
「やっぱり、うなぎ」。土用の丑(うし)の日を迎えた30日、東京都内のうなぎ料理店では、続々とうなぎが焼き上げられた。猛暑続きの今年は、丑の日を待たず連日盛況。夏バテ防止に効くとされるうなぎを食べて暑さを乗り切ろうと、多くの人が列を作った。
1960年代から続く老舗「鰻家(うなぎや)」(東京都豊島区)。持ち帰り用も販売するため、スタッフ総出でこの日に臨んだ。焼き場では、キャリア70年を超す遠藤勲さんがうなぎのかば焼きを次々と焼き上げていた。仕入れ価格や光熱費の高騰で台所事情は苦しいが、一番手頃な価格の「蒲焼(梅)」は3000円に据え置いた。
開店直後に訪れた団体職員の60代男性は「うな重弁当」を購入。「毎年買いに来ている。丑の日は、やっぱりうなぎだ」と顔をほころばせた。
「八ツ目や にしむら 目黒店」(東京都目黒区)は、大きいサイズのかば焼きを2700円から3000円に値上げしたが、前週から客足が途絶えない。丑の日当日は「猛暑の中で並ぶお客さんの体調が心配」(松本清店長)と、仕込みを始める時間を早め、素早くかば焼きを提供できるようにした。
時事通信