
ロンドン:ロンドンで20日、アラブ・英国商工会議所が主催する第3回アラブ・英国経済サミットが開催され、財界人や政府高官らがアラブ世界とイギリスの経済関係の拡大を歓迎した。
しかし、講演者らは、ガザ紛争のエスカレーションの脅威が迫ることで長年にわたる経済的進歩が損なわれる恐れがあると警告した。
アラブニュースがメディアパートナーを務めるこのサミットは、「新たなビジョンを持続させる」というテーマのもと、イギリスとアラブ世界のビジネス関係を強化することを目的としている。
アラブ商工会議所連合のサミール・アブドゥラ・ナス会長は冒頭のスピーチで、「安定なくして繁栄はありえない」と警告した。
また、イギリス人とアラブ人の両方の財界人らに対し、「各国政府に影響を与え」ガザ地区の和平を推進するよう呼びかけた。
テレビキャスターのレベッカ・マクラフリン氏が司会を務めたオープニングセッションには、シモンズ・オブ・バーナム・ディーン卿、ABCC事務局長兼CEOのバンダル・アリ・レダ氏、アブダビ・ハリーファ経済特区CEOのモハメド・アル・カダル・アル・アフマド氏、アラブ連盟事務局長のアフマド・アブルゲイト氏、英国務大臣(中東担当)のアーマッド・オブ・ウィンブルドン卿、英ビジネス・通商省貿易委員(中東・パキスタン担当)のオリバー・クリスチャン氏が登壇した。
シモンズ氏は講演の冒頭で、金融、テクノロジー、エネルギー、医療、農業におけるアラブとイギリスの貿易拡大の機会が無数にあることを歓迎した。
また、双方に対し、UAEで開催される国連気候変動会議において「我々の時代における最大の課題」である気候変動に「立ち向かう」よう求めた。
続けて、アラブ世界とイギリスの間の投資は、「それぞれの国民の核心的ニーズに取り組むことを完全に決意している先見性のある指導者らが実施する戦略によって導かれる」と述べた。
さらに、双方の友好関係は「絶対に不可欠」であるとしたうえで、アラブ世界が示している「ダイナミズム」と、アラブ諸国の在英大使館と大使らが果たしている「戦略的」役割を称賛した。
アリ・レダ氏は、3回目となる今回のサミットの規模と範囲はアラブ世界とイギリスの関係と歴史の強さを示していると語った。
バーレーンで開催されたマナーマ対話(世界各国の指導者、閣僚、政策立案者が集まり、最も喫緊の地域安全保障問題について議論し政策対応を共有する会議)から先日帰国したアーマッド大臣は次のように述べた。 「我々が今朝、友好の精神、協力の精神においてここに参加するにあたり、イスラエル、ガザ地区、そして悲しいことにヨルダン川西岸地区で今まさに起こっていることについて反省することから始めないとすれば、それは私にとって、いや、我々のうちの誰にとっても怠慢だろう。起こっていることの激しさは、それに対する人々の関与のレベルに反映されている」
「そのギャップを埋めるために、我々は前進する必要がある。(ガザ地区の)苦しみはあまりにも長く続いている。直接被害を受けていない限り、誰もその痛みや苦しみを理解することはできない」
「この時期に重要なのは、偽りのない率直な対話を行うことであり、見解の相違があったとしても、最終的に我々全員が望む目標は中東の平和であること(を忘れないこと)だ」
「その中心的かつ重要な問題に取り組まなければ、我々は進歩を目にすることはなく、またここに戻ってくることになるだろう」