
東京: サイボーグの身体の一部が路上のレンタル自転車のように自由に利用できるようになったら、社会はどうなるだろう。 東京大学の稲見昌彦教授が研究総括を担うチームは、装着可能型ロボットアームを作成することでその解明を試みた。
稲見氏のチームは、「自在」という日本語の用語に基づいた一連の技術を開発している。同氏によると、この用語は自律性と好きなように行動する自由を大まかに意味するという。
その目的は、「まるで楽器が身体の一部であるかのように、人間とモノの間にある」音楽家と楽器の関係のようなものを発展させることである。
稲見氏は、日本の伝統的な人形劇と、若い女性の腕を借りて一夜を過ごす男性を描いた小説家・川端康成の準ホラー短編小説『片腕』からインスピレーションを受けたと語る。
稲見氏は「決して人間のライバルではなく、自転車や電動自転車のように、我々の自由を手助けしてくれるものです。我々をサポートし、創造性を解き放つことができる」と語った。
「自在肢(JIZAI ARMS)」のプロモーション動画では、2人のバレエダンサーの身体側部から自在肢が伸び、音楽に合わせて優雅に舞い、機械が人間に呼応し、滑らかでしなやかに動く様子が映されている。 動画の最後では自在肢とともに2人のダンサーが抱擁するシーンが確認できる。
稲見氏は、「しばらく使用した後に脱着するのが少し寂しい気がする。そこが他のモノと少し違うところである」と述べ、着用者の中には、しばらくすると腕に愛着が湧く者もいると語った 。
しかし、小説家の空想を現実にするだけではなく、例えば捜索救助活動に協力するなど、可能性があると付け加えた。
また、「将来、人間の背中から翼が生えたり、ドローンが人間に取り付けられたりするかもしれない。もしかしたら、誰かが腕を6本必要とするスポーツや新しい種類の水泳を考案したりするかもしれない」と語った。