• 和平構想がきっかけとなり、イスラエルの民族主義者によるヨルダン川西岸の併合を求める声が勢いを増し、この地域における新たな緊張が発生している。

エルサレム：

トランプ政権が待望の中東構想を発表してから1週間後の木曜日、イスラエルとパレスチナの間で暴力事件が急増し、攻撃と衝突が相次ぎ、少なくとも3人のパレスチナ人が死亡し、12人のイスラエル軍兵士が負傷した。

新たな火種が起きたことで、アメリカの中東構想はさらに不安定な状況に置かれ、過去の致命的な暴力が再び繰り返されるのではないかという懸念が生じている。この構想はイスラエル側にかなり有利な内容で、パレスチナ側からは完全に拒絶されていたため、実現の見込はかなり薄いと見られていた。この構想がきっかけとなり、イスラエルの民族主義者によるヨルダン川西岸の併合を求める声が勢いを増し、この地域における新たな緊張が発生している。

数か月ぶりに最大規模の暴動が勃発し、民族主義者たちの声はさらに激しく高まった。

木曜日の早朝、パレスチナ人がイスラエル兵士の一団に自らの車を突っ込ませて12人を負傷させると、現場から逃走したとイスラエル軍は発表している。パレスチナの病院関係者によると、西岸地区ではイスラエル軍との衝突でパレスチナ人2人が死亡したという。

その後、イスラエル警察はエルサレム旧市街の部隊に発砲したパレスチナ人を射殺し、警察官は軽傷を負ったと発表した。

イスラエル軍の広報官Jonathan Conricus中佐は、エルサレムで負傷した12人の兵士のうちの1人は重傷で、他の1人は軽傷を負ったと述べている。イスラエル警察のミッキー・ローゼンフェルド広報官は、今回の事件を「テロ攻撃」として扱い、イスラエル軍は加害者を捜索中であるという発表を行った。

パレスチナの病院関係者によると、西岸地区の都市ジェニンでの衝突で19歳の男性が死亡し、6人が負傷している。同じくジェニンで起きた別の事件では、パレスチナ治安部隊の隊員がイスラエル軍に撃たれ死亡した。水曜日には西岸地区の別の場所で起きたデモ隊との衝突の最中、イスラエル軍が17歳のパレスチナ人を射殺した出来事があり、この暴力事件はそのわずか数時間後に発生した。

AP