
開催が延期されていた「表現の不自由展」が2日、東京都国立市の「くにたち市民芸術小ホール」で開かれた。多数の警察官が警戒に当たる中、反対派が抗議活動を行い、会場周辺は騒然となった。開催は5日まで。
昨年6月に別会場で開催予定だったが、抗議の街宣活動を受け、会場側が使用を拒否したことで延期されていた。記者会見した主催団体の共同代表岩崎貞明さん(58)は「開催できてうれしい。見る機会を強制的に奪うようなことがまかり通るような社会になってほしくない」と語った。
出品する作家は16組で、従軍慰安婦を象徴する少女像などを展示。期間中は観覧時間50分で入れ替える予約制とし、1日当たり約400人の来場を見込む。富山市から訪れたライター大室恵美さん(41)は「異なる意見を許さない社会になっていると感じる。展示作品に出会えて良かった」と話した。
名古屋市で昨年7月に開かれた同様の企画展は爆竹のようなものが郵送され、開催途中で会場が休館になった。大阪市では会場の使用許可が取り消されたが、裁判所は取り消しを認めず、同月に開催された。
時事通信