アミン・アッバス
ステファン・ハウスドルフ氏は、東京で『イナズマイレブン』や『キャシャーン Sins』などのアニメシリーズに携わったイタリア人ゲーム・漫画アニメーターだ。
彼は香港のメトロ新聞で2年間毎日漫画を描いて評判を確立し、2015年にRomics(ローマの国際コミックフェスティバル)で最優秀自費出版コミックとして表彰された。現在、ハウスドルフ氏は『デジモンアドベンチャー』(2020年)や、『ONE PIECE』、『BORUTO』などに取り組んでいる。
アニメーターとしてのキャリアの確立について、ハウスドルフ氏は「日本にいた2008年か2009年にアニメの仕事を始めました。自分の漫画に活かせるよう絵の腕を上げたいと思い始めたのですが、とても楽しかったです」と話す。
「私が初めて携わったアニメは『キャシャーン Sins』で、1~2話分の原画(二原)を担当しました。今でも思い出せません。当時は、自分の担当するアニメがどれだけ重要なものかもわからず、ただ机に向かって、先輩が机に載せたものを引き受けていました。その後、『イナズマイレブン』や『鉄腕バーディーDECODE:02』も少し手がけました」
今後のプロジェクトについて、ハウスドルフ氏はアラブニュース・ジャパンに、昨年手がけた未発表のプロジェクトがあり、今年中にリリースされるかもしれないと話した。
アラブニュース・ジャパンの取材に対し、ハウスドルフ氏は人生の大半をマンガを読み、描くことに費やしてきたことについて語った。
「『ドラゴンボール』や80年代、90年代の鳥山明氏の漫画は、私にとって大きなインスピレーションです」と彼は続け、『ONE PIECE』を知った時には、そのスタイルに感銘を受けたと話した。
その情熱の裏で、ハウスドルフ氏はアニメ業界で働く上で、長時間労働や、週末に仕事をしなければならないことが多く、安定したワークライフバランスを保つことが難しいという問題に直面した。しかし、ハウスドルフ氏は、アニメーターという職業を志す人たちを応援している。
「アニメーターになる瞬間は素晴らしいものです。Youtubeや他のソーシャルネットワークにはチュートリアルがたくさんあり、フォローしてインスピレーションを得ることができます。しかし、アニメーターになるための最良の方法は、ショートアニメーションのような小さな個人プロジェクトを始め、楽しみながら学ぶことです。とにかく楽しんで、たくさんアニメを作り、競争ではなく上達を促してくれるような素敵なコミュニティに参加しましょう」と彼はアドバイスした。
日本訪問についてハウスドルフ氏は、東京に住んでいた1年半の間に、様々なフリーランスやマンガの仕事を引き受けたと話した。また、東京や大阪、京都、奈良、広島、新潟を訪れた。
「夏に一週間友人宅に滞在した新潟では、日本の伝統的な夏を体験し、とても楽しい時間を過ごしました。その週に、『サマーウォーズ』を観たのですが、まさに同じような感覚でした。私は日本の夏が大好きです」と語った。
ハウスドルフ氏はその言語にも魅力を感じており、職場や自宅で妻と日本語を話すこともある。