



アミン アッバス
ドバイ:鼓童(こどう)は、40年以上にわたって世界各地で和太鼓演奏を行っている、日本の有名な太鼓集団である。日本語の「鼓童」という言葉には、2つの意味が込められている。すべてのリズムの原点である「心臓の鼓動」という意味がひとつ。そして、別の読み方をすれば「太鼓を無心で叩く子供(童)」という意味である。
太鼓が中心であるが、笛や三味線といった日本の伝統楽器も登場し、踊りや唄も披露される。日本の伝統的なリズムをベースにした曲、現代の作曲家が鼓童のために作曲した曲、メンバー自身が作曲した曲などをレパートリーとしている。
1981年のベルリン芸術祭でのデビュー以来、これまでに約4000回の公演を行っている。これは、2021年3月にリリースされた、首長国の著名な作曲家イハブ・ダルウィッシュ氏プロデュースのバーチャル・コンサート『Hekayat: Symphonic Tales』への出演も含まれる。
アラブニュース・ジャパンの独占インタビューに応じた鼓童のメンバー、平田裕貴(ひらた ゆうき)氏は、この日本の太鼓集団がどのように設立されたかを話してくれた。
「鼓童は1981年にベルリンでデビューし、昨年、結成40周年を迎えました。この40年間で、5大陸52カ国で6500回以上の公演を行いました。そのうち4000回は「ひとつの地球」をテーマに、言葉や文化の壁を越えて、人間としての共通の絆を感じていただけるような公演を心がけています」
「佐渡は当初から私たちの故郷であり、世界へ向けて発信するためのプラットフォームでした。佐渡は、四季折々の自然に抱かれ、伝統的な生活様式と島固有の芸能が今もなお息づいている特別な場所です。この島は、私たちのインスピレーションの源泉であり、クリエイティブなライフスタイルを支える原動力です。私たちの目標は、人と自然界との調和を見つけることです」と、平田氏は付け加えた。
この日本の太鼓集団は『Hekayat: Symphonic Tales』に参加した。この公演は、首長国の作曲家イハブ・ダルウィッシュ氏プロデュースの、日本の音楽を含む世界各国のさまざまな音楽スタイルを取り入れたバーチャル・コンサートだ。
平田氏によると、ダルウィッシュ氏が鼓童に直接連絡を取り、アブダビ音楽祭の特別企画に参加するよう依頼したという。「今回はパンデミックの影響で直接参加することはできませんでしたが、オンラインで一緒に作品を作ることができて、とても嬉しく思っています」と説明した。
「私たちの音楽をアラビア半島の人たちと共有したいとずっと思っていたので、いつかアブダビで演奏したいと願っています。いつか近いうちに、UAEを訪れたいですね」と付け加えた。
ダルウィッシュ氏は、アラブ音楽が「リズミカル」であることからインスピレーションを受けたという。ダルウィッシュ氏と仕事をして以来、平田氏はアラブの文化や音楽をもっと勉強したいと思うようになったと語る。
平田氏は、鼓童で苦労した点の多くは、日本の要素を他の作品に取り入れることだったという。「イハブ氏の考えやニュアンスを尊重しつつ、鼓童らしさ、日本らしさを取り入れることが、私にとって最大のチャレンジでした」
「例えば、5曲目の『Ya Bahr』では、日本の祭りで演奏される『屋台囃子』のリズムやテクニックを使いました。10回曲目の『Galactic Hope』では、荒波を乗り越えるたくましい日本の漁師をイメージした音を取り入れました」と、平田氏はアラブニュース・ジャパンに語った。