• 会議は「知識移転 - 共通の遺産」と題し、3日間にわたり開催された。
• 会議にはノーベル賞受賞者18名と32か国の思想、社会、政治のリーダーたちが参加した。

アラブ・ニュース

アル・ウラー（サウジアラビア）発：サウジアラビア北西部のアル・ウラー（AlUla）で開かれていたヘグラ・ノーベル賞受賞者会議2020が土曜日、閉幕した。会議は3日間にわたり、平和、経済、文学、物理学、化学、生理学、医学部門のノーベル賞受賞者18人が集まった。

受賞者以外にも、32か国から社会、政治のリーダーたちが会議に加わり、人類と世界の状態を改善する解決策について議論、提唱した。

会議の主催者は、サウジアラビア文化大臣と王室審議会会長を兼務するバドル・ビン・アブドラ・ビン・ファルハン王子が務めた。王子は開幕のスピーチで

「歴史を通して、アル・ウラーは文化の発信地であり、多くの異なる文明が交差する場所だった。ここにはあらゆる宗教、文化、イデオロギーの人々が集まって意見を交わし、知識を与えあい、交易した。今日、私たちは先人たちを特徴づけた情熱と同じ気持ちに駆られ、同じ場所で一堂に会している」と述べ、

「これは、人類に刺激を与え、新しいものを創造する力を持つ人々、地球規模の問題と紛争の解決策を提供し、平和と繁栄を提唱し、あらゆるレベルで人間性と持続可能性の発展に貢献する人々の役割について私たちが持つ深い信念の表れだ。この会議がノーベル賞受賞者たちに独自のプラットフォームを与え、アル・ウラーが歴史的にグローバルな文化交流で果たしてきた役割が復興されんことを」と付け加えた。

このヘグラ会議の主眼は、今後の教育、健康、農業、経済の課題に対し明確な解決策の発展を模索することにあった。

さまざまな議論の果てに、世界の負債に関する世界会議の開催、国の枠を超えたエイズ研究成果のプール、中東科学基金（MESF）創設が必要などの結論と勧告が出された。

これまでの同会議での中心議題は多岐にわたり、テロとの戦いにおける教育の役割、核の拡散防止、貧困、経済的エンパワーメント、文化、グローバル化が世界中の社会に与える影響などの複雑な問題が取り上げられてきた。

今年のテーマは「伝達：遺産の共有」。さまざまなアイデアの伝達がどれほど根本的な人類の原則であるかが細かく検討された。

2020年のヘグラ・ノーベル賞受賞者会議の開催地として、ユネスコ世界遺産であるアル・ウラーは、持続可能なモデルと環境にやさしい哲学に従い、新しい産業の発展、女性と若者のエンパワーメントに取り組んでいる。

「私たちはここアル・ウラーですさまじい多様性と文化、人類の豊かさを目の当たりにし、人類の成果の継承こそが平和や教育などの主要な触媒となるとの思いを新たにしている。私たちは歴史の多様な側面を認識し、成果の継承が平和的話し合いや極めて多様なアイデアの創出において役割を果たす仕組みを大事にする必要がある」とユネスコのオードレ・アズレ事務局長は述べた。

RCUのCEO、アムル・アルマダニ氏は次のように述べた。「アル・ウラーは……何千年もの間さまざまなアイデアとイノベーションについて話し合う場として機能してきた。

「伝達という会議のテーマに沿って、アル・ウラーの文化的状況を積極的に改革し、自然と人類の業が結びついている。今日、私たちはいにしえからの伝統を持つ地に立つ現代的な会場に世界で最も偉大な思想家の一部を結集した。その狙いは新たな発見、知的表現を生み、過去と未来の架け橋となる文化交流を促すことにある」とも述べた。

この会議のキュレーターを務めたリチャード・アティアス・アンド・アソシエーツ会長、リチャード・アティアス氏は次のように述べた。「人類の状態を改善するには、私たちの歴史と文化を理解、評価し、新しい世代と持続可能な形で共有することが重要だ。

「世界中の政治的、経済的、文化的、健康的、社会的危機がもたらした現今の不確実な時代に、1000年の歴史を持つ場所でこの会議を開催することで、人類とヒューマニズムのルーツに立ち戻ることができるだろう」