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サウジアラビアの女性レーサー、ダカール・ラリーに挑む

冒険と自然を愛するマシェル・アル・オバイダン。ダカール・ラリーではスピード、技術、そしてパワフルなエンジンを組み合わせて戦う。(Twitter @Mashael_Rally )
冒険と自然を愛するマシェル・アル・オバイダン。ダカール・ラリーではスピード、技術、そしてパワフルなエンジンを組み合わせて戦う。(Twitter @Mashael_Rally )
冒険と自然を愛するマシェル・アル・オバイダン。ダカール・ラリーではスピード、技術、そしてパワフルなエンジンを組み合わせて戦う。(Twitter @Mashael_Rally )
冒険と自然を愛するマシェル・アル・オバイダン。ダカール・ラリーではスピード、技術、そしてパワフルなエンジンを組み合わせて戦う。(Twitter @Mashael_Rally )
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22 Dec 2021 07:12:09 GMT9
22 Dec 2021 07:12:09 GMT9
  • 33歳の情熱的なレーサーは、世界で最も困難なラリーであるダカール・ラリー2022に向けて準備を進めている
  • アル・オバイダン氏は、コ・ドライバーのアシュリー・ガルシア氏と共に、カスタムメイドのカンナム・マーベリックに乗り込み、サウジアラビアの砂丘地帯を12日間かけて疾走する

サーレハ・ファリード

ジェッダ:ワールド・クロスカントリー・チャンピオンシップの最終戦、ヘイル・インターナショナル・ラリーT3クラスを2位の成績で終えたばかりの33歳のラリーレーサー、マシェル・アル・オバイダンは、世界で最も困難なラリーと言われる2022年ダカール・ラリーに向けて準備を進めている。来年1月に開催される大きな冒険を前に、彼女はアラブニュースのインタビューに応じた。

T3クラスに出場する彼女は、カスタムメイドのカンナム・マーベリックに乗り、コ・ドライバー(ナビゲーター)のアシュリー・ガルシアと一緒に出発し、サウジアラビアの砂丘地帯や岩場を12日間かけて駆け抜ける。

サウジアラビアの砂漠でパーソナルトレーナーと一緒に、スーツとヘルメットを着用して、メンタル面を重視したスタミナ作りのトレーニングをしてきました。

マシェル・アル・オバイダン

アル・オバイダンがレースを始めたのは子供の頃。父親と一緒に出かけた砂漠や四輪バイクで駆け抜けたオフロードの冒険の楽しい一日がやがて趣味となり、旅行や競技への情熱へと変わっていった。

「子供の頃、父が四輪バイクをプレゼントしてくれました。幼い頃からバギーやダートバイク、オートバイの世界に夢中でした」と彼女は振り返る。「アメリカで修士号を取得するために留学していたときは、フォルクスワーゲンのキャンピングカーに乗って、何ヶ月もの間ドライブの旅に出かけました。温泉や滝を見に行ったり、スキューバダイビングをしたり。そこで自分を発見し、趣味であるダートバイクの講習を受け、二輪免許を取得したのです」

それは、彼女の大きな情熱の第一歩に過ぎなかった。「サウジアラビアに戻り、ここでダカール・ラリーが開催されていることを知り、サウジアラビア自動車・オートバイ連盟(SAMF)に電話して、競技ライセンスを発行してもらえないかと相談しました。私はプッシュし続け、ついにカリド・ビン・スルタン・アル・アブドッラー・アル・ファイサル皇太子からレースの準備ができていると直接電話を頂き、2019年のダカール・エクスペリエンスに参加し、1ステージを走りました」

ここまで来られたのは、家族の支えがあったからだと彼女は語る。「両親はいつも私をサポートしてくれています。私が競技をしている間、家族とは常に連絡を取り合っています」

来年1月に開催される2022年ダカールに・ラリーに向け、彼女はアラブニュースに、自分は冒険と自然が大好きで、このラリーはスピード、技術力、パワフルなエンジンなど、すべてを兼ね備えていると語った。

「2週間前にはドバイに滞在し、エンプティ・クォーターの砂丘地帯で4、5日間、サウス・レーシングのテストを行いました。また、サウジアラビアの砂漠でパーソナルトレーナーと一緒に、スーツとヘルメットを着用して、メンタル面を重視したスタミナ作りのトレーニングをしてきました」

レースに向けた体作りのために、彼女はビルの非常階段を全力で駆け上がった。「窓がなく、風もなく、どこまで続くのかもわからないので大変でした。もう足がもたないと思ったときに屋上に着いて、素晴らしい景色を見て最高の気分でした」

彼女は、昨年3月にイギリス東部の州で開催されたクロスカントリー・バハ・ワールドカップ・ツアーのT3クラスで優勝した。

彼女は、自分が夢を実現しているだけではなく、様々な障壁や困難を乗り越えていることに対しこう語る。「最初は人に何を言われるかわかりませんでした。でも今、私が受け取っているのは愛とサポートです」

「私が感動したのは、高校時代の恩師が突然連絡してきたことです。彼女は今まで誰にも話したことのないことを話してくれました。彼女はずっとラリーが好きで、新聞で追いかけていたそうです。彼女はラリーに出場することを夢見ていて、私がその夢を実現していることをとても喜んでくれたのです」

昨年8月、国際大会1回分の予算をかけ、ミニ・ダカールとして知られるクロスカントリーラリー「バハ・エスパーニャ・アラゴン」に、サウジアラビア人のコ・ドライバー、アリ・ミルザと共に、サウス・レーシング・ミドルイースト社のカンナム・マーベリックで参加し、2日間の熱戦を繰り広げた。サウジアラビアの女性ドライバーとして初めてヨーロッパの同レースに出場したアル・オバイダンは7位の成績を残した。

「バハ・エスパーニャ・アラゴンは、最も難しいレースでした」と彼女は語る。「全く新しい地形で、砂埃もひどく、コ・ドライバーの姿さえ見えなくなって何度か停車しました。大きな岩があり、水が飛び散り、フロントガラスもなく、一時は四輪駆動システムが動かなくなったこともありました。しかし、このスポーツを15年以上続けているライバルたちを相手に、私は本当に強い気持ちを持ちゴールしました」

「コ・ドライバーとの関係がすべてです。完走できるかどうかの55%はコ・ドライバーにかかっていると思っています。何時間も一緒に過ごすのですから、相乗効果が必要になります。私がなにか始める前にまずすること、それはコ・ドライバーに『あなたを信頼している』と伝えることです。彼らの決断がなんであれ、私はそれに従います」

また、サウジアラビアの社会に見られる変化について、彼女は次のように語る。「サウジアラビアの開国。そう感じています。まだまだ変えなければならないこと、作っていかなければいけないことはたくさんありますが、素晴らしい状況だと思います。私たちは道を切り開いています。私たちは、他の女性たち誰もが、私たちと同じく一歩踏み出せる、それを示すための道を進み続けます」

2022年にダカールを完走し、来年のバハ・レースに出場することを目標に、彼女はこう締めくくった。「私はもっともっとレースをしたいです。そうすることで、自分自身や自分の立ち位置を理解することができます。現段階ではT3クラスに集中していますが、今後はT1でレースをしていきたいと思っています。まだまだ学ぶことはたくさんありますが、この先の展開を考えるとワクワクしています」

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