
リヤド:UAEは2023年、主に非石油部門に牽引されて3%の経済成長を達成すると、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のレポートは予想している。
S&Pの分析では、来年の成長率はさらに高い4%になると予測されている。
S&Pは、UAEの観光産業の見通しに関して強気であり、その成長の要因は大きなイベントや行事の開催成功にあるとしている。
エミレーツ通信(WAM)の報道によると、S&Pのソブリン格付けアナリストであるトレバー・カリナン氏は、UAEの非石油部門の目覚ましい成長を、サービスや工業分野での大きな進歩に言及しつつ指摘した。
また、UAEの経済成長を導いている主要部門として、石油・天然ガス、卸売、工業に加え、不動産、建設、金融サービスを挙げた。
同氏は、国外居住者や観光客の流入、投資家や消費者の前向きな心理、民間部門の発展といった要因が重要な役割を果たすことで、非石油部門の勢いが持続すると予想している。
これらの予測は、政府機関と民間部門の協力的な取り組みを通して貿易を促進することでGDPへの観光部門の寄与度を高めることを目的とした国家戦略「We Are the UAE 2031」ビジョンに沿ったものであると、WAMは伝えている。
S&Pの企業格付けアナリストであるタチアナ・リスコバ氏は、UAEの旅行・ホスピタリティ産業が経済成長の主要な原動力であるとして、ドバイが2022年に前年比2倍の1470万人の外国人観光客の誘致を達成したことに言及している。
また、国連気候変動枠組条約(COP28)のような注目度の高いイベントや、2030年までに4000万人の観光客を受け入れ、ホテルの客室数を25万室まで増やすというUAEの野心的な目標に向けた大きな一歩に支えられ、この部門の成長は続く予想している。
さらに、アブダビとドバイはビジネスや観光客を誘致するリーダーとしての地位を維持するだろうと指摘している。
一方、ラス・アル・カイマやシャルジャといった他の首長国も、観光サービスの多様化で大きく前進しており、全体的な魅力を高めている。
S&Pの金融機関格付けアナリストでイスラム金融グローバル責任者のモハメド・ダマク氏は、UAEの銀行部門の好調は続くと予測している。
コロナ前の水準を上回る収益性の改善や金利上昇の恩恵の兆しが見えているうえ、UAEの銀行は技術的進歩を活用する用意もできている。