインを表現するものです。私のプレタポルテ・コレクションがある種のインパクトを持ち、これら2つの名門博物館のキュレーターから選ばれたことは光栄に思います」とホージャ氏は述べた。
「私は常に、自分のデザインの中に新たな美を表現しようとしていますが、それだけでなく、さらに踏み込んで、ストーリー性やポジティブなメッセージを伝えることができればと考えてきました」
支援が提供されているということは、「今こそサウジアラビアのファッション業界を構築する時」というその同じ気持ちを、多くの人々が共有しているということになる。有望な人材をプロモートし、国際的な経験をサウジに持ち込んで能力や才能を強化すべく、様々な起業支援、助言者、センター、取り組みなどが発表されている。
このような支援を受け、ホージャ氏は、8月に発表される新シーズンに向けて次のプロジェクトに動き出している。
「特にこのパンデミックの世界には、ポジティブな見通しを打ち出していくつもりです。美的観点から言えば、これは1960年代のアメリカの『ユースクエイク』現象と非常に似通った感じもします」と彼は述べた。「しかし、我々はこの地球を大切に扱うために、多くの重要な教訓を学んでもきました。それは、私が今シェアすることのできる全てです」