
アミン・アッバス
ドバイ:1990年代のアニメシリーズ「ちびまる子ちゃん」アラビア語吹替版の新シーズンがUAEの「マジッド・キッズTV」で放送開始された。
多くの人の子供時代を形作るうえで大きな役割を果たしたこのシリーズのリバイバルのために、声優たちが26年ぶりに戻ってきた。
新「ちびまる子ちゃん」アラビア語版のプロデューサーで「Qtoonプロダクション・アンド・ディストリビューション」のクリエイターであるファハド・アル・ゼヤラ氏は、アラブニュース・ジャパンの独占取材に応え、アラビア語吹替版の新シーズンの着想の裏話について語ってくれた。
「このアイディアの元になったのは、私の夢、そしてアラビア語吹替版の最初のシーズンを見ていた皆さんの夢、すなわち(最初のバージョンの)26年前には吹替が付けられていなかった残りのエピソードの吹替が揃うことです。このシリーズには、子供のキャラクター(まる子)を通して私たちの子供時代にリアルに触れる感覚があるのです。この子の喧嘩っ早い態度や無邪気な考え、素朴な家族環境は、私たち自身の子供時代を思い出させてくれます」
エピソードの吹替作業を行う中で直面した困難についてもいくつか語ってくれた。
「最大の困難だったかもしれないのは、2020年2月にヨルダンで吹替プロセスが始まった時はちょうど新型コロナパンデミックが始まった頃で、その後世界中の街や都市がロックダウンになり、ヨルダンもそうなって、吹替プロセスや計画に沿って完成させていく作業が混乱したことです」
エピソードの吹替に取り組む中で経験した非常に印象的な瞬間についての話もいくつか語られた。
まる子の声を担当した声優のイマン・ヘイルさんが次のように言ったことが、シリーズを作っていく中での忘れられない瞬間になったという。
「大げさに喧嘩したり泣いたり歌ったりするシーンでは、声優は感情移入が高まって、自分自身を現実から切り離してちびまる子の世界を生きるようになります。シーンが終わると自分で笑ってしまう時もあるほどです」
「ちびまる子ちゃん」の吹替がQtoonプロダクション・アンド・ディストリビューションの最後の吹替ではないことは確かだとゼヤラ氏は言う。
「ここで立ち止まることなく、他のプロジェクトの取り組みを続け、アラブ世界のファンの皆様の提案も考慮に入れていきたいと思います」