
Deema Al-Khudair
ジッダ:モハメド・ホージャ手がける、サウジアラビア拠点のHindammeは新しく『アルウラ』コレクションを発表し、東洋と西洋の融合という路線を追求し続けている。
今回のコレクションは、ナバテア文明に属する、古代の砂漠の王国を現代風に解釈したものである。
コレクションは全23着で、これまでのHindammeのコレクションの中で最大のものである。シルクのベルベットや金色のプリーツ、グレコ・ローマン様式の刺繍は現代的でありながら、時代を超越したデザインである。
「フォーマルでありながら、同時にウェアラブルだと思います。ハイエンドのフォーマルウェアとストリートファッションの融合です」とホージャはアラブニュースに語った。
彼はアルウラの生活環境の自然な色味に着想を得たと言う。
「職人的なアプローチを採用したので、使用している素材にも同じテーマが反映されています。配色にはアルウラの自然な色味を取り入れました。青や緑、また当然のことながら、赤岩を反映した砂やテラコッタの風合いがある色を多く使用しています」
「建築からも多大なインスピレーションを受けました。たくさんの階段を分解し、面白いプリント柄を構成するように再適用したのです」
ホージャは、サウジアラビア人として、また1人のデザイナーとして、今回のコレクションが自身にとって特別なものであると語った。
「サウジアラビア人は今、自分たちの歴史を再発見し評価するフェーズにあります。歴史をよく考え、ファッションやその他クリエイティブな形で、私たちの美学を定義することはとても大事なことだと思います」
彼はこう付け加えた。「私は周囲の物すべて、特に環境や文化、歴史などを吸収するたちなのです」
ホージャはナバテア文明特有の、特殊なテキスタイルを既製服のコレクションに多く使用した。
「ナバテア文字の入った手織りのタペストリーをたくさん使いました。リフヤーン(訳注:リヒヤーンとも)よりもナバテア文明に焦点を当てました。マダイン・サーレハの元々の建設者はナバテア人たちですから」
「マダイン・サーレハは賛辞を送るべき歴史の重要な一部だと思いましたし、ただの衣服以上の意味を持つものを作りあげたかったのです」と彼は言う。
このサウジアラビア人デザイナーは、コレクションを通して歴史の学びを与えたかったのだ。「『ファッションと歴史の融合』という感じのコレクションだと思いたいですね。私はナバテア人に魅了されていて、東洋と西洋の融合の素晴らしいお手本だと思っています。強大なローマ帝国の一部だった彼らは、ローマ人に影響を与え、またローマから影響を受けました。地形的にも交易に非常に重要な地域にあったため、私たちが誇るこの土地には重要な文明が数多く生まれました」
Hindammeはタントラの冬フェスティバルと組み、2019年の初頭から今回のコレクションに取り組んできた。
「コンセプトのデザインやイラストを描き始め、デザインの仕上げに取りかかった時に、タントラの冬フェスティバルにアプローチをして、コレクションでのコラボレーションを打診しました」
「彼らは大変協力的です。アルウラに存在した文明の研究に人生を捧げてきた歴史家や教授たちと私を引き合わせてくれました」
ホージャにとっては、自身のコレクションにアルウラのイメージを正確に投影することが重要だった。
「その文明を参考にできているか、文明から着想を得ているか、美的かつ文明に敬意を表しているものであるか確認することができました。文化的な正確性があることは不可欠でした」
彼のコレクションは3月7日まで開催されるタントラの冬フェスティバルにて展示される。