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「カルロス・ゴーンは私を裏切った」 元日産会長の逃亡を手助けした米国人男性が語る

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30 Sep 2023 03:09:55 GMT9
30 Sep 2023 03:09:55 GMT9
  • 息子とともに日本に収監された元兵士マイケル・テイラー氏は、トランプ政権もまた彼らを見捨てたと主張した。
  • テイラー氏は、有利な防衛契約への考慮が優先され、自分たちは裏切られたと主張。

レイ・ハナニア

シカゴ:詐欺罪で起訴されたカルロス·ゴーン前日産自動車会長による、日本からの大胆な脱出劇を計画·実行した米国陸軍「グリーンベレー」の元隊員マイケル·テイラー氏は、同依頼人から「裏切られた」と語っている。

テイラー氏と、ゴーン氏のために検索エンジン最適化のコンサルタントをしていた息子のピーター氏は、ゴーン氏が2019年12月に大型楽器ケースに隠れて東京からイスタンブールを経由してレバノンに逃亡するのを手助けした罪で起訴され、有罪判決を受けた。

テイラー氏は、9月27日水曜日、米アラブ·ラジオネットワークが主催し、アラブニュースが後援する「レイ·ハナニア·ラジオショー」に出演した際に、これらの発言を行った。

テイラー氏は2年間、ピーター氏は18カ月間服役した。彼らは、収監状況が「拷問」に相当したと主張している。

テイラー氏は、ゴーン氏が日本の刑務所に収監されていた間、彼と息子に連絡を取ったことはなかったと主張した。また、米国政府とドナルド·トランプ元大統領にも裏切られたと感じていると付け加えた。

ゴーンが約束を果たしたかどうかという質問に対して、テイラー氏はこう答えた。「私たちは間違いなく裏切られた。哀れな息子のピーターは、作戦自体とは何の関係もなかった。私がカルロス·ゴーンを日本から連れ出したとき、息子は国内にさえいなかった。彼が以前たまたま日本にいたのは、カルロスのために検索エンジン最適化(SEO)の仕事をしており、彼についての良い記事を検索結果の上位に上げ、悪い記事を検索結果から排除していたからだ。だから、私たちは、間違いなく裏切られた」

「しかし、私たちはまた、トランプ政権、ドナルド·トランプ元大統領と元国務長官マイク·ポンペオにも裏切られたのだ。これは犯罪ではなかった。しかし、ビジネスや主要な防衛関連企業が絡んでくると、人々は都合の良いストーリを作り始める。犯人を作り出し、司法長官に通常よりも積極的に動くよう働きかけ、国務省には日本に媚びさせる。すべてのロビイストが関与してくるんだ」

「そして、政治家たちは誰ひとりとして立ち上がらない。何もしたがらない。この州の上院議員、エリザベス·ウォーレンやエド·マーキーのように。彼らは関与したがらなかった。興味深いのは、日本人はワシントンのロビイストたちに年間1億3800万ドルを費やしているということだ」

現在ベイルートに住むゴーン氏は、2018年、日本において所得の過少申告やその他の企業犯罪の容疑で逮捕されたが、本人は容疑を否定している。レバノン当局は自国民の身柄引き渡しを拒否し、代わりに9月初旬に始まった現地裁判を選択している。

しかし、テイラー氏によると、億万長者であるゴーンが4年近くベイルートで自由を謳歌している間、同氏が彼の援助に感謝の意を示したり、投獄に同情したり、増え続ける法的債務を援助したりするために彼に連絡することは一度もなかったという。

テイラー氏は、裁判中や収監中にゴーン氏が彼らに連絡を取ったかどうかを尋ねられた際にアラブニュースにこう語った。「いや、ピーターにも連絡はなかった。ピーターはレバノンも行ったが、連絡は受けなかったのだ。グレッグ·ケリーは連絡をくれて、私たちの精神的、身体的な状態を確認してくれた。本当に親切なことであり、彼がどんな紳士であるかがわかる」

グレッグ·ケリー氏は日産の元幹部であり、2022年にゴーン氏が日本の金融商品取引法に違反するのを手助けしたとして有罪判決を受け、懲役6カ月、執行猶予3年の判決を受けた。

テイラー氏は、ゴーン氏が彼のサービスに対する未公表の金銭合意の条件を守り、おそらくは100万ドル以上の未払いの弁護士費用をまかなうことをまだ期待していると述べた。

しかし、テイラー氏は、MGMに自分の物語の権利を売却したと述べた。MGMは、俳優サム·ロックウェルがテイラー氏を、ハビエル·バルデムがゴーン氏を演じる映画の制作を準備している。映画の成功次第で、彼が映画から収入を得られるかどうかが決まるだろうと、彼は述べた。ロックウェルとバルデムは、どちらも別の映画でアカデミー助演男優賞を受賞している。バルデムは2008年の映画『ノーカントリー』、ロックウェルは2017年の映画『スリー·ビルボード』で受賞している。

「今、一定の金額を受け取る契約は結ばれているが、それまでの期間が長すぎる。私は弁護士費用として84万2000ドルを負担している。これは私が自分で費やした部分のみの金額だ。それをまだ取り戻せていない。私の最大の優先事項はそれを取り戻すことだ」とテイラー氏は述べた。

「そう、私はいくらかの報酬を得た。しかし、私にはまだ合計で100万ドル以上の弁護士費用が残っている」

テイラー氏は、ゴーン氏が彼に支払うことに同意した金額の詳細を明らかにすることを拒否した。「すべてを詳細には話したくない。ただ、もし私がレイや、弁護士のウィリアム·クレアリー博士を救ったとしたら、そして事前に弁護士費用を支払うという合意があったとしたら、あなたはそれらを支払う責任を感じないだろうか?」

ゴーン氏は、Apple TV+の4部構成のドキュメンタリーシリーズを「興味深い」と評したが、同時に「全体像」を伝えられなかったことは「残念だ」と述べていた。これについてテイラー氏は、特にこのドキュメンタリー内のインタビューで、ゴーン氏が自分自身を「被害者」として表現し、テイラー親子の運命については触れていないことに不満を示した。

「カルロスは私たちと比べてほとんど服役していない。私の息子ピーターは独房で13カ月半、私は17カ月服役した。6カ月半の間、シャワーを浴びるのは2回だけだった。24時間365日電気がついた部屋で座らされた。何もない。助けもない。本当に何もない。冬には暖房もなく、手足には凍傷を負う。夏には、熱中症になり、引きずり出される者が絶えない」

「国連は、連続15日以上の独房監禁を拷問とみなすと宣言している。17カ月は15日よりずっと長い。これは間違いなく拷問だ。コミュニケーションもほとんど許されない。月に4通しか手紙を書くことが許されない」

テイラー氏は、ゴーン氏が自分に対して破った約束を果たしてくれることにまだ希望を抱いていることを認めたが、その一方で、深い感情を抑えているように見えた。

ゴーン氏の裏切りの疑惑に対してもっと厳しい批判を控えているのかどうか尋ねられたとき、テイラー氏はこう語った。「レイ、人生には多くの奇妙な紆余曲折があり、近い将来何が起こるか分からない。そうとしか答えられない質問のひとつだ」

 

もしゴーン氏がレバノン国外で何らかの形で起訴されることになった場合、彼の弁護のために証言するかどうか尋ねられたテイラー氏は、「あなたならゴーンの弁護のために証言するだろうか?」と答えた。

「彼の弁護をすることはないだろう。彼自身の言葉を思い出してほしい、彼は被害者なのだ。他の誰でもない。彼が被害者なのだ。彼のみが被害者だと言ったのだ」と、テイラーは強調した。

テイラー氏は、友人たちから紹介されたことでゴーン氏と知り合ったと述べている。友人たちは、裕福で注目度の高い日産の元CEOであるゴーン氏を助けるようにテイラー氏に提案した。テイラー氏の義理の姉は、ゴーン氏の又従姉妹(またいとこ)であるとも述べている。

このラジオ番組にはまた、テイラー氏の刑務所における虐待の主張を支持し、テイラー氏は冤罪で起訴されたと主張するために、ウィリアム·クリアリー博士も出演した。彼は日本で30年以上弁護士をしているアメリカ人で、テイラー親子は犯罪を犯していないと連邦検察官を説得しようとしたが、失敗に終わった。

米アラブ·ラジオ·ネットワーク「レイ·ハナニア·ラジオショー」は毎週水曜日に放送。デトロイトではWNZK(AM 690)、ワシントンD.CではWDMV(AM 700)。

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