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サミール・チャマス氏:日本アニメのアラビア語声優

サミール・チャマス氏は、日本アニメのアラビア語吹き替え版で初めて声優を務めた人々の一人だ
サミール・チャマス氏は、日本アニメのアラビア語吹き替え版で初めて声優を務めた人々の一人だ
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10 Jul 2022 07:07:28 GMT9
10 Jul 2022 07:07:28 GMT9

アミン・アッバス

ドバイ:レバノン出身の俳優、ラジオプロデューサー、声優であるサミール・チャマス氏は、『まんが猿飛佐助』の服部半蔵、『宝島』のピューとパピーなど、古典的なアニメ番組におけるアラビア語吹き替え界で最も影響力のある声優の一人として知られている。

また、『スマーフ』シリーズのパパスマーフの声でも知られる。

アラブニュース・ジャパンの独占インタビューでチャマス氏は、70年代半ばに声優になったきっかけを明かした。「幼い頃、故郷の村の私たちの農場で動物の鳴き声を真似るのが好きでした。やがてこの情熱が高じて、『まんが猿飛佐助』、『宝島』、『アンデス少年ペペロの冒険』、『みつばちマーヤの冒険』、『スマーフ』など、多くのアニメや漫画のアラビア語吹き替えに参加しました」

チャマス氏は、日本アニメのアラビア語吹き替え版で初めて声優を務めた人々の一人だ。彼はこう語る。「私は70年代半ばに日本の古いアニメシリーズの声優を始めました。声優業への情熱と、こうした番組を通して子供たちの心に触れることへの情熱を持っており、とても幸せでワクワクしていました」

「アラビア語吹き替えを担当した最初のプロジェクトは、1970年代半ばの『みつばちマーヤの冒険』で、その後、『宝島』、『まんが猿飛佐助』、『アンデス少年ペペロの冒険』、『まんがはじめて物語』、『ミームいろいろ夢の旅』などが続きました」

「私は、才能が成長するにつれ、異なるパフォーマンスができるよう声の層を変えることができ、時間と練習で上達しました」と彼は付け加えた。

チャマス氏は、プロジェクトで直面した課題の1つは、当時は技術が進んでいなかったことだという。リールビデオとオーディオテープに同時に声を録音しなければならなかったと説明した。

「私や他の声優は皆、1つの部屋に座り、映画館のような大スクリーンと複数のマイクを使い、それぞれの役柄とシーンのタイミングに合わせて録音していました。もし誰かがミスをしたら、また最初から録音をやり直さなければなりません」と、チャマス氏はアラブニュース・ジャパンに話した。

「当時の最も大きな事実の1つは、私たちがレバノンの内戦中に日本のアニメシリーズの声優をしていたことです。その恐ろしい時代、様々な場所から録音スタジオに行かなくてはならず、暴力や破壊、攻撃されたり殺されたりする恐怖のなかで行っていました。しかし、私たちの義務としてこれらの番組の声を担当することへの情熱とコミットメントが、この先多くの世代に記憶されるような作品に仕上げることの重要性を感じさせてくれました」と説明した。

チャマス氏は、新しい技術によって録音作業が非常に簡単になり、時間と労力が大幅に節約されたと述べた。

また、中東のファンからの反応やフィードバックに誇りを感じていると語る。「あらゆる年齢の多くの人々に影響を与えたことを実感できました」

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