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サウジアラビアのハウラニ(Khawlani)コーヒーの古代生産手法を保護するための申請

ジャザンの農業者にとって、コーヒー作りは非常に尊敬すべき職業であり、地域全体に文化的アイデンティティと地位を提供している。 (モハメッド・アルバイジャン)
ジャザンの農業者にとって、コーヒー作りは非常に尊敬すべき職業であり、地域全体に文化的アイデンティティと地位を提供している。 (モハメッド・アルバイジャン)
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17 Jan 2020 02:01:29 GMT9
17 Jan 2020 02:01:29 GMT9
  • サウジアラビアは、ハウラニ(Khawlani)コーヒー栽培の伝統の保護をユネスコに求めている。
  • ジャザン地域の16州のうち6州でハウラニコーヒー豆の栽培が行われている。

Rebecca Anne Proctor and Mohammed Al-Kinani

ジャザン:サウジアラビアとイエメンの国境からわずか数キロのサウジアラビアの最南端は、岩だらけの山頂、緑のワディ、深い森、温泉、そして果てしない肥沃な土地に恵まれたジャザンの緑豊かな地域である。 またそこは、特産のハウラニ(Khawlani)コーヒー豆の生産地でもある。

コーヒー豆のアラビカ種は有名だが、多くの人はそれとサウジアラビアを連想しない。 コーヒーの実際の起源は議論の余地があるが、ハウラン・ビン・アミルを偉大な祖先とするハウラン(Khawlan)の古代部族は、ジャザンとイエメンの間の地で300年以上にわたってハウラニコーヒー豆を栽培するスキルと技術を培ってきた。 伝統は、実践的な訓練や観察を含む非公式な教育方法を通じて、世代から世代へと受け継がれてきた。

ジャザンの地域には16の州があり、そのうちの6州はハウラニコーヒー豆の栽培を行っている。 ここの農業者にとってコーヒー作りは、地域全体に文化的アイデンティティと地位を与える非常に尊敬すべき職業とされている。

今日、サウジ文化遺産保存協会は、ハウラニコーヒーの古代生産手法を保護するようユネスコに求めている。 このプロジェクトは、ジャザンの農業者らと共同で2019年に開始され、ハウラニコーヒー豆の栽培プロセスの文書化も含まれている。

2010年に設立された非政府組織であるサウジ遺産保護協会のプロジェクトマネージャー、リハフ・ガッサスは、次のように述べる。 「ジャザンの農業者の数は非常に多く、水や労働資源など、多くの問題と困難に直面しています。この(栽培法を)ユネスコに登録することにより、サウジアラビア全体で(ハウラニコーヒー豆栽培を)促進し、これらの農業者を支援するように国に働きかけたい。」

入札プロセス自体は時間が必要だ。 通常、現地訪問から理論研究まで、作業には約18か月かかる。

2019年3月31日、協会は申請書を完成させ、ユネスコに提出した。 彼らは2020年11月までに判定が出ることを願っている。

「私たちは非常に楽観的です」とガッサスは付け加えた。 「農業者ら自身がコーヒー豆栽培に非常に力を入れているため、彼らのコミュニティ自体が最大の支持者です。彼らにとって、この豊かな文化と遺産を持っていることを世界に示すことは非常に重要です。」

ハウラニコーヒー豆は、サウジアラビアの最高の秘宝の1つと言えるかもしれない。世界で最も素晴らしいコーヒー豆種の一つとされており、サウジアラビアはコーヒーの最大消費国のうちの一国となっている。

コーヒー豆はいろいろな意味で国の宝であり、サウジアラビアの遺産と文化的アイデンティティの保存に不可欠だ。 「ジェザンの緑色の黄金と言われています」とガッサスは語る。 「しかし、サウジアラビア人の間では、ジャザン地域が世界最大のコーヒー生産地のひとつであるという知識が不足しています。」

2017年、内務省は724人の農業者が栽培した76,390本以上のハウラニコーヒーの木について言及した。1本の木あたりの平均豆生産量は4キログラムであり、227,156キログラムのコーヒーが生産された。 「木はエチオピアからイエメンに、そしておそらくイエメンからこの地方の山々に運ばれたと考えられている」と、アル・デア副知事のヤヒア・モハメッド・アル・マリキは話す。

「これまで、人々は主にコーヒー豆を植えることによって苦しい時期に生計を立ててきた。 今日、状況は変わった。 人々は投資を求めてこの地域にやってくるようになった。」

ハウラニコーヒーの栽培プロセスは骨が折れる。木の種を植え、その後2〜3年後に生り始める実を収穫し、木を剪定し、実を収集し、それらを家の屋上に移して涼しい日陰のエリアの脱水ベッドに置いて乾燥させる必要がある。

そこで実が黒くなるまで手でかき混ぜる。 その後皮をむき、ローストし、挽く。 豆の収穫には注意と配慮が欠かせない。 赤い色は実が摘み取りに適した時期であることを示す。次のシーズンにも実るように、ねじる動作を用いた摘み取り方法で枝が損傷しないようにする必要がある。

「実を持って、少しひねりながら木から摘み取ります。」アラブ首長国連邦のコーヒー・ロースティング大会で最近優勝した地元のコーヒーブランドMefrazのオーナーであるフセイン・アル・マリキは話す。 自社のコーヒーを近い将来国際的に流通させたいと考えている。

ハウラニコーヒーの重要性は、その栽培のみにとどまらない。 コーヒーの製法には、家族の絆と遺産、そして地元の土地に対する敬意が含まれている。 アル・デールの70歳の農業者であるモハメッド・サルマンは、生まれた時からコーヒー豆を栽培している。 「コーヒーを栽培する方法は、先祖から受け継いだ父から学びました」と話す。 「父は毎朝起きて、祈りを捧げ、朝食をとり、農場に出かけます。」

「私は農場に滞在し、木に水をやり、土をきれいにし、太陽が沈むまでここにいる2人の労働者を助け、そして帰宅します」と彼は続ける。 週末にはサルマンの2人の息子が加わり、コーヒー栽培は家族のアクティビティとなる。 「私は彼らにコーヒーの木の世話をする方法や、熟した実の選び方さえ教えます。」

ハウラニコーヒーの真髄には寛大さの美がある。 サウジアラビアでは小さなカップに注いだコーヒーをゲストに出すことは伝統的な習慣であり、古くから行われている。 ハウランのコミュニティにとって非常に大事なのは、彼らの農場で収穫された豆を使用したコーヒーを客に提供することだ。 それは名誉と尊敬のしるしである。ユネスコ保護が目前となった今、ハウランの農業者が黄金の杯を世界に提供する日は遠くない。

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