
三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行5グループの2023年9月中間連結決算が14日、出そろった。純利益の合計は前年同期比56.3%増の1兆9960億円だった。三菱UFJ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの3メガバンクグループはいずれも増益。国内外での堅調な資金需要に加え、円安や米国の金利上昇を受けた貸し出しの利ざや改善などにより、各社とも本業が好調に推移した。
三菱UFJは純利益が約4倍となる9272億円。前年同期に米子会社売却に伴う多額の評価損を計上した反動や、持ち分法適用会社の米モルガン・スタンレー証券の決算期変更で9カ月分の損益を取り込んだことから、中間決算として過去最高益を更新した。みずほフィナンシャルグループは24.4%増の4157億円、三井住友フィナンシャルグループは0.2%増の5264億円だった。
一方、三井住友トラスト・ホールディングスは株価下落リスクに備えて保有している投資信託の売却損を計上し、57.6%減。りそなホールディングスは0.2%減だった。
本業のもうけを示す実質業務純益は5社合計で15.8%増の1兆7754億円。三菱UFJの亀沢宏規社長は14日の記者会見で「一時的要因を除いても業務純益が大幅に伸びた。顧客部門が好調で、着実に稼ぐ力が上がっている」と語った。
◇大手銀行5グループの9月中間連結決算
純利益 実質業務純益
三菱UFJ 9,272 7,625
( 4.0倍) ( 46.5)
三井住友 5,264 4,138
( 0.2) (▲14.6)
みずほ 4,157 3,524
( 24.4) ( 7.8)
三井住友トラスト 440 1,521
(▲57.6) ( 20.6)
りそな 825 943
(▲ 0.2) ( 26.3)
合計 19,960 17,754
( 56.3) ( 15.8)
(注)単位億円。億未満切り捨てのため、合計は単純合算とは一致しない。実質業務純益は単体または傘下銀行合算。カッコ内は前年同期比増減率、▲はマイナス
時事通信