




ラワン・ラドワン
リヤド:何世紀も前から、芸術など様々な形のメディアを通した文化表現は、自国の国境の向こうにある文明について考えを広め人々を教育するための手段として機能してきた。時とともに、これらの表現は友好国を結びつけ協力を促すための外交手段となった。
同様の協力と友愛の精神において、サウジメディア省と中国中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ)は今週、アラブ世界と中国の関係を促進するための共同イニシアティブの立ち上げを発表した。
ちょうど中国の習近平国家主席による公式訪問と重なる形での発表となった。
5日に開催された「アラブ・中国メディア協力フォーラム」で発表された3つのプロジェクトのうちの1つは、サウジ放送機構と中国中央広播電視総台による共同テレビシリーズ「心と心、手と手(Heart-to-Heart and Hand-in-Hand)」だ。
いくつかのエピソードで構成されているこのシリーズはサウジアラビアと中国の市民の物語で、文化的・社会的統合に焦点を当てながら彼らの成功や困難を紹介するものだ。
フォーラムでは、文学的・芸術的・社会的コンテンツの交流を促進するためにアラブ世界と中国で相互の映像作品を放送するイニシアティブも発表された。
フォーラムで発表されたもう一つのイニシアティブは「アラブメディアと中国メディアの協力強化」を目的とするもので、信頼できるニュースの発信に重点を置いた技術的専門知識の交換や、著名な専門家の相互訪問などが含まれる。
アラブ諸国放送連合会長でサウジ放送機構CEOのムハンマド・ファハド・アル・ハルティ氏はフォーラムで、「サウジと中国の関係は古くから確立された強いものだ。
また、両国は共に繁栄と拡大を目の当たりにしている」と述べた。
サウジアラビアのマージド・アル・カサビー商業相兼メディア相代理もフォーラムで、アラブ諸国は中国を信頼できるパートナーと見ており、文化交流の強化を期待していると述べた。
近年、国際関係の改善に役立つソフトパワーの影響力が広く認識されており、ニュース・エンターテインメントメディアに対する国家的投資や教育イニシアティブなどが実際に構想されている。
ここ数年、中国とアラブ世界の間の異文化理解を促進するための取り組みが行われている。
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下は2019年の中国訪問の際、サウジアラビアの学校・大学のカリキュラムに中国語を取り入れることに合意した。
現在、約2万人のアラブ人学生が中国で学んでいる。
また、サウジアラビアのいくつかの学校では中国語や中国の文化を教えている。
中国移動国際(チャイナ・モバイル・インターナショナル)は11月、サウジ放送機構、サウジ・クラウドコンピューティング・カンパニー、ホエールクラウドとの間で、デジタルメディアエコシステム構築における戦略的パートナーシップを結ぶための了解覚書に署名した。
中国国際電視台(チャイナ・グローバルTVネットワーク)によると、全関係者が協力してサウジ放送機構にスマートデジタルメディアソリューションやクラウドサービスを提供する。
これは、絶え間なく変化しているサウジアラビアのメディア状況に新たな一章を開くものだ。
同国でラジオとテレビが放送開始して最初の数十年は、放送されるエンターテイメント番組の大多数は主にエジプトやシリアなどの国外から入手されたものだった。
時とともに、「テレノベラ」と呼ばれるメキシコの連続メロドラマから、日本のアトラクション番組「風雲!たけし城」に至るまで、様々な番組が放送されるようになっていった。
その後、アラビア語吹替のトルコや韓国の番組にまで拡大し、サウジアラビア国内および中東・北アフリカ地域で放送されるようになった。
ネットフリックスやアマゾンプライムビデオなどのオンラインストリーミングサービスの時代になると、視聴できる国際コンテンツの選択肢はかつてなく広がった。
サウジアラビアもこの競争に参入し頭角を現しつつある。急成長している同国の映画・テレビ産業は、はるばる欧州や極東の映画・テレビ・スマホのスクリーンにまでアラブ世界独自の文化を輸出している。
世界最大の成長市場の一つである中国にもだ。