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携帯電話は銃よりも強し パレスチナ市民、ソーシャルメディアの声を聴く

パレスチナ人はアカウント停止に屈することなく、どんどんTikTokにシフトしており、イスラエルを怒らせている。(AFP/File Photo)
パレスチナ人はアカウント停止に屈することなく、どんどんTikTokにシフトしており、イスラエルを怒らせている。(AFP/File Photo)
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22 Apr 2022 09:04:18 GMT9
22 Apr 2022 09:04:18 GMT9
  • 活動家たちが激しい衝突を記録し、イスラエルの怒りとオンライン戦争に火をつけた

モハメド・ナジブ

ラマッラー:イスラエルは長い間、パレスチナ側の敵対勢力との「影響力」戦争における、ソーシャルメディアの活用において優位に立ってきたが、それも変わりつつあるのかもしれない。

Facebook、WhatsApp、Instagram、Twitterで、何百ものパレスチナ人のアカウントが、「挑発的なコンテンツ」を含むというイスラエルの主張に基づいて凍結されている。

しかし、パレスチナ人はアカウント停止措置に屈することなく、どんどんTikTokにシフトしており、イスラエルを怒らせている。

このアプリを運営する、北京を拠点とする中国の多国籍企業ByteDanceは、「挑発的なコンテンツ」の疑いでパレスチナのアカウントを閉鎖するというイスラエル側の要求を何度か拒否している。FacebookやTwitterは同様の要求に応じていた。

アプリ上で#FreePalestineがトレンドになるなど、TikTokは、ヨルダン川西岸地区と東エルサレムにおける最近の事件の主要な扇動要因となっている。

パレスチナ人が手にしたモバイルカメラは、進行中の出来事を記録し、自分たちの言い分を世界に伝えるための有効なツールとなっている。

パレスチナ人とイスラエル人は、「2021年5月にエルサレムのダマスカス門とシェイク・ジャラー地区での出来事がエスカレートし、ハマスとイスラエルの間で11日間の戦争が勃発した際、このアプリが重要な役割を果たした」とアラブニュースに語っている。

若いパレスチナ人がTikTokで公開した動画は、イスラエル軍や治安部隊との衝突に参加するよう、他の人々を鼓舞した。

パレスチナや海外のソーシャルメディア関係者によると、2022年1月のパレスチナのインターネット利用者は373万人で、パレスチナ人口の約70%にあたる。

LinkedInは30万人、Snapchatは135万人のパレスチナ人が利用している。TikTokの利用率は大幅に上昇しており、パレスチナ人の27.7%がこのアプリを利用し、Twitterは26.4%が利用している。437万台以上の携帯電話がネットに接続されている。

一方パレスチナ人は、手にしたモバイルカメラで入植者の暴行、イスラエル軍による検問所でのパレスチナ人への虐待、家の取り壊し、アル・アクサモスクへの襲撃などを撮影し、その映像は世界中で強い反響を呼んでいる。ガザの支配者ハマスでさえも、英語のツイッター・チャンネルを開設している。

パレスチナがソーシャルメディア上で着々と存在感を示し始めていることを受け、イスラエル政府は、外務省、国防省、イスラエル総保安庁のメンバーで構成される特別チームを立ち上げ、この問題への対処にあたっている。

イスラエルの治安当局は、ハマスの活動家がユダヤ人美女を装って特殊部隊の隊員と親しくなり、情報収集を行ったことを受け、フェイスブックなどで疑わしい友達申請を受け付けないよう兵士たちに警告してきた。

イスラエルはまた、パレスチナ人のソーシャルメディア活動を取り締まっている。最近では、物議を醸す投稿に「いいね!」したり、コメントしたり、シェアしたりしたことを理由に30人を逮捕している。

パレスチナ人の中には、ヨルダン川西岸地区のイスラエル総保安庁や東エルサレムのイスラエル警察から電話があり、投稿を削除するか逮捕されるかを求められた人もいる。イスラエルの治安当局は、ソーシャルメディアによる「扇動」と従来のメディアによる攻撃報道が暴力を生むと考えている。

イスラエル警察のアラビア語メディアデスクは4月20日、より多くのアラブリスナーに働きかけるためにテレグラムチャンネルを立ち上げ、最近のアル・アクサでの出来事について弁明を行った。イスラエル警察が女性や老人、子どもたちを殴打したとする映像が広まっていた。

米国内の数十人のパレスチナ人コミュニティ活動家と国際的な平和運動家も、ソーシャルメディア・プラットフォームでの活動を活発化させ、ラマダン明け以降の、イスラエルによるパレスチナ人への攻撃とアル・アクサでの激しい衝突を非難している。

米国の世論を動かそうと、活動家たちは、エルサレム、ガザ地区、ヨルダン川西岸地区の都市におけるパレスチナ人に対するイスラエルの暴力の様子を詳細に伝える動画や画像を再掲載した。

また活動家たちは、さまざまなハッシュタグを使い、その内容を国会議員へと伝達している。

今後、ロサンゼルスやニューヨークなどの米国の都市で、パレスチナ人の権利を支持し、イスラエルによる侵攻を糾弾するための抗議活動が予定されている。

パレスチナ自治区最大のインターネットサービスプロバイダーのディレクターは、匿名を条件にアラブニュースに対し、「パレスチナ人の移動が制限され、選択肢がないことで、より多くの時間をオンラインで過ごすことに拍車をかけている」と語った。

「インターネットは、イスラエルの占領に対するパレスチナの抵抗に不可欠なものとなっており、インターネットのおかげでパレスチナの現状を知らしめることができるのです」と、同ディレクターは語った。

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