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『Kate』:アクション性は高いが革新性に欠ける中途半端な作品

本作は現在、ネットフレックスで配信中である。(提供)
本作は現在、ネットフレックスで配信中である。(提供)
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15 Sep 2021 10:09:54 GMT9
15 Sep 2021 10:09:54 GMT9

ゴータマン・バスカラン

チェンナイ: 監督のセドリック・ニコラス・トロイアン氏は、ファンタジー満載のアドベンチャー映画『スノーホワイト/氷の王国』などの作品を手がけ、今回現在ネットフリックスで配信中の『Kate』で、監督を務めた。 本作は現在、サウジアラビアのネットフリックスのトレンド入り作品リストのトップとなっているが、観る価値はあるのだろうか?

冒頭のシーンは大阪だが、物語の大部分はまばゆいばかりのネオンカラーに染まった東京を舞台に、主人公らがジェットコースターのように街中を駆け巡り、煙を吐く銃やきらびやかな日本刀とともに、観る者の注目を集める。本作品は、ある意味では暴力的な漫画の描写に近い作品である。メアリー・エリザベス・ウィンステッドが、ヴァリック(ウディ・ハレルソン)に徹底的に鍛えられた20代のタフな女性を演じている。主人公を演じたメアリー・エリザベス・ウィンステッドは、2000年初頭にホラー・ドラマシリーズ『ウルフ・レイク』で 「スクリーム・クイーン」として注目を集め、その後ホラー映画『モンスター・アイランド』やSFホラー映画『ファイナル・デスティネーション』に出演し、女優として有名となった。

『Kate』は、前述のどの映画よりも数段上の作品である。本作品には、目を見張るようなアクションが多く詰め込まれており、洗練された主人公の演技には、正義のための戦いや、正義感といった意味合いが込められている。主人公のケイトは、やくざの組長を殺害するという当初の任務に失敗し、その彼の弟を殺してしまう。父親を殺された娘のアニ(ミク・マルティノー)は打ちのめされてしまった。そのためケイトは誰かを追ったり逆に追いかけられたりすることに疲れてしまったようだ。彼女を支配しているのは、彼女がヴァリックと呼ぶ「V」の存在であり、彼女にとって親のような存在であり、師匠であり、彼女を導く存在である。

しかし、ケイトとVが繰り広げる他人を巻き添えにする戦いには、悲劇しかない。その結末は思いもよらないものである。致死量のポロニウムを投与され、余命1日しかないケイトは、復讐を果たさなければならない。しかし、彼女の死を計画したやくざの組長の居場所を知っているのは、アニだけだった。物語が進むにつれ、ケイトとアニの間には感動的な絆が生まれ、ケイトは死を恐れることなく、狂気的な破壊の道を進んでいく。 

この映画は中途半端な作品で、独創的な要素はほとんどない。本作品の脚本を手掛けたウマイア・アレム氏は、暴力と騒乱をどうしても克服できないようで、それが観る者を苛立たせる要素となっている。

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